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	<title>映画批評なら映画ジャッジ！ &#187; 勉強したい2009</title>
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	<description>最新映画の批評が満載！批評家による映画批評を参考にされて、良い映画を見て頂く為のサイトです。</description>
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		<title>ハリウッド監督学入門</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:50:09 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10394</guid>
		<description><![CDATA[◆メモ片手にみたい、映画業界裏話（70点） 　ハリウッドと日本の映画作りにおける違いに興味がある人にとって、『ハリウッド監督学入門』はとても楽しいドキュメンタリーとなるだろう。 　本作の監督で、ハリウッドの業界関係者たちに自らインタビューするのは『リング』（1998）などでJホラーブームを巻き起こした中田秀夫。『ザ・リング2』（2005）でハリウッドデビューをはたした彼は、米国での企画進行のあまりの遅さに「なぜ？　なぜ？　なぜ？」が頭に渦巻き、本作の製作を思い立ったという。 　そんなこともあり、このドキュメンタリーは日米映画界の違いを、3つのキーワードで浮き彫りにする。 　一つ目は中田監督の疑問の解答である「グリーンライト」。ひらたくいえば、企画にゴーサインがでることだが、そこに至るまでの複雑怪奇なシステムを、プロデューサーらのインタビューで明らかにする。 　関連書物を読み込んでいる人にすれば、それほど新味のある話ではないかもしれないが、現役のスタッフが語る姿はさすがに迫力がある。そしてこのキーワードを知るだけでも、これまでハリウッド映画に抱いていた疑問のいくつかが氷解するかもしれない。 　たとえば、私もしょっちゅう言っている「ハリウッドの娯楽大作が、最新の政治情勢に合わせたかのような内容」でタイミングよく公開される理由や、「政治や軍事のインサイダー発かと思うような先見的な内容」が含まれるように見える件についても、その理由がわかる。ひとつの企画がどれほどの長期間、業界内で寝かされているか、最終的な許可を出すのがどこの誰で、何人くらいで決めているのかについて、ぜひ注目してみて欲しい。 　残りのキーワードは「カバレッジ」と「テスト試写」。前者は、複数台のカメラ、アングルで同時に撮影し、最善のものを採用するハリウッド独自の撮影技法。コンテで厳密にスケジュールを立て、無駄なく撮るタイプだった中田監督にとっては、どうにも解せない部分だったらしい。 　これについて、『ザ・リング2』の撮影監督ガブリエル・ベリスタインは、「これこそが、賢いやり方なんだよ」と中田監督をたしなめる。賢いというより、たんなる力技じゃねーかと突っ込みたくなるところだ。ビデオ撮りなどない時代、フィルムもカメラも高価だったころは、そんなカネのかかるやり方は、ハリウッドでしかできなかっただろう。 　「テスト試写」についてはご存知の方も多かろうが、完成前にマーケティングのための試写を行い、その反応によって結末を変更したりするアレだ。客を喜ばせるためなら、パトラッシュを生き返らせる事だってやりかねない。ルーベンスもびっくりである。 　こうしたキーワードごとに、興味深い裏話がたくさん聞ける。73分間、映画業界にどっぷりつかりたい方は、きっと見て損なしの一本。 　中田監督の妙にアメリカンな風貌や、全編通してのぼやき節も、なんだか親しみがわく。納得のいかない実体験を延々と相手に話したりしているが、インタビューにいった先で愚痴をこぼしてどうすんだと、思わず笑いがこみあがる。このへんの間合いが、じつにいい味なのである。 　ハリウッドでは、たくさんの事を学んだと謙虚にかたる中田監督。その経験と溢れる才能を生かし、きっとこれからも面白い作品を作ってくれるだろう。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆メモ片手にみたい、映画業界裏話（70点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002UI8DT0/judgepickup-22/"><img src="http://www.cinemaonline.jp/image/2009/10/study2009-hollywood.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　ハリウッドと日本の映画作りにおける違いに興味がある人にとって、『ハリウッド監督学入門』はとても楽しいドキュメンタリーとなるだろう。</p>
<span id="more-10394"></span>
<p>　本作の監督で、ハリウッドの業界関係者たちに自らインタビューするのは『リング』（1998）などでJホラーブームを巻き起こした中田秀夫。『ザ・リング2』（2005）でハリウッドデビューをはたした彼は、米国での企画進行のあまりの遅さに「なぜ？　なぜ？　なぜ？」が頭に渦巻き、本作の製作を思い立ったという。</p>
<p>　そんなこともあり、このドキュメンタリーは日米映画界の違いを、3つのキーワードで浮き彫りにする。</p>
<p>　一つ目は中田監督の疑問の解答である「グリーンライト」。ひらたくいえば、企画にゴーサインがでることだが、そこに至るまでの複雑怪奇なシステムを、プロデューサーらのインタビューで明らかにする。</p>
<p>　関連書物を読み込んでいる人にすれば、それほど新味のある話ではないかもしれないが、現役のスタッフが語る姿はさすがに迫力がある。そしてこのキーワードを知るだけでも、これまでハリウッド映画に抱いていた疑問のいくつかが氷解するかもしれない。</p>
<p>　たとえば、私もしょっちゅう言っている「ハリウッドの娯楽大作が、最新の政治情勢に合わせたかのような内容」でタイミングよく公開される理由や、「政治や軍事のインサイダー発かと思うような先見的な内容」が含まれるように見える件についても、その理由がわかる。ひとつの企画がどれほどの長期間、業界内で寝かされているか、最終的な許可を出すのがどこの誰で、何人くらいで決めているのかについて、ぜひ注目してみて欲しい。</p>
<p>　残りのキーワードは「カバレッジ」と「テスト試写」。前者は、複数台のカメラ、アングルで同時に撮影し、最善のものを採用するハリウッド独自の撮影技法。コンテで厳密にスケジュールを立て、無駄なく撮るタイプだった中田監督にとっては、どうにも解せない部分だったらしい。</p>
<p>　これについて、『ザ・リング2』の撮影監督ガブリエル・ベリスタインは、「これこそが、賢いやり方なんだよ」と中田監督をたしなめる。賢いというより、たんなる力技じゃねーかと突っ込みたくなるところだ。ビデオ撮りなどない時代、フィルムもカメラも高価だったころは、そんなカネのかかるやり方は、ハリウッドでしかできなかっただろう。</p>
<p>　「テスト試写」についてはご存知の方も多かろうが、完成前にマーケティングのための試写を行い、その反応によって結末を変更したりするアレだ。客を喜ばせるためなら、パトラッシュを生き返らせる事だってやりかねない。ルーベンスもびっくりである。</p>
<p>　こうしたキーワードごとに、興味深い裏話がたくさん聞ける。73分間、映画業界にどっぷりつかりたい方は、きっと見て損なしの一本。</p>
<p>　中田監督の妙にアメリカンな風貌や、全編通してのぼやき節も、なんだか親しみがわく。納得のいかない実体験を延々と相手に話したりしているが、インタビューにいった先で愚痴をこぼしてどうすんだと、思わず笑いがこみあがる。このへんの間合いが、じつにいい味なのである。</p>
<p>　ハリウッドでは、たくさんの事を学んだと謙虚にかたる中田監督。その経験と溢れる才能を生かし、きっとこれからも面白い作品を作ってくれるだろう。</p>]]></content:encoded>
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		<title>食の未来</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:49:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆食の安全性を徹底追求したドキュメンタリー（70点） 　賞味期限や産地の偽装が一段落したと思ったら、テラ豚丼やらケンタッキーフライドゴキブリといった問題が持ち上がっている。どちらもKYなアルバイト店員の悪ふざけが、ミクシーやニコニコ動画といった巨大サイトを通じてネット上で広まったニュースだ。日本のフード業界は、もはや最上位の料亭から最底辺のファストフードまで、腐敗しきってしまったのか。 　──と思ったところで今度は、不祥事のディフェンディングチャンピオン中国から、猛毒ラーメンが売られていたとの仰天話が飛び込んできた。お湯を注いで……ではなく、食べると数分であの世行きだという。知らん顔して輸出したら、これはもう生物兵器となんら変わりない。中国産食品は、いまや大量破壊兵器の粋に達している。米国は中国をテロ支援国家指定してはどうか。 　さて、そんな今ぜひ見てほしいのがこの『食の未来』。誠実な語り口で、冷静に、かつ論理的に食の安全性の問題を解説するまじめなドキュメンタリーだ。米国では04年3月の選挙前にカリフォルニアで上映され、この地域での遺伝子組み換え作物（GMO）栽培禁止法案を通過させる力となった。情報量が多く、一部専門的な内容にも突っ込むため、字幕でなく日本語吹き替え版での上映となる。画面のみに集中して見られるのはありがたい。 　この映画は、消費者や小規模な良心的生産者の立場に立っているが、マイケルムーアのように多国籍アグリビジネス企業に対して感情的に「反対！」とは訴えない。その理由は、一言で言えばその必要がないからだ。たとえば先述の遺伝子組み換え食品については、これはもう事実を淡々と述べるだけでその不公平な本質が誰にでもわかる。 　米国政府の強大なバックアップのもと、世界中に自らの強引なビジネスを押し付けるのは他の産業でも見られるとおり。生物特許とそれに基づいた訴訟という最終兵器を手に、地球上の津々浦々まで出かけて農家を支配せんとする。その仕組みがわかりやすく解説される。 　だいたい遺伝子組み換え食品など、私たち消費者にとっては何一ついいことがない。安全か否かの議論以前に、そもそも必要性がない。むしろ、これのおかげで昔ながらの非組み換え食品に希少価値がつき、値上がりしてしまった。 　日本での国内栽培も、まもなく米国の圧力によって認可されそうな状況だが、そうなればアルゼンチンはじめ世界中で問題になっているように、先祖代々の非組み換えの田んぼや畑、あらゆる自然が汚染され、永久に元に戻すことは出来ない。 　隣の畑で栽培された日には、運が悪ければ自分の農作物をGMOで汚染された上、この映画にあるように「無許可で当社の組み換え作物を栽培した」などと大企業から言いがかりを付けられ、巨額の賠償金を払うハメになる。泣きっ面にハチとはよく言ったものだ。 　何はともあれ、いま世界の農業、食料ビジネスの最前線で何が起きているか。知っておいて損はない。私が運営委員をやった国際有機農業映画祭2007では、熟考の末これをオープニング作品としたが、観客からもおおむね好評であった。食の安全性が気になる方は、ぜひ一度ご覧いただきたい。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆食の安全性を徹底追求したドキュメンタリー（70点）
