◆1967年製作のホラー・オムニバス大作は今も色褪せない幻想世界の極み。中でもフェリーニ作品は背筋が凍る。(75点)
仏と伊の3巨匠が、エドガー・アラン・ポーの怪奇文学を映像化、1967年に傑作ホラー・オムニバス「世にも怪奇な物語」が誕生した。このほどこの作品が、デジタル・リマスター版として美しくお色直しされることに。デジタル化は、画質と音声がクリアになるメリットの他に、過去の名作を若い世代に紹介できる絶好のチャンスとなる。ホラー・オムニバスは、映画、TVを問わず人気だが、3話構成の本作は、クオリティーの高さで群を抜く。
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◆スタローンの下に、ジェット・リーやステイサムら、アクション・ヒーローたちが大結集した超豪華なB級映画。粗っぽいが、それが「荒々しい魅力」にもなっている(73点)
シルベスター・スタローンにジェット・リー、ジェイソン・ステイサム、ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレン。元プロレス界のスーパー・スター、「ストーン・コールド」スティーブ・オースティン、UFCのランディ・クートゥア。さらにカメオ出演で今やカリフォルニア州知事のシュワルツェネッガーと、ブルース・ウイリス。よくこれだけのメンバーが集まったものだと思う。集まっただけでもう十分、本作は成功と言えるだろう。これだけ集まってしまったら、逆にいい映画にはなりにくいが、いい映画じゃなくても全く構わない。とにかくアクション・ヒーローたちの大集結を観たいのだから。
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◆レズビアンカップルが精子提供者に出会うとき(80点)
映画『しあわせの法則』等で知られるリサ・チョロデンコ監督最新作『THE KIDS ARE ALL RIGHT』では、アネット・ベニングとジュリアン・ムーアの演技派の2大女優が2人の子を持つカップルを演じている。本作を観るまでは、そういった現代ではあまり多くない家庭環境を描くという事が本作をユニークなものにしている様にも見受けられるが、チョロデンコ監督とスチュアート・ブラムバーグ氏が手掛けた脚本は、そこに重点を置かず、あくまでも自然な家庭を描き出す。
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◆不器用な3兄妹の成長と家族の絆が少ない言葉で語られる。ベタつかない家族愛が心地よい。(70点)
『セブンデイズ』(07)で脚本を手懸けたユン・ジェグの監督デビュー作となるサスペンス・スリラー。
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◆不器用な3兄妹の成長と家族の絆が少ない言葉で語られる。ベタつかない家族愛が心地よい。(70点)
プラモデルオタクの青年レイは、母の死後、やむなく実家に戻る。そこには、引きこもりの兄モーリーと生意気な妹リサ、そして死んだ母が日本から呼び寄せた “ばーちゃん”がいた。誰とも深く係わらず生きてきたレイだったが、この奇妙な共同体で暮らすうちに、次第に変化していく…。
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◆荻上直子が一皮むけた(70点)
乳児を何週間も放置する親がいるかと思えば、親の遺体をミイラ化させる子がいたりと、何だか最近、家族がおかしい。そんな中で公開される荻上直子監督の3年ぶりの新作は、切っても切れない家族のつながりを、独特のセンス・オブ・ユーモアでくるんだ良作だ。
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© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX
◆本作の見所は、何と言ってもド派手なアクションシーン(75点)
80年代にアメリカはもちろん、日本でも人気を博したTVドラマ『特攻野郎Aチーム』を劇場用映画として復活させた。当然、キャストは一新され、アクション面もスケールアップした。
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© 2010 森絵都/「カラフル」製作委員会
◆もう一度世界を見つめ直した少年の心の旅。ファンタジーとリアルが絶妙にブレンドされている。(70点)
罪を犯して輪廻できない魂の“ぼく”に天使らしき存在のプラプラが話しかけた。「抽選に当たりました!」。自分が何の罪を犯したかを思い出せば、もう一度現世に戻ることができるという。自殺した14歳の少年“小林真(こばやしまこと)”の身体にホームステイした“ぼく”だったが…。
