◆ジム・キャリーとユアン・マクレガーというハリウッド二大スターがゲイカップルを体当たりで演じている(70点)
懲役167年の刑に処せられ、現在もムショ暮らしを送っている脱獄とサギの名人スティーヴン・ラッセルの実話を基にした作品。
◆ジム・キャリーとユアン・マクレガーというハリウッド二大スターがゲイカップルを体当たりで演じている(70点)
懲役167年の刑に処せられ、現在もムショ暮らしを送っている脱獄とサギの名人スティーヴン・ラッセルの実話を基にした作品。
◆報道規制と闘い続けるVJ達が伝えたい真実。アカデミー賞最有力作品。(90点)
2007年にミャンマー(旧名称:ビルマ)で大規模な反政府デモが起こった。今年のアカデミー賞ドキュメンタリー映画賞候補5作品に名を連ねる『ビルマVJ 消された革命(原題:BURMA VJ: REPORTING FROM A CLOSED COUNTRY)』はそのデモを記録したデンマーク人・アンダース・オステルガルド監督作品。本作は、多くの国民が団結し政府に抗議の意思を表したにも関わらず、酷い弾圧を受けた大事件を、厳しい報道規制の下、世界に伝え忘れさせまいと勇敢にもビデオを回す手を止めなかったビデオジャーナリスト(VJ)達の願いと血と涙の結晶だ。
◆無実の罪で投獄された妻のため、夫は全てを投げ打って行動に出る。夫婦愛というより、運命に立ち向かう男をリアルに描いたサスペンスの秀作だ(81点)
暗闇の中、人が争う音だけが聞こえてくる。そして、血で濡れた手で車を運転する男。その表情は、もう後戻りできない不安と、突き進んでいくしかないという意思を、見事に物語っている。冒頭から、ただならぬ緊迫感。この場面だけで十分に、「いい映画」の予感がする。それは裏切られなかった。
◆鬼才パク・チャヌク監督によるリアルなセックス描写が魅力の異色ヴァンパイア映画(80点)
ヴァンパアが血を欲しがる衝動は常に性的な臭いを持つ。記憶に新しい映画『トワイライト』シリーズでも主人公の少女がヴァンパイアに噛まれる事をセックスに例えて演出している。その傾向は第62回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した異質な韓国産ヴァンパイア映画『渇き(英題:THIRST)』にも見られるが、本作ではフランスの自然主義文学家エミール・ゾラの小説「テレーズ・ラカン」の展開に沿って、その血と欲望の切り離せない関係を斬新な切り口で描いてゆく。
◆ギリシア神話の神々やクリーチャーが現代の米国によみがえる(70点)
『ホーム・アローン』や『ハリー・ポッター』シリーズのクリス・コロンバス監督が、ギリシア神話を題材にした同名の児童文学を映像化。17歳のパーシー・ジャクソンは、メトロポリタン美術館で古代ギリシアの展示を見学中、突如、翼の生えた怪物に襲われる。思わぬ人物の助けで危機を脱したパーシーは、自分が海神ポセイドンと人間とのハーフであること、全能の神の最強の武器<ゼウスの稲妻>を盗んだ疑いをかけられていることなどを聞かされて……。
◆ディズニーが手描きアニメに回帰(70点)
ディズニー映画の衣鉢を継いだ物語なら、プリンセスが醜いカエルにキスしたところで、カエルが王子様の姿に戻るのが常道。その種のおとぎ話を臆面もなく是とするディズニー・スピリットは、ドリームワークスに『シュレック』という傑作パロディを作らせるほど、あまねく広く流布している。『プリンセスと魔法のキス』は、ディズニーがそれを逆手に取った新作。呪いが解けるどころか、プリンセス(と勘違いされた娘)までがカエルになってしまったところから始まるファンタジーだ。
◆ユーモアあふれるドラマをテンポよく展開する一方で、その背景に、急速に広がる所得格差や加熱するサッカー人気など、メキシコならではのお国柄や社会状勢を盛り込んでいる(70点)
アルフォンソ・キュアロン監督作品「天国の口、終りの楽園。」(2001年)といえば、熱気と寂寥(せきりょう)が錯綜する青春ロードムービーの傑作。本作「ルドandクルシ」は、「天国の~」で脚本を担当したカルロス・キュアロン(アルフォンソ・キュアロンの弟)が初めてメガホンを取った、喜怒哀楽を濃縮パックしたヒューマンドラマ。主演には「天国の~」のガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナを再び起用した。