<a href="http://syoku-no-mirai.net/"><img src="http://www.cinemaonline.jp/image/2009/10/study2009-syoku-no-mirai.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　賞味期限や産地の偽装が一段落したと思ったら、テラ豚丼やらケンタッキーフライドゴキブリといった問題が持ち上がっている。どちらもKYなアルバイト店員の悪ふざけが、ミクシーやニコニコ動画といった巨大サイトを通じてネット上で広まったニュースだ。日本のフード業界は、もはや最上位の料亭から最底辺のファストフードまで、腐敗しきってしまったのか。</p>
<span id="more-10384"></span>
<p>　──と思ったところで今度は、不祥事のディフェンディングチャンピオン中国から、猛毒ラーメンが売られていたとの仰天話が飛び込んできた。お湯を注いで……ではなく、食べると数分であの世行きだという。知らん顔して輸出したら、これはもう生物兵器となんら変わりない。中国産食品は、いまや大量破壊兵器の粋に達している。米国は中国をテロ支援国家指定してはどうか。</p>
<p>　さて、そんな今ぜひ見てほしいのがこの『食の未来』。誠実な語り口で、冷静に、かつ論理的に食の安全性の問題を解説するまじめなドキュメンタリーだ。米国では04年3月の選挙前にカリフォルニアで上映され、この地域での遺伝子組み換え作物（GMO）栽培禁止法案を通過させる力となった。情報量が多く、一部専門的な内容にも突っ込むため、字幕でなく日本語吹き替え版での上映となる。画面のみに集中して見られるのはありがたい。</p>
<p>　この映画は、消費者や小規模な良心的生産者の立場に立っているが、マイケルムーアのように多国籍アグリビジネス企業に対して感情的に「反対！」とは訴えない。その理由は、一言で言えばその必要がないからだ。たとえば先述の遺伝子組み換え食品については、これはもう事実を淡々と述べるだけでその不公平な本質が誰にでもわかる。</p>
<p>　米国政府の強大なバックアップのもと、世界中に自らの強引なビジネスを押し付けるのは他の産業でも見られるとおり。生物特許とそれに基づいた訴訟という最終兵器を手に、地球上の津々浦々まで出かけて農家を支配せんとする。その仕組みがわかりやすく解説される。</p>
<p>　だいたい遺伝子組み換え食品など、私たち消費者にとっては何一ついいことがない。安全か否かの議論以前に、そもそも必要性がない。むしろ、これのおかげで昔ながらの非組み換え食品に希少価値がつき、値上がりしてしまった。</p>
<p>　日本での国内栽培も、まもなく米国の圧力によって認可されそうな状況だが、そうなればアルゼンチンはじめ世界中で問題になっているように、先祖代々の非組み換えの田んぼや畑、あらゆる自然が汚染され、永久に元に戻すことは出来ない。</p>
<p>　隣の畑で栽培された日には、運が悪ければ自分の農作物をGMOで汚染された上、この映画にあるように「無許可で当社の組み換え作物を栽培した」などと大企業から言いがかりを付けられ、巨額の賠償金を払うハメになる。泣きっ面にハチとはよく言ったものだ。</p>
<p>　何はともあれ、いま世界の農業、食料ビジネスの最前線で何が起きているか。知っておいて損はない。私が運営委員をやった国際有機農業映画祭2007では、熟考の末これをオープニング作品としたが、観客からもおおむね好評であった。食の安全性が気になる方は、ぜひ一度ご覧いただきたい。</p>]]></content:encoded>
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		<title>受験のシンデレラ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/dvd-ranking2009/study2009/10392.html</link>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:42:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆本格受験指南ムービー（70点） 　『受験のシンデレラ』は、異業種監督が最初に作るべき映画の見本のような作品である。 　東大合格率第一位の名門予備校のカリスマ教師・五十嵐（豊原功補）は、あるとき末期がんで余命1年半の宣告を受ける。絶望の最中、彼はコンビニで貧しそうな少女・真紀（寺島咲）と出会う。レジでの消費税計算において、真紀に数学的センスを見出した五十嵐は彼女に向かって言う。「お前は人生を変える気はないか？」 　格差社会の最底辺ともいうべき、貧しい母子家庭の高校中退の少女を、日本一のカリスマ教師は人生最後の生徒に選んだ。チャンスは一回のみ、1年半後の東大合格に向け、500円コイン一枚の授業料で、二人の無謀な挑戦が始まる。 　監督の和田秀樹といえば、言わずと知れた大学受験アドバイザー。名門灘高で落ちこぼれるも、独自の勉強法を編み出して東京大学最難関の理3（医学部）に現役合格した受験界のカリスマだ。多くの受験生が最後に使う&#34;赤本&#34;（過去問題）を、むしろ最初に開けと提唱した、合理性の塊のようなその勉強法は、30代以下の人にはよく知られているだろう。 　実はずっと映画を作りたかったと語る彼は、初監督作ながら「芸術面」を追求する（多くの映画人がハマりやすい）強烈な誘惑に屈することなく、自分のできることのみに特化した身近な娯楽作品を作った。その勇気と戦略性こそ大正解で、結果的に彼以外には（とくに専門の映画監督には）到底作れない、ユニークな&#34;本格受験指南ムービー&#34;が出来上がった。 　受験をネタにスポ根を目指したようなこの映画。さわやかな感動と興奮を与えてくれると同時に、忌々しい格差社会の下層から抜け出したい人に絶大な勇気を与えてくれるシンデレラストーリーとなっている。 　しかもその手法には具体性がある。劇中登場する参考書類は実在するもので、和田本を読んだ人ならわかる「受験のテクニック」も満載である。大学や高校を目指す若者やその親たち、あるいは資格試験を考えている人がこの映画を見たら、力強く背中を押してもらえるだろう。 　格差社会、受験、そして末期癌に対する緩和ケアという最新医療。この3つのテーマは、受験の専門家であり医師でもある和田秀樹の独壇場。そして、さすがに数々のベストセラーを出してきただけあって、自分の引き出しの中の何を見せれば観客に受けるかという点をよく理解している。こういう、空気が読める上に頭のいい人が作った映画は、例外なく面白い。 　技術面では、まだまだ荒っぽい部分が見られるが、そんなことどうでも良くなるほどに素材が良く、パワーがある。異業種監督の映画作りとは、こうでなくてはならない。 　あまりに面白くて、これを見ると和田秀樹の受験テクニック本のひとつも買いたくなる。いやはや、憎らしいほどに商売上手なことよ。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆本格受験指南ムービー（70点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001O094AC/judgepickup-22/"><img src="http://www.cinemaonline.jp/image/2009/10/study2009-juken.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　『受験のシンデレラ』は、異業種監督が最初に作るべき映画の見本のような作品である。</p>
<span id="more-10392"></span>
<p>　東大合格率第一位の名門予備校のカリスマ教師・五十嵐（豊原功補）は、あるとき末期がんで余命1年半の宣告を受ける。絶望の最中、彼はコンビニで貧しそうな少女・真紀（寺島咲）と出会う。レジでの消費税計算において、真紀に数学的センスを見出した五十嵐は彼女に向かって言う。「お前は人生を変える気はないか？」</p>
<p>　格差社会の最底辺ともいうべき、貧しい母子家庭の高校中退の少女を、日本一のカリスマ教師は人生最後の生徒に選んだ。チャンスは一回のみ、1年半後の東大合格に向け、500円コイン一枚の授業料で、二人の無謀な挑戦が始まる。</p>
<p>　監督の和田秀樹といえば、言わずと知れた大学受験アドバイザー。名門灘高で落ちこぼれるも、独自の勉強法を編み出して東京大学最難関の理3（医学部）に現役合格した受験界のカリスマだ。多くの受験生が最後に使う&quot;赤本&quot;（過去問題）を、むしろ最初に開けと提唱した、合理性の塊のようなその勉強法は、30代以下の人にはよく知られているだろう。</p>
<p>　実はずっと映画を作りたかったと語る彼は、初監督作ながら「芸術面」を追求する（多くの映画人がハマりやすい）強烈な誘惑に屈することなく、自分のできることのみに特化した身近な娯楽作品を作った。その勇気と戦略性こそ大正解で、結果的に彼以外には（とくに専門の映画監督には）到底作れない、ユニークな&quot;本格受験指南ムービー&quot;が出来上がった。</p>
<p>　受験をネタにスポ根を目指したようなこの映画。さわやかな感動と興奮を与えてくれると同時に、忌々しい格差社会の下層から抜け出したい人に絶大な勇気を与えてくれるシンデレラストーリーとなっている。</p>
<p>　しかもその手法には具体性がある。劇中登場する参考書類は実在するもので、和田本を読んだ人ならわかる「受験のテクニック」も満載である。大学や高校を目指す若者やその親たち、あるいは資格試験を考えている人がこの映画を見たら、力強く背中を押してもらえるだろう。</p>
