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	<title>映画批評なら映画ジャッジ！ &#187; 泣きたい2009</title>
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	<description>最新映画の批評が満載！批評家による映画批評を参考にされて、良い映画を見て頂く為のサイトです。</description>
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		<title>おっぱいバレー</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:20:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10320</guid>
		<description><![CDATA[◆綾瀬はるか先生の就任挨拶が、個人的なオススメシーン（90点） 　『おっぱいバレー』は、じつのところ中高年男性向きのオススメ品である。だが、いい年をしたオジサンが、娘のような年頃の受付嬢に「『おっぱいバレー』、大人一枚！」と、キョドった笑顔で言った日には、末代までの大恥だ。だから私は、いっそ題名を『哀愁の旅路』とかに変えたらいいと、4年ほど前から言ってきた。 　というのはもちろん嘘だが、いろいろな媒体で似たようなことを言っていたところ、先日映画会社が「恥ずかしい人は、略語の『OPV』（おっぱいばれー）でも買えるようにします」と、大々的にマスコミを使って発表してくれた。おかげで、よけいにチケットを買いにくくなった。 　1979年の北九州。とある中学校の弱小バレー部に、新任教師（綾瀬はるか）が顧問としてやってきた。ところがバレー部の面々は、そもそもスポーツなどやる気のないダメ生徒ばかり。誰かが拾ってきたビニ本にむらがるような、エロの事しか頭にない悪ガキだった。そんな彼らにやる気を出させようとする教師だったが、口だけは達者な中学生どもに逆に約束させられてしまう。「一勝したらおっぱいを見せること！」 　学生プロレスの世界を描いた『ガチ☆ボーイ』（2007）のように、笑っていたはずが、気づいたら涙が流れているタイプの、青春コメディー＆感動ドラマ。 　「おっぱい目当ての努力」なんて、とっても不謹慎に思えるが、終わってみればこれも案外アリじゃねーの？　と思わせる筋運びは見事。 　余談だが、子供が出てくる映画は、純真無垢な監督さんが作るとたいてい失敗する。子供なんてものはもとより不謹慎な存在であり、その毒を生かしてこそいいものができる。そのことを理解している、少々悪い人が作ると『おっぱいバレー』のような良作が生まれる。 　たとえ悪ガキが出てきたとしても、彼らが何かを学んでイイ子ちゃんに成長するストーリーだったら、面白くもなんともない。そんなものは、ディズニーに任せておけばよい。 　本作が素晴らしいのは、最後までガキどもがめげることなく、バカのままで、性懲りのないところだ。 　オジサンたちにとってその不屈の精神？は、かつて自分たちが確かに持っていたはずであり、今、忘れつつあるものなのだ。それを思い出させてくれるから、この作品は傑作なのである。最後の試合で、何があろうと陣形を崩さずに戦う彼らの姿は、涙なしには見られない。 　実話を基にした原作の時代設定を79年に変更した結果、リアリティも出た。今の子供にとっておっぱいは、ブラウザをクリックすればすぐに見られるありふれたものだが、70年代の中学生にとっては違う。綾瀬はるか先生のおっぱいを見るためならば、彼らはどんなつらい努力だってしただろう。私なら今でもするが。 　この時代を象徴する深夜番組「11PM」をコソコソ見たり、フィンガー5の曲がかかったりといった演出も、ありがちだが楽しい。 　『おっぱいバレー』は、タイトルこそ恥ずかしいが、私は世界に持っていってみんなに見せてやったらいいと本気で思う。日本人の強さ、しぶとさの源泉がどこにあるか、目ざとい海外の連中は本作の中に見出すに違いない。 　なお、その答えはおっぱい……では決してない。念のため。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆綾瀬はるか先生の就任挨拶が、個人的なオススメシーン（90点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0023B15XA/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B0023B15XA.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="泣きたい2009" class="img-left" /></a>
<p>　『おっぱいバレー』は、じつのところ中高年男性向きのオススメ品である。だが、いい年をしたオジサンが、娘のような年頃の受付嬢に「『おっぱいバレー』、大人一枚！」と、キョドった笑顔で言った日には、末代までの大恥だ。だから私は、いっそ題名を『哀愁の旅路』とかに変えたらいいと、4年ほど前から言ってきた。</p>
<span id="more-10320"></span>
<p>　というのはもちろん嘘だが、いろいろな媒体で似たようなことを言っていたところ、先日映画会社が「恥ずかしい人は、略語の『OPV』（おっぱいばれー）でも買えるようにします」と、大々的にマスコミを使って発表してくれた。おかげで、よけいにチケットを買いにくくなった。</p>
<p>　1979年の北九州。とある中学校の弱小バレー部に、新任教師（綾瀬はるか）が顧問としてやってきた。ところがバレー部の面々は、そもそもスポーツなどやる気のないダメ生徒ばかり。誰かが拾ってきたビニ本にむらがるような、エロの事しか頭にない悪ガキだった。そんな彼らにやる気を出させようとする教師だったが、口だけは達者な中学生どもに逆に約束させられてしまう。「一勝したらおっぱいを見せること！」</p>
<p>　学生プロレスの世界を描いた『ガチ☆ボーイ』（2007）のように、笑っていたはずが、気づいたら涙が流れているタイプの、青春コメディー＆感動ドラマ。</p>
<p>　「おっぱい目当ての努力」なんて、とっても不謹慎に思えるが、終わってみればこれも案外アリじゃねーの？　と思わせる筋運びは見事。</p>
<p>　余談だが、子供が出てくる映画は、純真無垢な監督さんが作るとたいてい失敗する。子供なんてものはもとより不謹慎な存在であり、その毒を生かしてこそいいものができる。そのことを理解している、少々悪い人が作ると『おっぱいバレー』のような良作が生まれる。</p>