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◆自分の知らない妻の内面(70点)
新品のパソコンを購入するのはいいものだ。トラブルも少なく、末永く付き合っていける。本来、それ以上の楽しみを知る必要はないのだが、何かの拍子に中古パソコンの魅力に取り付かれたら大変である。
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◆道化師のキャリアを活かしたパントマイム風のギャグが最大の魅力(70点)
ベルギー出身の道化師カップル、ドミニク・アベル&フィオナ・ゴードンが主演し、ブルーノ・ロミと三人で監督、脚本を務めた長編第二弾。
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◆手足だけでなく人間としての誇りまで奪われた男は、己の運命を呪い人生を憎む。旺盛な食欲と性欲が、死にきれなかった彼の希望なき未来を象徴する。映画は、傷痍軍人とその世話をする妻の姿を通じ、人間のエゴの正体に迫る。(70点)
手足だけでなく誇りまで戦場で奪われてしまった男は、己の運命を呪い人生を憎む。食事も排せつも一人ではできず、その苛立ちは介護する妻に向けられ、まるで何かに復讐しているかのように彼女に辛く当たる。そんな主人公の、帝国軍人として潔く散れなかった後悔よりも、芋虫のようになってでも生きようとする “生”への執念がすさまじい。旺盛な食欲と疲れを知らぬ性欲が、死ぬべき時に死ねなかった彼の希望なき未来を象徴する。物語は、軍神と祭り上げられた傷痍軍人と妻の姿を通じ、人間のエゴの正体に迫る。
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◆若松監督にとって戦争を描いた本作は過去の歴史をより深く総括する、ある種の集大成と言える(70点)
平和な田園風景を背景に、一組の夫婦の生き様から戦争の愚かしさを炙り出す強烈な反戦映画だ。太平洋戦争末期、シゲ子の夫・久蔵は、盛大な見送りを受けて戦地へと赴くが、手足を失い顔面が焼けただれた姿で帰還する。無残な姿ながら“生ける軍神”として祭り上げられる久蔵。戸惑いながらも軍神の妻として久蔵に尽くすシゲ子。四肢や言葉を失っても食欲と性欲が衰えず、勲章や自らを讃える新聞記事を誇りにする久蔵に、シゲ子は空虚なものを感じ始めていた。やがて二人に敗戦の日が訪れる…。
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◆上空からスタジアムを俯瞰するカメラが、容疑者が拘束されるまでをワンショットに収めるシーンは、迷宮で道標を見失ったような物語を一気に現実に引き戻す強烈なインパクト。登場人物の焦燥感や息遣いが映像に焼きつけられる。(80点)
上空からスタジアムを俯瞰するカメラがそのままフィールドでプレーする選手の頭上をかすめたかと思うと、満員の観客席にいる2人の男をとらえる。
さらに彼らが追う容疑者と共にバックヤードを走った後高い通路から飛び降り、容疑者が拘束されるまでをワンショットに収める。この恐ろしく手間のかかった
シーンは、迷宮で道標を見失ったような物語を一気に現実に引き戻す強烈なインパクト。登場人物の焦燥感や荒い息遣いがテンションの爆発しそうな映像に焼き
つけられる。
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© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX
◆これぞ真夏の打ち上げ花火ムービーだ(70点)
80年代の人気TVシリーズが、リドリー&トニー・スコット兄弟のプロデュースでスクリーンに復活。無実の罪で追われる身となった4人の米軍レン
ジャーが、脱獄して正義の味方の<Aチーム>を結成するまでを、アクション満載で描き出す。
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◆本作ほど作り手の目論み通りに仕上がったドキュメンタリーも珍しい(80点)
アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞し、日本では上映中止問題で話題となった「ザ・コーヴ」。和歌山県太地町のイルカ漁に反対するクルーが撮
影したドキュメンタリーだ。
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