<p>　格差社会、受験、そして末期癌に対する緩和ケアという最新医療。この3つのテーマは、受験の専門家であり医師でもある和田秀樹の独壇場。そして、さすがに数々のベストセラーを出してきただけあって、自分の引き出しの中の何を見せれば観客に受けるかという点をよく理解している。こういう、空気が読める上に頭のいい人が作った映画は、例外なく面白い。</p>
<p>　技術面では、まだまだ荒っぽい部分が見られるが、そんなことどうでも良くなるほどに素材が良く、パワーがある。異業種監督の映画作りとは、こうでなくてはならない。</p>
<p>　あまりに面白くて、これを見ると和田秀樹の受験テクニック本のひとつも買いたくなる。いやはや、憎らしいほどに商売上手なことよ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>シッコ</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:36:06 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10399</guid>
		<description><![CDATA[◆今度は世の中を変えられるか？（96点） 　マイケル・ムーア監督の最新ドキュメンタリー「シッコ」は、期待を上回る物凄い映画であった。 　左翼活動家兼ドキュメンタリー作家として社会問題を追い続ける彼の今回のテーマは「アメリカの健康保険制度」。先進国の中で最悪といわれる、悪名高いかの国の制度について、まずはなぜひどいのか、実例を示すところから映画は始まる。 　成熟した国民皆保険制度の恩恵を受けている日本人としては、到底信じられないような悲劇が何例も示され、「うわさには聞いていたがここまでひどいのか……」とショックを受ける。 　しかもそうした悲劇は低所得層に多い「無保険者」に降りかかっているのではなく、「民間保険に入っていた（＝高額な掛け金を払っていた）のに、土壇場で保険会社に難癖をつけられ支払いを拒否された人」のそれである。このショッキングな序盤で観客は、問題点は「保険制度を営利企業に任せる」という、発想そのものである事を理解する。 　この先も怒涛の勢いでムーアの解説、追及が続く。彼はブッシュ落選を目的として作った前作『華氏911』の完成を大統領選に間に合わせるため、一時本作の製作を中断していたのだが、それ以前から長年追い続けてきた最重要問題はコチラというだけあり、その構成のわかりやすさ、面白さは段違い。一瞬たりとも目を離せないほどエンタテイメント性が高く、ほかでは絶対みられない彼ならではのドキュメンタリーを、十二分に堪能できる。 　ムーアが本当にうまいなと思うのは、エピソードの選び方。彼の元に集まった膨大な体験談、ネタの中から、自らの描く絵図にハマるものだけを的確に抜き出している。それが人々に与える効果を正確に予測しつつ、無駄なく編集、構成する。突撃取材の過激さばかりが目立つが、彼の本当の凄みはこの構成力、脚本にあるといっても過言ではない。 　本作でいえば、米国との対比としてフランスの制度を中心に扱うあたりが心憎い。映画の中で語られるその表向きの理由は、フランスの保険制度がWHOのランキングで一位だからとされる。 　しかし私が思うに、「ジャイアニムズの権化たるアメリカ人（とくに支配階級のWASP）も、世界で唯一フランス人にだけは潜在的なコンプレックスを持っている」という心理をこそムーアは利用している。 　そして映画のクライマックスは、911テロ救出作業時の英雄たち（有害粉塵のため障害が残ったが、政府からは見捨てられ、高額治療費の支払いにより困窮している）を連れ、キューバの米軍基地に出向く場面。ここで彼らは、無料で最新医療を受けている911の犯人たち、つまりテロリストと同じレベルの治療を受けさせてくれと頼むのだ。その後彼らは、キューバの医療制度の現場も取材する。 　この落差ある展開には唸らされる。アメリカ人の観客にすれば、内心かなわないと思っているフランス人が作り上げた優れた制度を散々見せられたあと、長年敵国であった（見下すべき社会主義の後進国のはずの）キューバにさえ、自国の制度が劣っている事を見せ付けられるのだ。彼らが受けるインパクトの大きさたるや、想像に難くない。 　このキューバでの場面は必見で、街角の薬局で起こるある出来事を見て、心動かされぬ人はいまい。映画を見て怒りと悔しさのあまり涙が出てくる体験はなかなか出来るものではない。 　そう、『シッコ』はムーアらしいユーモアにあふれているが、その背後には証言者たちの猛烈な怒りを感じられる。そこがいいのだ。笑うべきシーンでもまったく笑えず、こちらも怒りの感情ばかりがふつふつと沸いてくる。 　現政権批判一色であった『華氏911』と違い、この映画が扱っているような消費者問題は、右だの左だの思想とは無関係に見られるというのもいい。また、見ねばならない。 　『シッコ』では他国の制度の問題点はあえて取り上げていないし、ムーア作品の常で、観客の思想を自らの思うほうへ誘導しようとする演出も多々見受けられる。おそらくそうした点を批判する人も、多数出てくることだろう。 　だが、それがいったい何だというのだ。そんな事はなんのマイナスでもないし、この作品の価値を下げはしない。公的な国民皆保険制度を導入することは、米国の労働者にとって絶対に利益があることであり、反論の余地はないのだ。そしてムーアが目指すのはまさにそれで、たとえ多少の問題があろうと、まずはこういう他国並の制度を導入しようよ、という提案は全面的に支持できる。 　『シッコ』のすばらしいところは、外国の制度を（あえて無条件に）礼賛してはいても、観客に「さっさと米国を捨てて移住したい」と思わせないように作ってあるところだ。「うちの国はこんなにひどい。でも頑張ってみんなで他国のいいところは取り入れて行こうよ」という、建設的かつ前向きな主張は、ムーアに愛国心があるからなせることで、だからこそこの映画は米国民から圧倒的な支持を得たのだ。 　面白いし、泣けるし、勉強にもなる。マイケル・ムーアの最新作は、彼の最高傑作といってもいい優れたドキュメンタリーだった。医療格差を呼ぶことになるであろう混合診療解禁など、ちょっと目を離すとすぐにアメリカの後を追いたがる日本に住むものとしても、これは他人事ではない問題だ。 　唯一気になるのは、ムーア自身の怒りがあまり伝わってこなかったような気がする点。本人が儲かっていてもはや問題の当事者ではなくなってしまったからなのか、あまりに映画作りが上手くなりすぎたためなのか、いずれにせよ一抹の不安を感じさせる部分ではあった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆今度は世の中を変えられるか？（96点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002M7OHVM/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B002M7OHVM.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　マイケル・ムーア監督の最新ドキュメンタリー「シッコ」は、期待を上回る物凄い映画であった。</p>
<span id="more-10399"></span>
<p>　左翼活動家兼ドキュメンタリー作家として社会問題を追い続ける彼の今回のテーマは「アメリカの健康保険制度」。先進国の中で最悪といわれる、悪名高いかの国の制度について、まずはなぜひどいのか、実例を示すところから映画は始まる。</p>
<p>　成熟した国民皆保険制度の恩恵を受けている日本人としては、到底信じられないような悲劇が何例も示され、「うわさには聞いていたがここまでひどいのか……」とショックを受ける。</p>
<p>　しかもそうした悲劇は低所得層に多い「無保険者」に降りかかっているのではなく、「民間保険に入っていた（＝高額な掛け金を払っていた）のに、土壇場で保険会社に難癖をつけられ支払いを拒否された人」のそれである。このショッキングな序盤で観客は、問題点は「保険制度を営利企業に任せる」という、発想そのものである事を理解する。</p>
<p>　この先も怒涛の勢いでムーアの解説、追及が続く。彼はブッシュ落選を目的として作った前作『華氏911』の完成を大統領選に間に合わせるため、一時本作の製作を中断していたのだが、それ以前から長年追い続けてきた最重要問題はコチラというだけあり、その構成のわかりやすさ、面白さは段違い。一瞬たりとも目を離せないほどエンタテイメント性が高く、ほかでは絶対みられない彼ならではのドキュメンタリーを、十二分に堪能できる。</p>
<p>　ムーアが本当にうまいなと思うのは、エピソードの選び方。彼の元に集まった膨大な体験談、ネタの中から、自らの描く絵図にハマるものだけを的確に抜き出している。それが人々に与える効果を正確に予測しつつ、無駄なく編集、構成する。突撃取材の過激さばかりが目立つが、彼の本当の凄みはこの構成力、脚本にあるといっても過言ではない。</p>
<p>　本作でいえば、米国との対比としてフランスの制度を中心に扱うあたりが心憎い。映画の中で語られるその表向きの理由は、フランスの保険制度がWHOのランキングで一位だからとされる。</p>
<p>　しかし私が思うに、「ジャイアニムズの権化たるアメリカ人（とくに支配階級のWASP）も、世界で唯一フランス人にだけは潜在的なコンプレックスを持っている」という心理をこそムーアは利用している。</p>
<p>　そして映画のクライマックスは、911テロ救出作業時の英雄たち（有害粉塵のため障害が残ったが、政府からは見捨てられ、高額治療費の支払いにより困窮している）を連れ、キューバの米軍基地に出向く場面。ここで彼らは、無料で最新医療を受けている911の犯人たち、つまりテロリストと同じレベルの治療を受けさせてくれと頼むのだ。その後彼らは、キューバの医療制度の現場も取材する。</p>
<p>　この落差ある展開には唸らされる。アメリカ人の観客にすれば、内心かなわないと思っているフランス人が作り上げた優れた制度を散々見せられたあと、長年敵国であった（見下すべき社会主義の後進国のはずの）キューバにさえ、自国の制度が劣っている事を見せ付けられるのだ。彼らが受けるインパクトの大きさたるや、想像に難くない。</p>
<p>　このキューバでの場面は必見で、街角の薬局で起こるある出来事を見て、心動かされぬ人はいまい。映画を見て怒りと悔しさのあまり涙が出てくる体験はなかなか出来るものではない。</p>
<p>　そう、『シッコ』はムーアらしいユーモアにあふれているが、その背後には証言者たちの猛烈な怒りを感じられる。そこがいいのだ。笑うべきシーンでもまったく笑えず、こちらも怒りの感情ばかりがふつふつと沸いてくる。</p>