<p>　たとえ悪ガキが出てきたとしても、彼らが何かを学んでイイ子ちゃんに成長するストーリーだったら、面白くもなんともない。そんなものは、ディズニーに任せておけばよい。</p>
<p>　本作が素晴らしいのは、最後までガキどもがめげることなく、バカのままで、性懲りのないところだ。</p>
<p>　オジサンたちにとってその不屈の精神？は、かつて自分たちが確かに持っていたはずであり、今、忘れつつあるものなのだ。それを思い出させてくれるから、この作品は傑作なのである。最後の試合で、何があろうと陣形を崩さずに戦う彼らの姿は、涙なしには見られない。</p>
<p>　実話を基にした原作の時代設定を79年に変更した結果、リアリティも出た。今の子供にとっておっぱいは、ブラウザをクリックすればすぐに見られるありふれたものだが、70年代の中学生にとっては違う。綾瀬はるか先生のおっぱいを見るためならば、彼らはどんなつらい努力だってしただろう。私なら今でもするが。</p>
<p>　この時代を象徴する深夜番組「11PM」をコソコソ見たり、フィンガー5の曲がかかったりといった演出も、ありがちだが楽しい。</p>
<p>　『おっぱいバレー』は、タイトルこそ恥ずかしいが、私は世界に持っていってみんなに見せてやったらいいと本気で思う。日本人の強さ、しぶとさの源泉がどこにあるか、目ざとい海外の連中は本作の中に見出すに違いない。</p>
<p>　なお、その答えはおっぱい……では決してない。念のため。</p>]]></content:encoded>
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		<title>NIGHT☆KING ナイトキング</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:19:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆大笑い必至のホスト業界コメディ（75点） 　愛田武氏といえばホスト王。歌舞伎町の業界勢力図を書き換え、ビジネスの健全化にも貢献したという、テレビ番組等でもおなじみのカリスマ社長だ。そんな彼の伝記映画『NIGHT☆KING　ナイトキング』は、ホストビジネスの裏側を興味深く見せるコメディ作品。しかもなかなかの傑作で、ホストをテーマにした実写映画としては、相当面白い部類に入る。 　昭和43年。女好きがたたってトラブルを巻き起こし、会社をくびになった榎本武（いしだ壱成）は、叔父のコネでホストに転職する。趣味と実益を兼ねる楽勝ジョブとなめていた榎本だったが、実際は実力がなければ収入ゼロという壮絶な格差社会。派閥争いやイジメがはびこる殺伐とした職場であり、ただ女が好きなだけで勤まるような仕事ではなかった。 　AV女優やお笑いタレントがキャスティングされ、見るからに低予算Vシネマ臭がする一品だが、これが意外な掘り出し物。なにしろギャグが切れているし、ホスト業界という非日常的のトリビアを見られる楽しみもある。 　何より映画作品としては、キャラクター造形に優れている。オカマのダンス教師や大口たたきの先輩ホスト、そして主人公がまだベッドのセールスマンだったころ、営業にきた彼と浮気してしまう欲求不満の主婦等々。脇役みなが駄目人間の素質を持ちながら、キラキラと輝く人間味に溢れている。 　その主婦が、その後ホストとなった彼の前に重要な局面で再登場する場面などは、思わず胸が熱くなった。よもやB級ホストコメディーで泣かされるとは。 　なにより、主人公に魅力がある。ホストをなめていた自分の浅はかさを知った後、それでもあきらめずダンスのステップを勉強したり時事問題を覚えたりなど、地道に努力を重ねる。目の前にある仕事に必至にくらいついていく。その真摯な姿からは、労働について、忘れつつあった大事な何かを学ぶことができる。 　そんな彼が、持ち前の仲間思いの人柄で、他人を蹴落とすのが当たり前だった職場の空気をも変えていく展開は、とても気持ちがいい。 　いま、労働者は毎日を生き残るのに懸命だ。そんな世の中の空気に『NIGHT☆KING　ナイトキング』はピッタリとマッチする。日比谷公園の派遣村の村長さんは、『ショーシャンクの空』などではなく、この作品をこそ、集まった人々に上映してやるべきだった。本作こそ、心が折れそうになっている人々を、真に温かく励ましてくれる映画だ。 　しかも、AV女優として立派にひとり立ちした範田紗々の、硬そうな巨乳があらわになる素敵なラブシーンまでついている。エンディング曲（「Lazy」Jack Spiral Crow）もやたらと良い。まったくもって、満足度の高い優秀なエンタテイメントである。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆大笑い必至のホスト業界コメディ（75点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001O3EPD0/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B001O3EPD0.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="泣きたい2009" class="img-left" /></a>
<p>　愛田武氏といえばホスト王。歌舞伎町の業界勢力図を書き換え、ビジネスの健全化にも貢献したという、テレビ番組等でもおなじみのカリスマ社長だ。そんな彼の伝記映画『NIGHT☆KING　ナイトキング』は、ホストビジネスの裏側を興味深く見せるコメディ作品。しかもなかなかの傑作で、ホストをテーマにした実写映画としては、相当面白い部類に入る。</p>
<span id="more-10319"></span>
<p>　昭和43年。女好きがたたってトラブルを巻き起こし、会社をくびになった榎本武（いしだ壱成）は、叔父のコネでホストに転職する。趣味と実益を兼ねる楽勝ジョブとなめていた榎本だったが、実際は実力がなければ収入ゼロという壮絶な格差社会。派閥争いやイジメがはびこる殺伐とした職場であり、ただ女が好きなだけで勤まるような仕事ではなかった。</p>
<p>　AV女優やお笑いタレントがキャスティングされ、見るからに低予算Vシネマ臭がする一品だが、これが意外な掘り出し物。なにしろギャグが切れているし、ホスト業界という非日常的のトリビアを見られる楽しみもある。</p>