◆真犯人を追求して無実を証明するというありがちなサスペンスドラマではない(80点)
フレッド・カヴァイエの長編監督デビュー作で主演は、フランスの人気役者ヴァンサン・ランドンと『イングロリアス・バスターズ』(09)でドイツ人女優役を好演したことが記憶に新しいダイアン・クルーガー。
◆俳優・渡部篤郎の長編初監督作。ワンテイク、NGなしで撮影した、ドキュメンタリーでも、劇映画でもない物語(83点)
俳優たちは普段から、映画にはワンテイクしか必要ないと思っているのかも知れない。俳優が監督すると、ワンテイクで撮りたがるように思う。俳優ヤン・イクチュンが製作・監督・脚本・編集・主演を務めた韓国映画「息もできない」(2008)は、打ち合わせ、リハーサルなしのワンテイク。クリント・イーストウッドもほとんどワンテイクで撮ると聞く。そして本作も、俳優・渡部篤郎が原案・監督・出演を務め、ワンテイク、NGなしで撮影された。
◆プラマー&ミレンが今年のアカデミー賞にノミネートされた話題作!(70点)
19世紀を代表する世界で最も愛されている作家の1人、ロシアの文豪レフ・トルストイ。彼は82歳にして放浪の旅に出た。そして旅の途中、アスターポポ駅で肺炎が原因で果てた。年老いて体調もすぐれななかったにも関わらず、彼が旅へと出なければならなかった理由とは一体何だったのか。ジェイ・パリーニ原作の同名小説を映画化した『終着駅 トルストイの死の謎(原題:THE LAST STATION)』は晩年の文豪の葛藤と、彼を取り巻く者たちの姿を描いてゆく。
◆完全な大人向けのラブ・コメディー(70点)
人気ベーカリーを経営するジェーン(メリル・ストリープ)は十年前にスゴ腕弁護士ジェイク(アレック・ボールドウィン)と離婚したが、三人の子供を立派に育て上げ、仕事とプライベートに関しては満足しているが、心の中では何か物足りない。そんなジェーンは、息子の大学卒業式に出席するために滞在したニューヨークのホテルのバーでジェイクと再会する。ジェイクは、かなり若い小娘と再婚していた。久々に二人でディナーを満喫し、その後は久々の肉体関係を築いてしまう。一方でジェーンはバツイチの建築家アダム(スティーブ・マーティン)とも良い関係になっていた。
◆独り試練に立ち向かう少女の決意が心を揺さぶる(70点)
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(93)のヘンリー・セリック監督が、またまたストップモーション・アニメを駆使して創り上げた、ちょっぴりダークなファンタジー。11歳の少女コララインは、新居で見つけた不思議な扉の向こうで、現実世界とよく似た「もうひとつの世界」と出会う。「別のママ」は料理上手、「別のパパ」は楽しいことが大好きと、構ってくれない本当の両親とは大違いだが、なぜか彼らの目はボタンになっていて……。
◆ストーリーが進むに連れてじわじわと心にしみてくる(70点)
「ボルベール<帰郷>」(2006年)のペドロ・アルモドバル監督が、全幅の信頼を寄せるペネロペ・クルスを主演に起用(ふたりが組むのは4度目)。スペインならではの極彩色に彩られたスクリーン上で展開されるのは、愛と嫉妬と憎悪と復讐が渦巻く濃厚なドラマだ。
◆Jホラーの原点ともいえる伝説の作品がついにベールを脱いだ。多くのホラー・ファンにとってトラウマとなった怖さは、今見ても十分に納得できる(88点)
現在、「Jホラー」と呼ばれるジャンルを作った黒沢清、高橋洋、小中千昭、鶴田法男、中田秀夫、清水崇らの著作や講演、対談などを追うと、Jホラーに直接的に影響したと思われるいくつかの作品が出てくる。それはジョルジョ・フェローニの「生血を吸う女」(1961)であり、ジャック・クレイトンの「回転」(1961)であり、ハーク・ハーヴェイの「恐怖の足跡」(1961)であり、ロバート・ワイズの「たたり」(1963)であり、ジョン・ハフの「ヘルハウス」(1973)であり、ダニエル・マイリックとエドゥアルド・サンチェスの「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(1999)であり・・・・・そして、「シェラデコブレの幽霊」なのだ。