<p>　現政権批判一色であった『華氏911』と違い、この映画が扱っているような消費者問題は、右だの左だの思想とは無関係に見られるというのもいい。また、見ねばならない。</p>
<p>　『シッコ』では他国の制度の問題点はあえて取り上げていないし、ムーア作品の常で、観客の思想を自らの思うほうへ誘導しようとする演出も多々見受けられる。おそらくそうした点を批判する人も、多数出てくることだろう。</p>
<p>　だが、それがいったい何だというのだ。そんな事はなんのマイナスでもないし、この作品の価値を下げはしない。公的な国民皆保険制度を導入することは、米国の労働者にとって絶対に利益があることであり、反論の余地はないのだ。そしてムーアが目指すのはまさにそれで、たとえ多少の問題があろうと、まずはこういう他国並の制度を導入しようよ、という提案は全面的に支持できる。</p>
<p>　『シッコ』のすばらしいところは、外国の制度を（あえて無条件に）礼賛してはいても、観客に「さっさと米国を捨てて移住したい」と思わせないように作ってあるところだ。「うちの国はこんなにひどい。でも頑張ってみんなで他国のいいところは取り入れて行こうよ」という、建設的かつ前向きな主張は、ムーアに愛国心があるからなせることで、だからこそこの映画は米国民から圧倒的な支持を得たのだ。</p>
<p>　面白いし、泣けるし、勉強にもなる。マイケル・ムーアの最新作は、彼の最高傑作といってもいい優れたドキュメンタリーだった。医療格差を呼ぶことになるであろう混合診療解禁など、ちょっと目を離すとすぐにアメリカの後を追いたがる日本に住むものとしても、これは他人事ではない問題だ。</p>
<p>　唯一気になるのは、ムーア自身の怒りがあまり伝わってこなかったような気がする点。本人が儲かっていてもはや問題の当事者ではなくなってしまったからなのか、あまりに映画作りが上手くなりすぎたためなのか、いずれにせよ一抹の不安を感じさせる部分ではあった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>それでもボクはやってない</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:35:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆すべての男が見るべき大傑作（98点） 　2006年の総評でもちらと触れたが、昨年私が見た数百本の映画の中で、もっとも面白かった映画がこれである。痴漢冤罪という、誰にでも実感できる切り口で日本の刑事裁判の抱える問題点を描いた社会派映画。しかしながら堅苦しさはゼロで、娯楽度満点。先が気になる度がきわめて高いストーリーと、へぇ連発のディテール。どこをとっても完璧に限りなく近い、まさしく年度を代表する傑作といえる。 　主人公のさえないフリーター（加瀬亮）は、満員電車から降りたとたん女子中学生に手首をつかまれた。駅員室に連れて行かれた彼は、覚えのない痴漢を頑強に否定。すると警察がやってきて留置され、そのまま裁判を闘うことになるのだった。 　この映画の上映時間は147分。一見長大に思えるが体感時間はその半分程度、まさに尿意を忘れる一本だ。『Shall We ダンス？』（96年、日）以来の新作となる周防正行監督は、これを作るのに2年間に及ぶ徹底取材を行ったという。ぎっしりと雑学および強い問題提起がつまった2時間半からは、その意欲と成果を十二分に感じられる。とくに、（元ねたとなった本はあるが）明確な原作ものでない映画で、ここまで細部を詳細に描いた作品は近年見たことがない。 　主人公に降りかかる災難は男なら誰にでも起こりうること。そしてその後に彼が取る幾多の行動も、誰もがそうするであろう、大いに共感できるものばかり。いくら日本の裁判に問題があるとはいえ、やってもいない事で罰を受けるわけがないと考えるのも自然だ。 　しかし、そうした一般人の考えがいかに甘いものか、映画はのっけから見事に打ち砕いてくれる。痴漢を認めた別の男が数時間で釈放され、否定した主人公は何十日も警察に締め上げ続けられる。そして、社会的に抹殺されるのは後者。面会した当番弁護士が、やってもいない罪を認めたほうが得と語るとき、主人公と観客は大きなショックを受ける。 　このように、ただ漠然と「痴漢冤罪は怖い」と考えている多くの人に対し、徹底して調べ上げたリアリティの積み上げによって、監督は強い衝撃を与え続ける。 　しかし、当初は孤立していた彼にも、やがて味方が現れる。同じ冤罪被害者とそれを支える市民団体、そして役所広司演じるベテラン弁護士。無罪を信じて戦う母親のもたいまさこらも素晴らしい演技を見せる。親友や鈴木蘭々演じる元カノも、一丸となって裁判に挑む。このあたりの盛り上がりは、内外のあらゆる裁判劇を凌駕するといっても過言ではない。 　この映画の美点は、監督の、日本の刑事裁判に対する（恐らく）激しい怒りが込められているにもかかわらず、悲壮感にとらわれず、悲観的にもなることなく、ユーモアたっぷりに描いていることだ。リベラル派の人たちは、こと体制批判となると妙に皮肉っぽくなったり、肩の力が入りすぎたりしがちであるが、この監督はそのあたりのバランス感覚に優れている。 　私は常日頃から、日本のメジャー映画業界はもっと製作本数を減らし、一本あたりのクォリティをあげるべきと言っているが、かように優れた作品をみるとその思いをより強くする。周防監督のごときセンスある才能に、十分な製作期間（取材と構想、脚本を練る期間）と予算を与えると、これほどのものが出来上がる。 　いまは、邦画バブルといわれるほど活況の日本映画界ではあるが、この好景気による貯金を食いつぶすことなく次世代につなげるために、『それでもボクはやってない』の出来の良さは大きなヒントになるはずだ。 　『それでもボクはやってない』は、超映画批評を立ち上げた当初から願ってやまなかった「こういう日本映画が見たい」という私の気持ちを、具現化してくれたような一本だ。唯一のマイナス点については、重大なネタバレにかかわるためここで書くわけにはいかないが、見終わった瞬間に多くの人が感じるのではと思う。しかし、それでもこの作品が必見であることに疑問の余地はない。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆すべての男が見るべき大傑作（98点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000QJLROI/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B000QJLROI.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　2006年の総評でもちらと触れたが、昨年私が見た数百本の映画の中で、もっとも面白かった映画がこれである。痴漢冤罪という、誰にでも実感できる切り口で日本の刑事裁判の抱える問題点を描いた社会派映画。しかしながら堅苦しさはゼロで、娯楽度満点。先が気になる度がきわめて高いストーリーと、へぇ連発のディテール。どこをとっても完璧に限りなく近い、まさしく年度を代表する傑作といえる。</p>
<span id="more-10398"></span>
<p>　主人公のさえないフリーター（加瀬亮）は、満員電車から降りたとたん女子中学生に手首をつかまれた。駅員室に連れて行かれた彼は、覚えのない痴漢を頑強に否定。すると警察がやってきて留置され、そのまま裁判を闘うことになるのだった。</p>
<p>　この映画の上映時間は147分。一見長大に思えるが体感時間はその半分程度、まさに尿意を忘れる一本だ。『Shall We ダンス？』（96年、日）以来の新作となる周防正行監督は、これを作るのに2年間に及ぶ徹底取材を行ったという。ぎっしりと雑学および強い問題提起がつまった2時間半からは、その意欲と成果を十二分に感じられる。とくに、（元ねたとなった本はあるが）明確な原作ものでない映画で、ここまで細部を詳細に描いた作品は近年見たことがない。</p>
<p>　主人公に降りかかる災難は男なら誰にでも起こりうること。そしてその後に彼が取る幾多の行動も、誰もがそうするであろう、大いに共感できるものばかり。いくら日本の裁判に問題があるとはいえ、やってもいない事で罰を受けるわけがないと考えるのも自然だ。</p>
<p>　しかし、そうした一般人の考えがいかに甘いものか、映画はのっけから見事に打ち砕いてくれる。痴漢を認めた別の男が数時間で釈放され、否定した主人公は何十日も警察に締め上げ続けられる。そして、社会的に抹殺されるのは後者。面会した当番弁護士が、やってもいない罪を認めたほうが得と語るとき、主人公と観客は大きなショックを受ける。</p>
<p>　このように、ただ漠然と「痴漢冤罪は怖い」と考えている多くの人に対し、徹底して調べ上げたリアリティの積み上げによって、監督は強い衝撃を与え続ける。</p>
<p>　しかし、当初は孤立していた彼にも、やがて味方が現れる。同じ冤罪被害者とそれを支える市民団体、そして役所広司演じるベテラン弁護士。無罪を信じて戦う母親のもたいまさこらも素晴らしい演技を見せる。親友や鈴木蘭々演じる元カノも、一丸となって裁判に挑む。このあたりの盛り上がりは、内外のあらゆる裁判劇を凌駕するといっても過言ではない。</p>
<p>　この映画の美点は、監督の、日本の刑事裁判に対する（恐らく）激しい怒りが込められているにもかかわらず、悲壮感にとらわれず、悲観的にもなることなく、ユーモアたっぷりに描いていることだ。リベラル派の人たちは、こと体制批判となると妙に皮肉っぽくなったり、肩の力が入りすぎたりしがちであるが、この監督はそのあたりのバランス感覚に優れている。</p>
<p>　私は常日頃から、日本のメジャー映画業界はもっと製作本数を減らし、一本あたりのクォリティをあげるべきと言っているが、かように優れた作品をみるとその思いをより強くする。周防監督のごときセンスある才能に、十分な製作期間（取材と構想、脚本を練る期間）と予算を与えると、これほどのものが出来上がる。</p>
<p>　いまは、邦画バブルといわれるほど活況の日本映画界ではあるが、この好景気による貯金を食いつぶすことなく次世代につなげるために、『それでもボクはやってない』の出来の良さは大きなヒントになるはずだ。</p>