<p>　何より映画作品としては、キャラクター造形に優れている。オカマのダンス教師や大口たたきの先輩ホスト、そして主人公がまだベッドのセールスマンだったころ、営業にきた彼と浮気してしまう欲求不満の主婦等々。脇役みなが駄目人間の素質を持ちながら、キラキラと輝く人間味に溢れている。</p>
<p>　その主婦が、その後ホストとなった彼の前に重要な局面で再登場する場面などは、思わず胸が熱くなった。よもやB級ホストコメディーで泣かされるとは。</p>
<p>　なにより、主人公に魅力がある。ホストをなめていた自分の浅はかさを知った後、それでもあきらめずダンスのステップを勉強したり時事問題を覚えたりなど、地道に努力を重ねる。目の前にある仕事に必至にくらいついていく。その真摯な姿からは、労働について、忘れつつあった大事な何かを学ぶことができる。</p>
<p>　そんな彼が、持ち前の仲間思いの人柄で、他人を蹴落とすのが当たり前だった職場の空気をも変えていく展開は、とても気持ちがいい。</p>
<p>　いま、労働者は毎日を生き残るのに懸命だ。そんな世の中の空気に『NIGHT☆KING　ナイトキング』はピッタリとマッチする。日比谷公園の派遣村の村長さんは、『ショーシャンクの空』などではなく、この作品をこそ、集まった人々に上映してやるべきだった。本作こそ、心が折れそうになっている人々を、真に温かく励ましてくれる映画だ。</p>
<p>　しかも、AV女優として立派にひとり立ちした範田紗々の、硬そうな巨乳があらわになる素敵なラブシーンまでついている。エンディング曲（「Lazy」Jack Spiral Crow）もやたらと良い。まったくもって、満足度の高い優秀なエンタテイメントである。</p>]]></content:encoded>
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		<title>アイ・アム・レジェンド</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/dvd-ranking2009/cry2009/10318.html</link>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:18:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆人類最後の一人になっちゃいました（70点） 　何かの間違いで人類が滅び、地上最後の一人になってしまったらどうするか。『アイ・アム・レジェンド』は、そんな男の物語だ。 　ガンを根絶する画期的な新薬が開発された。やがてその万能性から、人類を救う大発明ともてはやされる。それから数年後、無人化して荒廃するニューヨークの街で、一人の男（ウィル・スミス）と一匹の犬がサバイバルしていた。毎日AMラジオ全周波数で他の生存者に呼びかけているものの、いまだ誰からも返事はない。自分以外の人類は絶滅してしまったのだろうか。 　朽ち果てていく大量の車の脇を、野生動物が走り去る。猟銃代わりの軍用自動小銃を片手に、それを狩る男。公園には彼の植えたトウモロコシ畑があり、家には保存食料が備蓄されている。そんなショッキングな暮らしぶりと、数年前、まだ繁栄していた大都会の様子が交互に写される。徐々に何がおきたのか、観客も理解していくという寸法だ。 　大都市に人がまったくおらず、アスファルトの隙間から雑草が伸びている光景というのは、なんと衝撃的か。本物のニューヨークロケに、最新の映像処理が加わりその映像は見ごたえ十分。人に溢れる「カタストロフィ以前」の見慣れた風景が頻繁に挟まれるため、さらにその差が際立っている。 　ちなみに主演のウィル・スミスはサービス精神旺盛な男で、宣伝のための来日中、肝心のオチを記者会見でバラしてしまった。よく見ると、劇中でも主人公はかなりおっちょこちょいな事をやっているが（犬を抱く場面や、マネキンと意外な場所で出会うところ）、作品に重量感があるため鑑賞中はそのバカっぽさに気づきにくい。自由に物資やインフラを使える状況にあるのだから、自分ならこうするなぁ、というむずがゆさは感じるが、それだけ強く感情移入しているということだろう。 　モノは豊富にあるものの、体はひとつ。医者がいない分、小さなケガさえ命取り。そんな特殊な状況が、外敵に襲われる場面の緊迫感を高めており面白い。 　本作は話のスケールが巨大なため、パニック大作の要素もあるが、本質的には終末ホラーだ。「なぜ主人公は一人なのか」「どうやって生活しているのか」「何をしようとしているのか」「ほかの人が滅びた原因は？」などなど、興味深い謎を小出しにしてくるため、一切退屈とは無縁。面白さだけなら満点だ。 　ただ、それぞれのネタがどれもこれも予想の範囲内で、意外性も驚きもない点は物足りない。大掛かりな仕掛けのみで、心を打つテーマがないから、映画史に残ることもないだろう。 　ここはニューヨーク使い放題という、物欲にまみれた現代人の空想力を刺激する映像だけで十分と考え、多大な期待を寄せずに鑑賞することをすすめておく。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆人類最後の一人になっちゃいました（70点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002BS026G/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B002BS026G.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="泣きたい2009" class="img-left" /></a>
<p>　何かの間違いで人類が滅び、地上最後の一人になってしまったらどうするか。『アイ・アム・レジェンド』は、そんな男の物語だ。</p>
<span id="more-10318"></span>
<p>　ガンを根絶する画期的な新薬が開発された。やがてその万能性から、人類を救う大発明ともてはやされる。それから数年後、無人化して荒廃するニューヨークの街で、一人の男（ウィル・スミス）と一匹の犬がサバイバルしていた。毎日AMラジオ全周波数で他の生存者に呼びかけているものの、いまだ誰からも返事はない。自分以外の人類は絶滅してしまったのだろうか。</p>
<p>　朽ち果てていく大量の車の脇を、野生動物が走り去る。猟銃代わりの軍用自動小銃を片手に、それを狩る男。公園には彼の植えたトウモロコシ畑があり、家には保存食料が備蓄されている。そんなショッキングな暮らしぶりと、数年前、まだ繁栄していた大都会の様子が交互に写される。徐々に何がおきたのか、観客も理解していくという寸法だ。</p>
<p>　大都市に人がまったくおらず、アスファルトの隙間から雑草が伸びている光景というのは、なんと衝撃的か。本物のニューヨークロケに、最新の映像処理が加わりその映像は見ごたえ十分。人に溢れる「カタストロフィ以前」の見慣れた風景が頻繁に挟まれるため、さらにその差が際立っている。</p>
<p>　ちなみに主演のウィル・スミスはサービス精神旺盛な男で、宣伝のための来日中、肝心のオチを記者会見でバラしてしまった。よく見ると、劇中でも主人公はかなりおっちょこちょいな事をやっているが（犬を抱く場面や、マネキンと意外な場所で出会うところ）、作品に重量感があるため鑑賞中はそのバカっぽさに気づきにくい。自由に物資やインフラを使える状況にあるのだから、自分ならこうするなぁ、というむずがゆさは感じるが、それだけ強く感情移入しているということだろう。</p>
<p>　モノは豊富にあるものの、体はひとつ。医者がいない分、小さなケガさえ命取り。そんな特殊な状況が、外敵に襲われる場面の緊迫感を高めており面白い。</p>
<p>　本作は話のスケールが巨大なため、パニック大作の要素もあるが、本質的には終末ホラーだ。「なぜ主人公は一人なのか」「どうやって生活しているのか」「何をしようとしているのか」「ほかの人が滅びた原因は？」などなど、興味深い謎を小出しにしてくるため、一切退屈とは無縁。面白さだけなら満点だ。</p>
<p>　ただ、それぞれのネタがどれもこれも予想の範囲内で、意外性も驚きもない点は物足りない。大掛かりな仕掛けのみで、心を打つテーマがないから、映画史に残ることもないだろう。</p>
<p>　ここはニューヨーク使い放題という、物欲にまみれた現代人の空想力を刺激する映像だけで十分と考え、多大な期待を寄せずに鑑賞することをすすめておく。</p>]]></content:encoded>
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		<title>悲しみが乾くまで</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:16:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10317</guid>
		<description><![CDATA[◆ハル・ベリー＆ベニチオ・デル・トロを圧倒する才能（85点） 　『悲しみが乾くまで』に主演するハル・ベリーとベニチオ・デル・トロは、ともにオスカー受賞経験がある実力者で、その演技力に死角はない。だが、それでも本作は、彼らがかすんでしまうほどに、別のある人物の圧倒的な才能を感じさせる。 　オードリー（ハル･ベリー）の幸せな生活は、ある日夫が殺されて一変する。葬儀当日、夫の親友ジェリー（ベニチオ・デル・トロ）と久々に再会した彼女は、彼が相変わらずドラッグ中毒の後遺症により、廃人同様の暮らしをしている事を知る。これまでジェリーを快く思っていなかったオードリーだが、子供たちが彼になつくのを見て、空き部屋に越してこないかと提案する。 　夫の死後、その親友と同居をはじめる女の物語。かといって、その二人が恋をする類の馬鹿げた話ではなく、深く傷ついた二人の人間が、それぞれ再生するまでの浮き沈みを、真摯かつ丹念に描く本格的な人間ドラマだ。 　二人の役者は、人気実力ともに文句なしのトップスターで、その共演は大きな話題。実際、劇中の二人の役作り、演技には非の打ち所がない。 　しかし、それ以上にすさまじいのがデンマーク出身のスサンネ・ビア監督の手腕である。 　たとえば、おそらくこの話でもっとも困難な「ヒロインは、なぜ大嫌いだった夫の麻薬中毒の親友と同居する気になったのか」という部分の処理。これをこの監督は、いとも簡単にクリヤーする。 　まず、ジェリーは葬儀にストライプ×ストライプの頓珍漢なスーツスタイルでやってくるが、サイズがまったく合っていない。着慣れていないよほどの事情があるんだよと、監督はここで観客にさりげなく伝えている。会場内でもジェリーは浮き気味だが、ここで彼と接触する気の良い隣人と子供たちの反応を通して、このキャラクターの好感度を一気に上げてしまう。 　この下ごしらえをした後に、&#34;60ドルに関するあるエピソード&#34;を最後の引き金として重ねることで、ヒロインとジェリーとの長年の確執をわずかな時間で消し去ってしまうのである。この説得力には、思わずうならされた。 　上記のように服装や美術を含めた画面使い、役者の演技力の引き出し方、ストーリーテリングのすべてにおいて、スサンネ・ビアは最上級といっていいほどに上手い。おそらく、芸達者の二人が出演してなくとも、つまりこの作品がハリウッド以外で、相当な低予算で作られたとしても、同品質のものが出来上がる違いない。その意味では、監督の圧倒的才能、パワーのみ際立つ映画ともいえる。 　二人の登場人物が、安直一直線に癒しに向かうこともない。ハル･ベリーのキャラクターはきわめて思いやりに満ちた優しい人物に描かれているが、子供の水泳のエピソードで明らかになるように、映画の後半に至っても心傷はいえていない。冷静で穏やかなデル・トロにしても同様だ。 　だが、徐々に立ち直る二人の行く末については、それぞれの周辺に幸福を予感させる人物を配することで、希望に満ちたそれを間接的に提示する。この絶妙なさじ加減が心憎い。 　私がもっとも気に入っている場面は、生前の夫とジェリーがダイナーで話をする場面。ここでジェリーは場違いともいうべき金利、経済についての話題を親友に振る。後々まで見ればよくわかるが、男の友情というものを、これ以上なく的確に表現した、あまりに美しい名場面である。女流監督がここまで男の心を描くことができるとは、その人間観察力に脱帽だ。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆ハル・ベリー＆ベニチオ・デル・トロを圧倒する才能（85点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002915JC2/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B002915JC2.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="泣きたい2009" class="img-left" /></a>