<p>　『それでもボクはやってない』は、超映画批評を立ち上げた当初から願ってやまなかった「こういう日本映画が見たい」という私の気持ちを、具現化してくれたような一本だ。唯一のマイナス点については、重大なネタバレにかかわるためここで書くわけにはいかないが、見終わった瞬間に多くの人が感じるのではと思う。しかし、それでもこの作品が必見であることに疑問の余地はない。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ハッピーフライト</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:34:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆全日空全面協力の、かつてない飛行機映画（90点） 　『ウォーターボーイズ』（2001）、『スウィングガールズ』（2004）と続けてヒットを飛ばした矢口史靖監督は、この最新作では飛行機を飛ばすことになった。取材の過程でマニア級の飛行機好きになった監督としては、前二作とは趣の相当異なる、そして邦画には珍しい「一般ウケするオタク映画」を作り上げた。 　ここで本来あらすじを紹介するのだが、この映画の場合は必要ない。『ハッピーフライト』は群像劇の形を取っているが、ストーリーを楽しみにいく作品ではない。一機の旅客機が飛び立つまでに、いったい空港や管制塔の裏側では何がおきているのか。どんな人がどんな仕事をしているか多岐にわたって追いかけるという、その一点に注力した作品なのだ。 　つまりこの映画は、飛行機マニアで有名な宮?駿も真っ青なディテールの積み重ね&#34;のみ&#34;で、映画を作ってしまったという、とてつもない挑戦・意欲作といってよい。そしてその面白さは、そんじょそこらの飛行機パニック映画が束になってもかなわない。 　たとえば滑走路では、爆音に消されぬよう通信用のマイクに骨伝導のものが使われている。あるいは鳥と航空機が激突するのを避けるため、散弾銃を持った職員が近辺をパトロールしている。整備士は工具箱に鍵をかけている。 　こうしたトリビアが、それこそ山のように映画に登場する。パイロットや客室乗務員はもとより管制官、機内掃除のおじさん、そして強烈なクレーム客まで、かつてないほど「ひこうじょうのひとびと」の様子を克明に記録したドラマ映画といってよい。 　しかもそれらはあくまでさりげなく登場する。自慢げに「こんなにリサーチしましたよ?」と出てくれば鼻にもつくが、この監督はそんなミスは犯さない。説明はほとんどなく、しかし観客に伝わるよう、絶妙の演出力で処理されている。 　たとえばパイロットの一人が酸素マスクをつけるシーンがある。このマスクが何で、何のために出てきたのか映画では一切解説されない。だがそれは、確実に観客に伝わる。それはなぜかと言うと、その少し前に機長らが弁当を食べるコミカルな場面があるからだ。 　この二つは対になったシークエンスで、この順で配置されることで、初めて意味を持つ演出となっている。 　後者のマスクの場面では、余計な解説を入れたらストーリーをつなぐ旋律が確実に途切れ、サスペンスとしての面白さが損なわれる。だから無説明にするほかないが、矢口監督はその役割を弁当の場面に担わせている。小さいことのように思えるが、こうした丁寧な脚本を書き、演出できる人がいったいどれだけいるだろう。 　この監督のセンスのよさは、田畑智子演じるグランドホステスの物語にもよく現れている。この作品の登場人物はみな魅力的なので見ていて飽きないが、彼女のエピソードのラストのさわやかさは、映画全体の満足度を大いに上げたといってよい。説明過多な演出がいかに映画をつまらなくするか、この監督はしっかりと心得ている。 　メカや「おしごと」部分のリアリティおよび徹底したリサーチ結果に比べると、俳優たちが担う「人間のリアリティ」はやや追いついていない印象を受ける。もっとも、そこをこだわるには相当な期間と費用がかかり、日本映画では難しいものがあろう。 　よって、それぞれの役者の個人技に頼る形になっている。そのためそれぞれのキャラクターが放つムードにはムラがあるものの、いい意味でメリハリとなった印象だ。時任三郎や寺島しのぶは、プロらしい凛々しさを感じさせるし、田畑智子や平岩紙のコミカルな雰囲気もいいアクセント。座頭市から一変、綾瀬はるかの天然ぶりもかわいらしい。 『ハッピーフライト』のような力作が増えてくると、日本の娯楽映画界も盛り上がる。お手軽娯楽では決してない、信念を持った本気のリサーチと、それを安定した演出力であえて軽い味付けに仕上げる優れた監督。 　先日、JAL全面協力のトホホなバスケ映画があったが、これをみるとこれからはANAに乗るかという気にもなる。これほどの傑作が出来上がり、現役旅客機を撮影のため15日間も提供した社長さんも大喜びであろう。 　『ハッピーフライト』は本当にすごい映画だ。邦画に常にがっかりさせられる人が見たら、この凄さがきっとわかるだろう。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆全日空全面協力の、かつてない飛行機映画（90点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001TIKGDS/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B001TIKGDS.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　『ウォーターボーイズ』（2001）、『スウィングガールズ』（2004）と続けてヒットを飛ばした矢口史靖監督は、この最新作では飛行機を飛ばすことになった。取材の過程でマニア級の飛行機好きになった監督としては、前二作とは趣の相当異なる、そして邦画には珍しい「一般ウケするオタク映画」を作り上げた。</p>
<span id="more-10397"></span>
<p>　ここで本来あらすじを紹介するのだが、この映画の場合は必要ない。『ハッピーフライト』は群像劇の形を取っているが、ストーリーを楽しみにいく作品ではない。一機の旅客機が飛び立つまでに、いったい空港や管制塔の裏側では何がおきているのか。どんな人がどんな仕事をしているか多岐にわたって追いかけるという、その一点に注力した作品なのだ。</p>
<p>　つまりこの映画は、飛行機マニアで有名な宮?駿も真っ青なディテールの積み重ね&quot;のみ&quot;で、映画を作ってしまったという、とてつもない挑戦・意欲作といってよい。そしてその面白さは、そんじょそこらの飛行機パニック映画が束になってもかなわない。</p>
<p>　たとえば滑走路では、爆音に消されぬよう通信用のマイクに骨伝導のものが使われている。あるいは鳥と航空機が激突するのを避けるため、散弾銃を持った職員が近辺をパトロールしている。整備士は工具箱に鍵をかけている。</p>
<p>　こうしたトリビアが、それこそ山のように映画に登場する。パイロットや客室乗務員はもとより管制官、機内掃除のおじさん、そして強烈なクレーム客まで、かつてないほど「ひこうじょうのひとびと」の様子を克明に記録したドラマ映画といってよい。</p>
<p>　しかもそれらはあくまでさりげなく登場する。自慢げに「こんなにリサーチしましたよ?」と出てくれば鼻にもつくが、この監督はそんなミスは犯さない。説明はほとんどなく、しかし観客に伝わるよう、絶妙の演出力で処理されている。</p>
<p>　たとえばパイロットの一人が酸素マスクをつけるシーンがある。このマスクが何で、何のために出てきたのか映画では一切解説されない。だがそれは、確実に観客に伝わる。それはなぜかと言うと、その少し前に機長らが弁当を食べるコミカルな場面があるからだ。</p>
<p>　この二つは対になったシークエンスで、この順で配置されることで、初めて意味を持つ演出となっている。</p>
<p>　後者のマスクの場面では、余計な解説を入れたらストーリーをつなぐ旋律が確実に途切れ、サスペンスとしての面白さが損なわれる。だから無説明にするほかないが、矢口監督はその役割を弁当の場面に担わせている。小さいことのように思えるが、こうした丁寧な脚本を書き、演出できる人がいったいどれだけいるだろう。</p>
<p>　この監督のセンスのよさは、田畑智子演じるグランドホステスの物語にもよく現れている。この作品の登場人物はみな魅力的なので見ていて飽きないが、彼女のエピソードのラストのさわやかさは、映画全体の満足度を大いに上げたといってよい。説明過多な演出がいかに映画をつまらなくするか、この監督はしっかりと心得ている。</p>
<p>　メカや「おしごと」部分のリアリティおよび徹底したリサーチ結果に比べると、俳優たちが担う「人間のリアリティ」はやや追いついていない印象を受ける。もっとも、そこをこだわるには相当な期間と費用がかかり、日本映画では難しいものがあろう。</p>
<p>　よって、それぞれの役者の個人技に頼る形になっている。そのためそれぞれのキャラクターが放つムードにはムラがあるものの、いい意味でメリハリとなった印象だ。時任三郎や寺島しのぶは、プロらしい凛々しさを感じさせるし、田畑智子や平岩紙のコミカルな雰囲気もいいアクセント。座頭市から一変、綾瀬はるかの天然ぶりもかわいらしい。</p>
<p>『ハッピーフライト』のような力作が増えてくると、日本の娯楽映画界も盛り上がる。お手軽娯楽では決してない、信念を持った本気のリサーチと、それを安定した演出力であえて軽い味付けに仕上げる優れた監督。</p>
<p>　先日、JAL全面協力のトホホなバスケ映画があったが、これをみるとこれからはANAに乗るかという気にもなる。これほどの傑作が出来上がり、現役旅客機を撮影のため15日間も提供した社長さんも大喜びであろう。</p>
<p>　『ハッピーフライト』は本当にすごい映画だ。邦画に常にがっかりさせられる人が見たら、この凄さがきっとわかるだろう。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ファーストフード・ネイション</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:34:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
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		<description><![CDATA[◆ダイエットに最適な映画（80点） 　ハンバーガーやフライドポテトが大好きなお子さん、もしくはメタボ気味の旦那様をもつ奥さんは、迷わずこの映画に連れて行くとよい。これを見終わってもまだ食べたいというならば、それはもはや病気だ。 　大手バーガーチェーンのある幹部は、パテから大腸菌が検出された件で、自社の食肉加工工場に調査にやってきた。愛想よく案内された工場の様子からは、雑菌が混入する余地はあまりないように思える。だが、周辺で聞き込みを続けるうち、その恐るべき実態が明らかになってくる。 　脚本も書いているエリック・シュローサーの原作『ファストフードが世界を食いつくす』はとんでもない本で、私はかつてこれを読んだせいで大手バーガーショップでの食事に、かなりの抵抗を感じるようになってしまった。 　ノンフィクションであるその内容を、象徴的な劇映画として作ったのが本作。企業名を名指ししている原作と違い、あくまで架空の企業となっているが、にわかには信じがたい実態が赤裸々に描かれている。 　たとえば、不法移民を奴隷のように使う食肉工場。一家でやってきた移民らは、若い奥さんが工場長に体を売って、仕事を得ることも日常茶飯事。しかもその仕事は、驚くほど薄給で危険なものだ。男たちはミンチ機械に腕をもっていかれる危険と常に隣り合わせで、女たちは悪臭漂う生肉の解体作業に黙々と従事する。ここにいるのは、世界最大の外食産業たるファストフード業界の中でも、間違いなく最底辺に位置する人々だ。 　そこからかなり上に登ったところに、店舗のアルバイト店員がいる。さらに雲の上に、本社の幹部社員らがいる。この労働ピラミッドの各階層間は完全に断絶され、もはや同じ会社で仕事をするものとは思えぬ様相を呈している。 　この映画が突きつける現実のひとつがこれ。労働者がさらに下の労働者を食い物にし、互いに対立する構図。自由競争の美名のもとに作り上げられた、現代の奴隷制度である。持たざる者同士の連帯が今ほど必要な時代はないのに、それがうまくいかないのは、この巧妙なシステムがいかに効果的かを物語っている。 　次に、もうひとつのテーマである「食の安全性」だが、こちらは少々焦点が定まらぬ。これに関してファストフードが抱える問題点とは、大量生産と安価な提供を可能にするために、どうしてもそれを犠牲にせざるを得ないというものだ。 　だがこれを見ると、ファストフードというより、肉食それじたいが嫌になってくる。それはそれで一つの考え方だが、この映画のテーマとは微妙にずれている。 　映画の最後、普段都市部で暮らす観客は、食に対する価値観が揺らぐであろう驚愕映像を目にすることになる。だが私はこのシーンをみて、これは10代のための教育教材にすべきだとさえ思った。安い食品、安い外食を求めることがどういう結果を招くのか。そろそろ私たちは気づかねばならない。安さを追求する&#34;消費者の正義&#34;は、こと食べ物に関してはまったく当てはまらないという事を、若い人にはぜひ知ってほしい。 　最後に、撮影に協力した食肉工場の方の勇気を称えて、本記事を終えたい。『ファーストフード・ネイション』は、いま、絶対に見るべき映画のひとつである。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆ダイエットに最適な映画（80点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001B4LQIE/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B001B4LQIE.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　ハンバーガーやフライドポテトが大好きなお子さん、もしくはメタボ気味の旦那様をもつ奥さんは、迷わずこの映画に連れて行くとよい。これを見終わってもまだ食べたいというならば、それはもはや病気だ。</p>
<span id="more-10395"></span>
<p>　大手バーガーチェーンのある幹部は、パテから大腸菌が検出された件で、自社の食肉加工工場に調査にやってきた。愛想よく案内された工場の様子からは、雑菌が混入する余地はあまりないように思える。だが、周辺で聞き込みを続けるうち、その恐るべき実態が明らかになってくる。</p>
<p>　脚本も書いているエリック・シュローサーの原作『ファストフードが世界を食いつくす』はとんでもない本で、私はかつてこれを読んだせいで大手バーガーショップでの食事に、かなりの抵抗を感じるようになってしまった。</p>
<p>　ノンフィクションであるその内容を、象徴的な劇映画として作ったのが本作。企業名を名指ししている原作と違い、あくまで架空の企業となっているが、にわかには信じがたい実態が赤裸々に描かれている。</p>
<p>　たとえば、不法移民を奴隷のように使う食肉工場。一家でやってきた移民らは、若い奥さんが工場長に体を売って、仕事を得ることも日常茶飯事。しかもその仕事は、驚くほど薄給で危険なものだ。男たちはミンチ機械に腕をもっていかれる危険と常に隣り合わせで、女たちは悪臭漂う生肉の解体作業に黙々と従事する。ここにいるのは、世界最大の外食産業たるファストフード業界の中でも、間違いなく最底辺に位置する人々だ。</p>
<p>　そこからかなり上に登ったところに、店舗のアルバイト店員がいる。さらに雲の上に、本社の幹部社員らがいる。この労働ピラミッドの各階層間は完全に断絶され、もはや同じ会社で仕事をするものとは思えぬ様相を呈している。</p>
<p>　この映画が突きつける現実のひとつがこれ。労働者がさらに下の労働者を食い物にし、互いに対立する構図。自由競争の美名のもとに作り上げられた、現代の奴隷制度である。持たざる者同士の連帯が今ほど必要な時代はないのに、それがうまくいかないのは、この巧妙なシステムがいかに効果的かを物語っている。</p>
<p>　次に、もうひとつのテーマである「食の安全性」だが、こちらは少々焦点が定まらぬ。これに関してファストフードが抱える問題点とは、大量生産と安価な提供を可能にするために、どうしてもそれを犠牲にせざるを得ないというものだ。</p>
<p>　だがこれを見ると、ファストフードというより、肉食それじたいが嫌になってくる。それはそれで一つの考え方だが、この映画のテーマとは微妙にずれている。</p>
<p>　映画の最後、普段都市部で暮らす観客は、食に対する価値観が揺らぐであろう驚愕映像を目にすることになる。だが私はこのシーンをみて、これは10代のための教育教材にすべきだとさえ思った。安い食品、安い外食を求めることがどういう結果を招くのか。そろそろ私たちは気づかねばならない。安さを追求する&quot;消費者の正義&quot;は、こと食べ物に関してはまったく当てはまらないという事を、若い人にはぜひ知ってほしい。</p>
<p>　最後に、撮影に協力した食肉工場の方の勇気を称えて、本記事を終えたい。『ファーストフード・ネイション』は、いま、絶対に見るべき映画のひとつである。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ブラッド・ダイヤモンド</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/dvd-ranking2009/study2009/10393.html</link>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:33:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10393</guid>
		<description><![CDATA[◆世界史最上級のタブーに切り込んだ勇気ある一本（85点） 　ダイヤモンドという宝石は希少で高価かつ透明に輝くピュアなイメージで、世界中の女性の憧れとされてきた。しかしその一方、採掘現場では奴隷同然の過酷な労働がまかり通っていたり、一部はテロリストたちの資金源でもあるという闇の部分も厳然と存在する。ダイヤモンドの原産地のほとんどで内戦など武力紛争が起きているのは、もちろん偶然ではない。 　成功と美の象徴であると同時に、死と紛争の象徴でもあるこの宝石について、その闇の部分に鋭く切り込んだのがこの『ブラッド・ダイヤモンド』。しかし、マスコミやエンタテイメント業界にとって巨大なスポンサーである宝石業界を敵に回すことは最上級のタブー。はたしてどこまで迫れるか。 　クリントン大統領のスキャンダルが明らかになった90年代、アフリカのシエラレオネ。貧しい猟師ソロモン（ジャイモン・フンスー）の村は反政府過激派のRUF＝統一革命戦線に襲われる。家族散り散りとなり、ソロモンは捕らえられ、奴隷としてダイヤモンド採掘場に送られる。なんとしても家族の元へ戻りたい彼は、そこで偶然見つけたおよそ200カラット（おそらく時価数億円）のピンクダイヤの原石を、監視の目を盗んで懐に入れる。 　ひょんなことからこのダイヤの存在を知った密輸商人のアーチャー（レオナルド・ディカプリオ）は、ダイヤと交換に彼の家族を探し出すと申し出る。彼の頭には、そろそろこの世界から足を洗いたいという気持ちがあったのだ。アーチャーは、有能な女ジャーナリスト（ジェニファー・コネリー）にダイヤ密輸のノウハウという特ダネを渡す事と引き換えに、正規の報道パスの力で二人を紛争地から脱出させるよう頼む。 　『ブラッドダイヤモンド』は、ノーテンキに見る娯楽大作とするには少々解説が要る。まず、舞台がなぜシエラレオネかという点だが、これはこの地域が高品質なダイヤ産地であると同時に、漂砂鉱床で採掘が容易という点があげられる。 　つまり、川をザルですくえばたまーにダイヤが引っかかるわけで、だからこそ大規模な施設を持たない（持てない）ゲリラ組織の資金源として狙われるわけだ。よって、冒頭ソロモンが採掘現場へさらわれるシーンにはリアリティがある。と同時に、ここでゲリラたちが他の捕虜に対して行う残虐な行為の数々も、実際にRUFが行った蛮行として有名なものばかりだから、注目してほしい。 　現実にもこの国はアフリカ最大の密輸国となっており、ダイヤを狙う紛争が絶えない。また、世界でもっとも平均寿命の短い国としても知られている。すべては密接につながっている。 　紛争ダイヤはある方法で正規の流通ルートにのり、私たち先進国の消費者の手にわたるわけだが、そうしたショッキングな現実についても映画はきっちりと説明する。世界トップクラスのダイヤ消費国である日本人としては、決して他人事ではない。 　ただし私が一番期待した肝心の部分、すべての利権の背後には先進国の大企業等がいるのだという点については、微妙にぼかして明言を避けている。ただし、わかる人にはわかる形で痛烈に皮肉った部分もある。それは、主人公のレオ様が自分の出身地をローデシアだと語る場面。ローデシアとは今のザンビアとジンバブエのあたりの事だが、なぜ彼はジンバブエといわずにローデシアというのか。そこがポイントだ。 　ローデシアとは、白人たちがローズという男性の名からとって名づけた国名なのだが、このローズとはいったい誰なのかというと、全世界のダイヤモンドの流通を独占するD社（映画の中では仮名が用いられる）の創始者セシル・ローズに他ならない。 　表向きはどうあれ、ブラッドダイヤモンドで一番儲けてるのは誰なのかを、この映画はここでさりげなく匂わせている。ユダヤ系の会社ワーナーブラザーズによる娯楽大作が、ここまでタブーに切り込んだ事には正直びっくり仰天であった。なんといってもD社にせよイスラエルの研磨産業（これも市場独占に近い）にせよ、ダイヤモンド業界はユダヤ最大の牙城なのだから。 　こうした点を念頭に置いて見れば、3人の脱出大冒険を楽しみながらまたひとつ、違った世界が見えてくるかもしれない。たぶん、この映画を見終わってもまだノーテンキにダイヤがほしい?なんておねだりするオンナノコは相当少数派だ。よって、現在銀座のお姉ちゃん等に同様の要求を受けて弱っている男性諸氏は、緊急避難的に本作の上映劇場に連れ込むことをアドバイスしておく。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆世界史最上級のタブーに切り込んだ勇気ある一本（85点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002BS023Y/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B002BS023Y.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　ダイヤモンドという宝石は希少で高価かつ透明に輝くピュアなイメージで、世界中の女性の憧れとされてきた。しかしその一方、採掘現場では奴隷同然の過酷な労働がまかり通っていたり、一部はテロリストたちの資金源でもあるという闇の部分も厳然と存在する。ダイヤモンドの原産地のほとんどで内戦など武力紛争が起きているのは、もちろん偶然ではない。</p>