<p>　『悲しみが乾くまで』に主演するハル・ベリーとベニチオ・デル・トロは、ともにオスカー受賞経験がある実力者で、その演技力に死角はない。だが、それでも本作は、彼らがかすんでしまうほどに、別のある人物の圧倒的な才能を感じさせる。</p>
<span id="more-10317"></span>
<p>　オードリー（ハル･ベリー）の幸せな生活は、ある日夫が殺されて一変する。葬儀当日、夫の親友ジェリー（ベニチオ・デル・トロ）と久々に再会した彼女は、彼が相変わらずドラッグ中毒の後遺症により、廃人同様の暮らしをしている事を知る。これまでジェリーを快く思っていなかったオードリーだが、子供たちが彼になつくのを見て、空き部屋に越してこないかと提案する。</p>
<p>　夫の死後、その親友と同居をはじめる女の物語。かといって、その二人が恋をする類の馬鹿げた話ではなく、深く傷ついた二人の人間が、それぞれ再生するまでの浮き沈みを、真摯かつ丹念に描く本格的な人間ドラマだ。</p>
<p>　二人の役者は、人気実力ともに文句なしのトップスターで、その共演は大きな話題。実際、劇中の二人の役作り、演技には非の打ち所がない。</p>
<p>　しかし、それ以上にすさまじいのがデンマーク出身のスサンネ・ビア監督の手腕である。</p>
<p>　たとえば、おそらくこの話でもっとも困難な「ヒロインは、なぜ大嫌いだった夫の麻薬中毒の親友と同居する気になったのか」という部分の処理。これをこの監督は、いとも簡単にクリヤーする。</p>
<p>　まず、ジェリーは葬儀にストライプ×ストライプの頓珍漢なスーツスタイルでやってくるが、サイズがまったく合っていない。着慣れていないよほどの事情があるんだよと、監督はここで観客にさりげなく伝えている。会場内でもジェリーは浮き気味だが、ここで彼と接触する気の良い隣人と子供たちの反応を通して、このキャラクターの好感度を一気に上げてしまう。</p>
<p>　この下ごしらえをした後に、&quot;60ドルに関するあるエピソード&quot;を最後の引き金として重ねることで、ヒロインとジェリーとの長年の確執をわずかな時間で消し去ってしまうのである。この説得力には、思わずうならされた。</p>
<p>　上記のように服装や美術を含めた画面使い、役者の演技力の引き出し方、ストーリーテリングのすべてにおいて、スサンネ・ビアは最上級といっていいほどに上手い。おそらく、芸達者の二人が出演してなくとも、つまりこの作品がハリウッド以外で、相当な低予算で作られたとしても、同品質のものが出来上がる違いない。その意味では、監督の圧倒的才能、パワーのみ際立つ映画ともいえる。</p>
<p>　二人の登場人物が、安直一直線に癒しに向かうこともない。ハル･ベリーのキャラクターはきわめて思いやりに満ちた優しい人物に描かれているが、子供の水泳のエピソードで明らかになるように、映画の後半に至っても心傷はいえていない。冷静で穏やかなデル・トロにしても同様だ。</p>
<p>　だが、徐々に立ち直る二人の行く末については、それぞれの周辺に幸福を予感させる人物を配することで、希望に満ちたそれを間接的に提示する。この絶妙なさじ加減が心憎い。</p>
<p>　私がもっとも気に入っている場面は、生前の夫とジェリーがダイナーで話をする場面。ここでジェリーは場違いともいうべき金利、経済についての話題を親友に振る。後々まで見ればよくわかるが、男の友情というものを、これ以上なく的確に表現した、あまりに美しい名場面である。女流監督がここまで男の心を描くことができるとは、その人間観察力に脱帽だ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>プロジェクトBB</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:15:38 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10316</guid>
		<description><![CDATA[◆泣ける度の高さは過去最高レベル（75点） 　ジャッキー・チェンは、30年以上にわってすべての主演作が日本公開されている不世出の大スターだが、近年じつは尻に火がつき始めていた。それは、タイのアクションスター、トニー・ジャーの出現による。彼は『マッハ！』や『トムヤムクン』で、全盛期のジャッキーを上回る物凄いリアルスタントを見せ、ジャッキー・チェンに引導を渡すのは間違いなくこの男だろうと、全世界のアクション映画ファンに思わせた。 　しかしジャッキーは男であった。新世代のスターの登場を受け彼が手がけたのは『香港国際警察／NEW POLICE STORY』。原点であり古巣の香港映画界に戻り、自身の最高傑作であるポリスストーリーのタイトルを、まったく同じコンセプト（CGに頼らない本物のアクション）で再現した。これはすなわち、トニージャーへ真っ向勝負を挑んだということ。作品の出来もすばらしく、まさに横綱相撲であった。 　この成功を受け、再び同じベニー・チャン監督と作り上げたのが『プロジェクトＢＢ』。邦題は『プロジェクトA』を思わせるがまったく無関係なオリジナルストーリーだ。 　今回彼が演じるのは、意図せず大富豪の赤ん坊を誘拐してしまう泥棒3人組のひとり。リーダーには、広川太一郎の吹き替えが懐かしい『Ｍｒ.Ｂｏｏ！』シリーズでおなじみマイケル・ホイが久々の復活。 　彼らはこれまた久々に見るユン・ピョウ刑事におわれつつ、別の凶悪なグループとこの赤ちゃんの争奪戦を繰り広げる。男ばかりで育児にてんやわんやという、お約束的なコメディも大いに含まれる。 　しかし本作最大の美点は、そうした笑いでも、いつにも増して過激な出演陣のスタントでもなく、ジャッキー映画屈指のストーリー性の高さだ。 　おちこぼれ3人はそれぞれ深刻な家族の問題を抱えているが、いままでずっと逃げ回ってきた。まさに、ろくでなし人間の典型例だ。しかし、ひょんな事から彼らの生活の中にやってきた愛らしい赤ちゃん。この子とのふれあいによって、それらに真っ向から立ち向かう勇気を与えられる。赤ちゃんと別れるあたりから、終盤は怒とうの感動ラッシュで涙なしには見られない。香港映画らしい、荒削りだが熱い情熱にあふれた映画である。これで結末をもう少しスリムにまとめてくれれば完璧だったのだが。 　それにしても、この映画に出てくる赤ちゃんのかわいらしい事といったらない。アクションシーンにも全面参加？しており、吹き抜けは落下するわ車に引っ張られるわと大活躍。スペランカーの主人公であれば、100回くらいは死んでいるであろう猛烈な試練の数々を、天使の微笑でこなしていく。あっぱれなまでの耐久力の高さである。 　そしてなによりジャッキー・チェン54歳。これをみて、まだまだ全く衰えていないことがよくわかった。これからもこの路線を続けてくれるよう、私はこの映画のヒットを願ってやまない。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆泣ける度の高さは過去最高レベル（75点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000TV84FS/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B000TV84FS.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="泣きたい2009" class="img-left" /></a>
<p>　ジャッキー・チェンは、30年以上にわってすべての主演作が日本公開されている不世出の大スターだが、近年じつは尻に火がつき始めていた。それは、タイのアクションスター、トニー・ジャーの出現による。彼は『マッハ！』や『トムヤムクン』で、全盛期のジャッキーを上回る物凄いリアルスタントを見せ、ジャッキー・チェンに引導を渡すのは間違いなくこの男だろうと、全世界のアクション映画ファンに思わせた。</p>
<span id="more-10316"></span>
<p>　しかしジャッキーは男であった。新世代のスターの登場を受け彼が手がけたのは『香港国際警察／NEW POLICE STORY』。原点であり古巣の香港映画界に戻り、自身の最高傑作であるポリスストーリーのタイトルを、まったく同じコンセプト（CGに頼らない本物のアクション）で再現した。これはすなわち、トニージャーへ真っ向勝負を挑んだということ。作品の出来もすばらしく、まさに横綱相撲であった。</p>
<p>　この成功を受け、再び同じベニー・チャン監督と作り上げたのが『プロジェクトＢＢ』。邦題は『プロジェクトA』を思わせるがまったく無関係なオリジナルストーリーだ。</p>
<p>　今回彼が演じるのは、意図せず大富豪の赤ん坊を誘拐してしまう泥棒3人組のひとり。リーダーには、広川太一郎の吹き替えが懐かしい『Ｍｒ.Ｂｏｏ！』シリーズでおなじみマイケル・ホイが久々の復活。</p>
<p>　彼らはこれまた久々に見るユン・ピョウ刑事におわれつつ、別の凶悪なグループとこの赤ちゃんの争奪戦を繰り広げる。男ばかりで育児にてんやわんやという、お約束的なコメディも大いに含まれる。</p>
<p>　しかし本作最大の美点は、そうした笑いでも、いつにも増して過激な出演陣のスタントでもなく、ジャッキー映画屈指のストーリー性の高さだ。</p>
<p>　おちこぼれ3人はそれぞれ深刻な家族の問題を抱えているが、いままでずっと逃げ回ってきた。まさに、ろくでなし人間の典型例だ。しかし、ひょんな事から彼らの生活の中にやってきた愛らしい赤ちゃん。この子とのふれあいによって、それらに真っ向から立ち向かう勇気を与えられる。赤ちゃんと別れるあたりから、終盤は怒とうの感動ラッシュで涙なしには見られない。香港映画らしい、荒削りだが熱い情熱にあふれた映画である。これで結末をもう少しスリムにまとめてくれれば完璧だったのだが。</p>
<p>　それにしても、この映画に出てくる赤ちゃんのかわいらしい事といったらない。アクションシーンにも全面参加？しており、吹き抜けは落下するわ車に引っ張られるわと大活躍。スペランカーの主人公であれば、100回くらいは死んでいるであろう猛烈な試練の数々を、天使の微笑でこなしていく。あっぱれなまでの耐久力の高さである。</p>
<p>　そしてなによりジャッキー・チェン54歳。これをみて、まだまだ全く衰えていないことがよくわかった。これからもこの路線を続けてくれるよう、私はこの映画のヒットを願ってやまない。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ROOKIES-卒業-</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:11:40 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10314</guid>
		<description><![CDATA[◆無用なほどに熱い男の野球ドラマ（70点） 　森田まさのりによる原作の野球漫画も、そのドラマ版も私は見ていない。どう考えても置いていかれるに違いないと思いつつの鑑賞だったが、これが意外なほど面白い。チョイワル男たちの熱いドラマを、私はすっかり気に入ってしまった。 　ニコガク（二子玉川学園高校）野球部の面々も3年生となり、いよいよ甲子園への最後の挑戦が始まった。熱血教師・川藤（かわとう）（佐藤隆太）のもと、エースの安仁屋（あにや）（市原隼人）たち部員の士気はきわめて高い。ところが大リーグ志望の進入部員・赤星（山本裕典）は、高校野球などはなから眼中になく、自分勝手な行動でチームワークを乱し始める。 　平川雄一朗監督は撮影前、脚本を読みながら号泣。キャストの面々もクランクアップが近づくにつれ大泣きしたそうだ。撮るほうも撮られるほうもオイオイ泣きながら作っているという、想像すると笑ってしまいそうな話だが、なるほどたしかに画面からは熱い何かを感じられる。世間体など気にせず、やりたい道へ突き進む人間だけが持つ潔さとでもいおうか、どこか爽やかな空気が漂っている。 　効果的だったのは、たっぷりとられた上映時間（137分）。これは、シリーズの締めとして、やるべき事、やりたい事を全部やりつくそうというスタッフたちの意気込みを、余裕を持って実現できるだけの尺であった。 　また、意外なほど上手い若手俳優たちの貢献度にも言及する必要があるだろう。長髪や茶髪に荒っぽい言葉遣い──外見はとても高校球児には見えないが、そこがいい。こういうヤツらが活躍するのを見られるならば、きっと私もNHKの中継を見るだろう。ワガママ新人の赤星も、じつに魅力的なキャラクターだ。 　ほぼ全員に見せ場があり、まるで10分おきに感動のクライマックスが訪れるような展開は、映画作品としての完成度など度外視した、観客サービス優先の構成。こういう映画はこれでいい。 　野球シーンは、技術的にはまだまだな面もあるが、試合展開はよく工夫されている。バットのグリップににじんだ血がアップになる所などは、屈指の名場面であろう。 　試合終了後も、涙涙のドラマは続く。なんとも、憎めない青春ドラマだ。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆無用なほどに熱い男の野球ドラマ（70点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002NJ9UWK/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B002NJ9UWK.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="泣きたい2009" class="img-left" /></a>