<span id="more-10393"></span>
<p>　成功と美の象徴であると同時に、死と紛争の象徴でもあるこの宝石について、その闇の部分に鋭く切り込んだのがこの『ブラッド・ダイヤモンド』。しかし、マスコミやエンタテイメント業界にとって巨大なスポンサーである宝石業界を敵に回すことは最上級のタブー。はたしてどこまで迫れるか。</p>
<p>　クリントン大統領のスキャンダルが明らかになった90年代、アフリカのシエラレオネ。貧しい猟師ソロモン（ジャイモン・フンスー）の村は反政府過激派のRUF＝統一革命戦線に襲われる。家族散り散りとなり、ソロモンは捕らえられ、奴隷としてダイヤモンド採掘場に送られる。なんとしても家族の元へ戻りたい彼は、そこで偶然見つけたおよそ200カラット（おそらく時価数億円）のピンクダイヤの原石を、監視の目を盗んで懐に入れる。</p>
<p>　ひょんなことからこのダイヤの存在を知った密輸商人のアーチャー（レオナルド・ディカプリオ）は、ダイヤと交換に彼の家族を探し出すと申し出る。彼の頭には、そろそろこの世界から足を洗いたいという気持ちがあったのだ。アーチャーは、有能な女ジャーナリスト（ジェニファー・コネリー）にダイヤ密輸のノウハウという特ダネを渡す事と引き換えに、正規の報道パスの力で二人を紛争地から脱出させるよう頼む。</p>
<p>　『ブラッドダイヤモンド』は、ノーテンキに見る娯楽大作とするには少々解説が要る。まず、舞台がなぜシエラレオネかという点だが、これはこの地域が高品質なダイヤ産地であると同時に、漂砂鉱床で採掘が容易という点があげられる。</p>
<p>　つまり、川をザルですくえばたまーにダイヤが引っかかるわけで、だからこそ大規模な施設を持たない（持てない）ゲリラ組織の資金源として狙われるわけだ。よって、冒頭ソロモンが採掘現場へさらわれるシーンにはリアリティがある。と同時に、ここでゲリラたちが他の捕虜に対して行う残虐な行為の数々も、実際にRUFが行った蛮行として有名なものばかりだから、注目してほしい。</p>
<p>　現実にもこの国はアフリカ最大の密輸国となっており、ダイヤを狙う紛争が絶えない。また、世界でもっとも平均寿命の短い国としても知られている。すべては密接につながっている。</p>
<p>　紛争ダイヤはある方法で正規の流通ルートにのり、私たち先進国の消費者の手にわたるわけだが、そうしたショッキングな現実についても映画はきっちりと説明する。世界トップクラスのダイヤ消費国である日本人としては、決して他人事ではない。</p>
<p>　ただし私が一番期待した肝心の部分、すべての利権の背後には先進国の大企業等がいるのだという点については、微妙にぼかして明言を避けている。ただし、わかる人にはわかる形で痛烈に皮肉った部分もある。それは、主人公のレオ様が自分の出身地をローデシアだと語る場面。ローデシアとは今のザンビアとジンバブエのあたりの事だが、なぜ彼はジンバブエといわずにローデシアというのか。そこがポイントだ。</p>
<p>　ローデシアとは、白人たちがローズという男性の名からとって名づけた国名なのだが、このローズとはいったい誰なのかというと、全世界のダイヤモンドの流通を独占するD社（映画の中では仮名が用いられる）の創始者セシル・ローズに他ならない。</p>
<p>　表向きはどうあれ、ブラッドダイヤモンドで一番儲けてるのは誰なのかを、この映画はここでさりげなく匂わせている。ユダヤ系の会社ワーナーブラザーズによる娯楽大作が、ここまでタブーに切り込んだ事には正直びっくり仰天であった。なんといってもD社にせよイスラエルの研磨産業（これも市場独占に近い）にせよ、ダイヤモンド業界はユダヤ最大の牙城なのだから。</p>
<p>　こうした点を念頭に置いて見れば、3人の脱出大冒険を楽しみながらまたひとつ、違った世界が見えてくるかもしれない。たぶん、この映画を見終わってもまだノーテンキにダイヤがほしい?なんておねだりするオンナノコは相当少数派だ。よって、現在銀座のお姉ちゃん等に同様の要求を受けて弱っている男性諸氏は、緊急避難的に本作の上映劇場に連れ込むことをアドバイスしておく。</p>]]></content:encoded>
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		<title>パラダイス・ナウ</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:32:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆テロリスト最後の一日（70点） 　『パラダイス・ナウ』は、私たちがいわゆるテロリストと呼んでいる存在、とくに自爆テロを行う人間が、最後の一日をどう過ごすかを詳細に描いた異色のドラマだ。 　テロは問答無用の悪だと考える人々にとって、人間としての彼らの行動原理を理解しようという試みはすべて受け入れられないものと見え、この映画に対しても激しい反対の署名運動が繰り広げられた。それが影響したのかその年（2005年）のアカデミー外国語映画賞は逃したものの、本作が優れた映画作品であることに違いはない。 　主人公の若者二人は長年の親友同士。彼らはパレスチナのイスラエル占領地ナブルスで自動車修理の仕事をしている。ロードプロックとフェンスに囲まれた不自由な町の中、閉塞感と貧しさは彼らの未来に大きな影を落としていた。ある日二人は、所属する抵抗組織が行う報復爆破作戦の実行者へと抜擢される。作戦は48時間後。二人は最後の日々をあわただしくすごし、やがてそのときを迎えるが……。 　すんなり作戦が終わるわけもなく、二転三転する展開が待っているが、それは映画館でのお楽しみ。 　さて、この映画ではパレスチナの占領地の現実が、これまでにないほど正確に、ていねいに、そして誠実に描かれている。ハニ・アブ・アサド監督はパレスチナ系の人物ながら、映画で政治的な主張を行うタイプではないようで、あくまで本作を「主張ではなく説明」と解説している。じっさい、感情的な部分は無く、よくぞここまで突き放して冷静な視点を保ったものだと感心する。 　しかしこの映画、色気がまったく無いわけじゃない。それどころか主人公のパレスチナ人が仲間に用意される最後のご馳走の場面は、ダヴィンチの『最後の晩餐』と構図が同じで、もしこれが監督の意図したものだとしたら強烈なパンチ、皮肉（あの絵の主人公は、ユダヤ人によって処刑されたイエス・キリストなのだから）である。 　その他面白い場面としては、やはりテロリストデビュー（と同時に人生最後の一日）のディテール部分。思ったより小柄でフツーの人だった&#34;伝説のリーダー&#34;との面会場面、爆弾を体に巻くテープの品質が悪かった件について語る場面、犯行声明ビデオの撮影時に周りの連中が立ち食いして緊張感をぶち壊しにしているシーンなど。いずれにおいてもそこはかとなく気まずさ、滑稽さが漂っている。監督は、聖戦の現実とはこんなものさ、と自嘲気味に描いてみせる。 　見ていてどうにも薄ら寒くなるのは、爆弾しょってイスラエル側に突入する二人がイカレタ狂信者でも何でもなく、現状に不満を持つただのやぶれかぶれな若者のごとく見える部分。どこの国の少年たちにもある、若さゆえの破壊衝動がそこには垣間見え共感すると同時に、その共感の相手が恐ろしいテロリストなんだと気づき慄然とする。そういう怖さが『パラダイス･ナウ』にはある。 　パレスチナの監督がイスラエル人プロデューサーの協力を得て現地でロケし、途中でドイツ人スタッフらがその一帯の治安の悪さに恐れをなして逃げ出しながらも、なんとか完成させた渾身の一本。 　題名の意味するところは一番最後のショットで判明する。中東の混迷についていろいろと考えさせられる、大変いい映画であった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆テロリスト最後の一日（70点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000WCEMLE/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B000WCEMLE.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　『パラダイス・ナウ』は、私たちがいわゆるテロリストと呼んでいる存在、とくに自爆テロを行う人間が、最後の一日をどう過ごすかを詳細に描いた異色のドラマだ。</p>
<span id="more-10391"></span>
<p>　テロは問答無用の悪だと考える人々にとって、人間としての彼らの行動原理を理解しようという試みはすべて受け入れられないものと見え、この映画に対しても激しい反対の署名運動が繰り広げられた。それが影響したのかその年（2005年）のアカデミー外国語映画賞は逃したものの、本作が優れた映画作品であることに違いはない。</p>
<p>　主人公の若者二人は長年の親友同士。彼らはパレスチナのイスラエル占領地ナブルスで自動車修理の仕事をしている。ロードプロックとフェンスに囲まれた不自由な町の中、閉塞感と貧しさは彼らの未来に大きな影を落としていた。ある日二人は、所属する抵抗組織が行う報復爆破作戦の実行者へと抜擢される。作戦は48時間後。二人は最後の日々をあわただしくすごし、やがてそのときを迎えるが……。</p>
<p>　すんなり作戦が終わるわけもなく、二転三転する展開が待っているが、それは映画館でのお楽しみ。</p>