<p>　森田まさのりによる原作の野球漫画も、そのドラマ版も私は見ていない。どう考えても置いていかれるに違いないと思いつつの鑑賞だったが、これが意外なほど面白い。チョイワル男たちの熱いドラマを、私はすっかり気に入ってしまった。</p>
<span id="more-10314"></span>
<p>　ニコガク（二子玉川学園高校）野球部の面々も3年生となり、いよいよ甲子園への最後の挑戦が始まった。熱血教師・川藤（かわとう）（佐藤隆太）のもと、エースの安仁屋（あにや）（市原隼人）たち部員の士気はきわめて高い。ところが大リーグ志望の進入部員・赤星（山本裕典）は、高校野球などはなから眼中になく、自分勝手な行動でチームワークを乱し始める。</p>
<p>　平川雄一朗監督は撮影前、脚本を読みながら号泣。キャストの面々もクランクアップが近づくにつれ大泣きしたそうだ。撮るほうも撮られるほうもオイオイ泣きながら作っているという、想像すると笑ってしまいそうな話だが、なるほどたしかに画面からは熱い何かを感じられる。世間体など気にせず、やりたい道へ突き進む人間だけが持つ潔さとでもいおうか、どこか爽やかな空気が漂っている。</p>
<p>　効果的だったのは、たっぷりとられた上映時間（137分）。これは、シリーズの締めとして、やるべき事、やりたい事を全部やりつくそうというスタッフたちの意気込みを、余裕を持って実現できるだけの尺であった。</p>
<p>　また、意外なほど上手い若手俳優たちの貢献度にも言及する必要があるだろう。長髪や茶髪に荒っぽい言葉遣い──外見はとても高校球児には見えないが、そこがいい。こういうヤツらが活躍するのを見られるならば、きっと私もNHKの中継を見るだろう。ワガママ新人の赤星も、じつに魅力的なキャラクターだ。</p>
<p>　ほぼ全員に見せ場があり、まるで10分おきに感動のクライマックスが訪れるような展開は、映画作品としての完成度など度外視した、観客サービス優先の構成。こういう映画はこれでいい。</p>
<p>　野球シーンは、技術的にはまだまだな面もあるが、試合展開はよく工夫されている。バットのグリップににじんだ血がアップになる所などは、屈指の名場面であろう。</p>
<p>　試合終了後も、涙涙のドラマは続く。なんとも、憎めない青春ドラマだ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>シークレット・サンシャイン</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:08:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10312</guid>
		<description><![CDATA[◆シングルマザーが味わう未曾有の苦しみ（80点） 　脳性麻痺の女性の恋愛物語「オアシス」（02年、韓国）は、このサイトで絶賛したから覚えている方も多いかも知れない。『シークレット・サンシャイン』はそのイ・チャンドン監督の最新作で、これまた大いに引き込まれる本格ドラマだ。 　夫を亡くしたシネ（チョン・ドヨン）は、幼い息子を連れソウルから夫の故郷へやってきた。この小さな田舎町で再出発をはかろうというのだ。最初に知り合ったジョンチャン（ソン・ガンホ）は、しょぼくれた自動車修理工場を経営するさえない中年男だったが、シネに一目ぼれして何かと世話を焼いてくれる。シネにはまったくその気はなかったが、おせっかいな彼の助けでなんとか地元社会にもなじみ始めていた。ところが間もなく、彼女は人生最大の苦難を経験することになる。 　期待通りの見ごたえある人間ドラマで、私はこれを見られて本当によかったと感じた。ただ、前作ほどわかりやすく誰もを満足させてくれるものではない。鑑賞後に色々考えて、うっすらと存在する希望に救われるといった具合だ。 　この、観客に考えさせるという点は各個のシーンでも同様で、この監督は小さな問いを投げかけたところで唐突に場面を変える手法を多用する。こうしたやり方は、私のように気持ちよく感じる人もいるだろうが、苦手な人も多いかもしれない。 　この映画のヒロインは言葉にするのもぞっとするほどの恐ろしい目にあうが、その後の混迷を経てひとつの答えを出すラストシーンが秀逸。それまで常にヒロインの半歩後ろを歩いていたジョンチャンが、この場面では別の位置に立っている。彼女がそこで行うある行為は、生への意欲の表れにほかなるまい。その画面構成は悲劇からの再生を描くために最適で、かつ美しい。 　シネを演じたチョン・ドヨンは、韓国の女優の中でもプロ意識のきわめて高い人物。まともな女優が濡れ場で脱ぐなどとんでもない、という風潮だったかつての韓国映画界で、すでに名声を得ていたにも関わらず吹き替えなしで激しいそれを演じた事で有名だ。 　今回も同様の場面があるが、そのとき天に向かって彼女が吐く台詞、表情は真にせまっており、キリスト教徒が多い韓国人の観客ならずとも大きなショックを受けるだろう。 　このレベルの作品をたくさん輸入してくれるのなら、韓流ブームも大歓迎といいたいところだ。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆シングルマザーが味わう未曾有の苦しみ（80点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001H1FXFS/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B001H1FXFS.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="泣きたい2009" class="img-left" /></a>
<p>　脳性麻痺の女性の恋愛物語「オアシス」（02年、韓国）は、このサイトで絶賛したから覚えている方も多いかも知れない。『シークレット・サンシャイン』はそのイ・チャンドン監督の最新作で、これまた大いに引き込まれる本格ドラマだ。</p>