<p>　さて、この映画ではパレスチナの占領地の現実が、これまでにないほど正確に、ていねいに、そして誠実に描かれている。ハニ・アブ・アサド監督はパレスチナ系の人物ながら、映画で政治的な主張を行うタイプではないようで、あくまで本作を「主張ではなく説明」と解説している。じっさい、感情的な部分は無く、よくぞここまで突き放して冷静な視点を保ったものだと感心する。</p>
<p>　しかしこの映画、色気がまったく無いわけじゃない。それどころか主人公のパレスチナ人が仲間に用意される最後のご馳走の場面は、ダヴィンチの『最後の晩餐』と構図が同じで、もしこれが監督の意図したものだとしたら強烈なパンチ、皮肉（あの絵の主人公は、ユダヤ人によって処刑されたイエス・キリストなのだから）である。</p>
<p>　その他面白い場面としては、やはりテロリストデビュー（と同時に人生最後の一日）のディテール部分。思ったより小柄でフツーの人だった&quot;伝説のリーダー&quot;との面会場面、爆弾を体に巻くテープの品質が悪かった件について語る場面、犯行声明ビデオの撮影時に周りの連中が立ち食いして緊張感をぶち壊しにしているシーンなど。いずれにおいてもそこはかとなく気まずさ、滑稽さが漂っている。監督は、聖戦の現実とはこんなものさ、と自嘲気味に描いてみせる。</p>
<p>　見ていてどうにも薄ら寒くなるのは、爆弾しょってイスラエル側に突入する二人がイカレタ狂信者でも何でもなく、現状に不満を持つただのやぶれかぶれな若者のごとく見える部分。どこの国の少年たちにもある、若さゆえの破壊衝動がそこには垣間見え共感すると同時に、その共感の相手が恐ろしいテロリストなんだと気づき慄然とする。そういう怖さが『パラダイス･ナウ』にはある。</p>
<p>　パレスチナの監督がイスラエル人プロデューサーの協力を得て現地でロケし、途中でドイツ人スタッフらがその一帯の治安の悪さに恐れをなして逃げ出しながらも、なんとか完成させた渾身の一本。</p>
<p>　題名の意味するところは一番最後のショットで判明する。中東の混迷についていろいろと考えさせられる、大変いい映画であった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>チャーリー・ウィルソンズ・ウォー</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 11:31:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[勉強したい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆トム・ハンクスの新作は、世界を変えたエロ代議士のお話（70点） 　&#34;事実は小説より奇なり&#34;というが、こと政治テーマにおいてはその&#34;小説より奇なる事実&#34;さえ、疑ってかかる必要がある。 　ときは80年代の冷戦時代。テキサス州選出の民主党下院議員チャーリー・ウィルソン（トム・ハンクス）は、女と麻薬に目がない不良代議士。ただ、テキサス男らしいおおらかな性格で、どこか憎めない男だった。ある日彼は、巨乳ギャル二人を含む4P状態のジャグジーで、ソ連が侵攻したアフガニスタンの悲惨な現状を知る。 　さて、そのニュースで何かに目覚めたチャーリーは、セフレでパトロンの大富豪夫人（おまけに反共闘士の）ジョアン・ヘリング（ジュリア・ロバーツ）のツテによりパキスタン大統領に謁見。アフガンの戦士たち（＝ムジャーヒディーン）がソ連の重武装ヘリに対抗できる強力な武器を必要としていることを知る。幸い国防委員会の重職に就いていたチャーリーは、強引に予算をぶんどり、やり手のCIA局員（フィリップ・シーモア・ホフマン）の力を借りつつ信じられない方法で武器弾薬を調達し始める。 　その具体的な手腕はぜひみてビックリしてほしいところ。いい忘れたがチャーリー・ウィルソンは実在の人物で、（一応）実話という事になっている。とはいえ、国防丸秘に関わる事項を多数含むので、もとより裏は取りきれない話。「衝撃の事実」の信憑性は見る人任せ、といったところだ。 　個人的には、イラン・コントラ事件（同時代のレーガン政権による国際武器売買スキャンダル）を元にどこかの小説家が考えたような話だと感じたが、さらに突飛な展開だけに何ともいえない。 　なお大事な点として、当時の国際情勢をよく知らぬ人には、この映画の「いったいどこが凄い話なのか」さっぱりわからないであろうと伝えておきたい。 　パキスタン、エジプト、イスラエル、アフガニスタン、そしてもちろん米ソ両大国。これらの国々の関係、宗教による対立について知っておく事は、本作を堪能するための最低条件となる。どことどこが味方で、どことどこが仲が悪いのか。それが基礎知識としてない場合、チャーリー・ウィルソンのやったことが、いかにとんでもない事か理解できない。 　それ自体がブラックジョークというほかない状況のためか、作風も穏やかなコメディ調となっている。内容のわりには、ヘビーな政治映画という雰囲気はない。トム・ハンクス作品らしい人間ドラマとしても、なんとか楽しめなくはない。 　ここ最近の米国政治映画といえば、当然自己反省型の範疇から外れないという鉄則が発動中だが、本作が興味深いのは戦い自体は否定せず、そのやり方がまずかったんだよね、と語るところ。 　知ってのとおり、チャーリー・ウィルソンが支援した当時のムジャーヒディーンには若きオサマ・ビンラディンが参加していたといわれ、その後成長？した彼らは9.11テロ事件を起こした（とされる）。映画の中でCIAらが供与した世界最高性能の米国製携行型地対空ミサイル、スティンガーを彼らがぶっ放すシーンはこの上ない皮肉である。 　これについてこの映画は、「中途半端なトコでやめたからいけない。最後までコミットしないとだめだ」と主張する。これは、失敗したと言われるイラク戦争の戦後処理についてのほのめかしなのか。あるいは先日原油のドル決済を完全停止して、アメリカのアキレス腱をチクチク刺激し続けるイランとの次なる戦いについてなのか。 　いずれにせよ民主党支持で知られるトム・ハンクス（製作も兼ねる）とジュリア・ロバーツの主演映画でこういう主張が見られたのは面白い部分であった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-study">◆トム・ハンクスの新作は、世界を変えたエロ代議士のお話（70点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00130HI7E/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B00130HI7E.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="勉強したい2009" class="img-left" /></a>
<p>　&quot;事実は小説より奇なり&quot;というが、こと政治テーマにおいてはその&quot;小説より奇なる事実&quot;さえ、疑ってかかる必要がある。</p>
<span id="more-10390"></span>
<p>　ときは80年代の冷戦時代。テキサス州選出の民主党下院議員チャーリー・ウィルソン（トム・ハンクス）は、女と麻薬に目がない不良代議士。ただ、テキサス男らしいおおらかな性格で、どこか憎めない男だった。ある日彼は、巨乳ギャル二人を含む4P状態のジャグジーで、ソ連が侵攻したアフガニスタンの悲惨な現状を知る。</p>
<p>　さて、そのニュースで何かに目覚めたチャーリーは、セフレでパトロンの大富豪夫人（おまけに反共闘士の）ジョアン・ヘリング（ジュリア・ロバーツ）のツテによりパキスタン大統領に謁見。アフガンの戦士たち（＝ムジャーヒディーン）がソ連の重武装ヘリに対抗できる強力な武器を必要としていることを知る。幸い国防委員会の重職に就いていたチャーリーは、強引に予算をぶんどり、やり手のCIA局員（フィリップ・シーモア・ホフマン）の力を借りつつ信じられない方法で武器弾薬を調達し始める。</p>
<p>　その具体的な手腕はぜひみてビックリしてほしいところ。いい忘れたがチャーリー・ウィルソンは実在の人物で、（一応）実話という事になっている。とはいえ、国防丸秘に関わる事項を多数含むので、もとより裏は取りきれない話。「衝撃の事実」の信憑性は見る人任せ、といったところだ。</p>
<p>　個人的には、イラン・コントラ事件（同時代のレーガン政権による国際武器売買スキャンダル）を元にどこかの小説家が考えたような話だと感じたが、さらに突飛な展開だけに何ともいえない。</p>
<p>　なお大事な点として、当時の国際情勢をよく知らぬ人には、この映画の「いったいどこが凄い話なのか」さっぱりわからないであろうと伝えておきたい。</p>
<p>　パキスタン、エジプト、イスラエル、アフガニスタン、そしてもちろん米ソ両大国。これらの国々の関係、宗教による対立について知っておく事は、本作を堪能するための最低条件となる。どことどこが味方で、どことどこが仲が悪いのか。それが基礎知識としてない場合、チャーリー・ウィルソンのやったことが、いかにとんでもない事か理解できない。</p>
<p>　それ自体がブラックジョークというほかない状況のためか、作風も穏やかなコメディ調となっている。内容のわりには、ヘビーな政治映画という雰囲気はない。トム・ハンクス作品らしい人間ドラマとしても、なんとか楽しめなくはない。</p>
<p>　ここ最近の米国政治映画といえば、当然自己反省型の範疇から外れないという鉄則が発動中だが、本作が興味深いのは戦い自体は否定せず、そのやり方がまずかったんだよね、と語るところ。</p>
<p>　知ってのとおり、チャーリー・ウィルソンが支援した当時のムジャーヒディーンには若きオサマ・ビンラディンが参加していたといわれ、その後成長？した彼らは9.11テロ事件を起こした（とされる）。映画の中でCIAらが供与した世界最高性能の米国製携行型地対空ミサイル、スティンガーを彼らがぶっ放すシーンはこの上ない皮肉である。</p>
<p>　これについてこの映画は、「中途半端なトコでやめたからいけない。最後までコミットしないとだめだ」と主張する。これは、失敗したと言われるイラク戦争の戦後処理についてのほのめかしなのか。あるいは先日原油のドル決済を完全停止して、アメリカのアキレス腱をチクチク刺激し続けるイランとの次なる戦いについてなのか。</p>
<p>　いずれにせよ民主党支持で知られるトム・ハンクス（製作も兼ねる）とジュリア・ロバーツの主演映画でこういう主張が見られたのは面白い部分であった。</p>]]></content:encoded>
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