<span id="more-10312"></span>
<p>　夫を亡くしたシネ（チョン・ドヨン）は、幼い息子を連れソウルから夫の故郷へやってきた。この小さな田舎町で再出発をはかろうというのだ。最初に知り合ったジョンチャン（ソン・ガンホ）は、しょぼくれた自動車修理工場を経営するさえない中年男だったが、シネに一目ぼれして何かと世話を焼いてくれる。シネにはまったくその気はなかったが、おせっかいな彼の助けでなんとか地元社会にもなじみ始めていた。ところが間もなく、彼女は人生最大の苦難を経験することになる。</p>
<p>　期待通りの見ごたえある人間ドラマで、私はこれを見られて本当によかったと感じた。ただ、前作ほどわかりやすく誰もを満足させてくれるものではない。鑑賞後に色々考えて、うっすらと存在する希望に救われるといった具合だ。</p>
<p>　この、観客に考えさせるという点は各個のシーンでも同様で、この監督は小さな問いを投げかけたところで唐突に場面を変える手法を多用する。こうしたやり方は、私のように気持ちよく感じる人もいるだろうが、苦手な人も多いかもしれない。</p>
<p>　この映画のヒロインは言葉にするのもぞっとするほどの恐ろしい目にあうが、その後の混迷を経てひとつの答えを出すラストシーンが秀逸。それまで常にヒロインの半歩後ろを歩いていたジョンチャンが、この場面では別の位置に立っている。彼女がそこで行うある行為は、生への意欲の表れにほかなるまい。その画面構成は悲劇からの再生を描くために最適で、かつ美しい。</p>
<p>　シネを演じたチョン・ドヨンは、韓国の女優の中でもプロ意識のきわめて高い人物。まともな女優が濡れ場で脱ぐなどとんでもない、という風潮だったかつての韓国映画界で、すでに名声を得ていたにも関わらず吹き替えなしで激しいそれを演じた事で有名だ。</p>
<p>　今回も同様の場面があるが、そのとき天に向かって彼女が吐く台詞、表情は真にせまっており、キリスト教徒が多い韓国人の観客ならずとも大きなショックを受けるだろう。</p>
<p>　このレベルの作品をたくさん輸入してくれるのなら、韓流ブームも大歓迎といいたいところだ。</p>]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>ロッキー・ザ・ファイナル</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/dvd-ranking2009/cry2009/10311.html</link>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:06:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=10311</guid>
		<description><![CDATA[◆スタローンが命をかけて作った一本（70点） 　おそらく30代以上の男性にとって、ビル・コンティ作曲によるこのシリーズのテーマ曲『Gonna Fly Now』ほど心を奮い立たせるメロディはないだろう。あれが流れ、画面に巨大な「ROCKY」の文字がスクロールすれば、もはやそれだけで感無量、というほどほれ込んだファンも少なくない。 　そんなロッキーシリーズもいよいよこれで大団円。前作パート5もそううたってはいたが、このシリーズを生み出したシルベスター・スタローン自身が「あれは失敗作、だからこれを作った」と語るとおり、さすがにこれ以降はなさそうだ。 　ボクシングを引退したロッキー（シルベスター・スタローン）は、愛妻エイドリアンも亡くし、今はフィラデルフィアで小さなイタリア料理店を営んでいる。ずっと父の栄光と比べられて生きてきた息子からも避けられ、いまや客相手に昔話を繰り返すだけの日々だ。そんなある日、無敵の現役チャンピオン（アントニオ・ターヴァー）と全盛期の自分のシミュレーション対戦をテレビで見た彼は、くすぶる情熱を抑えきれず、ついに現役復帰を決める。 　路上のケンカにまで落ちぶれたパート5と違い、堂々とリングの上で決着する。これぞファンが望んでいたロッキーの姿だ。それにたいしスタローンは、史上最高の役作りをもってこたえる。この映画の後半はほとんどがボクシングの試合場面で、上半身はもちろん裸。しかし彼（監督と脚本も兼ねる）は、構図やカメラワークで隠すことなく、60歳のその体を余すところなく観客へみせる。一切逃げも隠れもしない。なぜならその肉体は、信じがたいことに全ロッキーシリーズを通して最高にビルドアップされたものだからだ。 　シルベスター・スタローンにとって、ロッキーは特別なものだ。無名時代に書き上げた脚本を自身の主演と共に売り込んでアメリカンドリームを達成した彼にとって、シリーズは自分の役者人生そのもの。人気隆盛と凋落を繰り返し、やがて行き着いた最後の一本に対して、いいかげんな気持ちで挑むわけにはいかないという決意のほどがひしひしと感じられる。 　ちなみに彼は公開直前、オーストラリアの空港で禁止薬物（ヒト成長ホルモン＝HGH）所持で捕まったが、間違っても「なんだ、結局ドーピングで作った体か」などと思ってはいけない。あの年齢でほかでもない、ヒト成長ホルモンを使っていたということがいったいどれほど重大な意味を持つか、そういうコメントをする人はまったく理解していない。（ここでいうHGHの使用とは、よく精力剤ショップで売られているスプレー剤やら経口剤など、効果ゼロのインチキなやり方とはまったく異なる） 　この薬物は、通常インスリン（一般に糖尿病の治療薬として知られるが、同時に強力なアナボリックホルモンでもある）と組み合わせて使われるが、この2種だけを使用することはまずありえない。その前提として、古くからあるベーシックなアナボリックステロイドを何種類もスタック（同時使用）するのが常識だ。 　つまり、スタローンがHGHを使用していたということは、それ以外にも相当大量の薬物を（おそらく長期にわたり）使っていたと推測できるわけだ。そして、副作用の王様（内臓肥大⇒心筋肥大⇒虚血性心疾患⇒死　まである）たる成長ホルモンを使用していたということは、人類が現在採用できるほぼ最強（かつハイリスク）のドーピングサイクルを彼が行っていたという意味でもある。 　もちろん、寿命は確実に、そして大幅に縮む。五輪で世界記録を目指すトップアスリートでもここまでやる勇気のあるものはそう多くないだろう。まして、CGやボディダブルをいくらでも立てられるハリウッド映画の世界で、いったい誰がそんなバカなマネをするというのだ。しかも彼はすでに成功者であり、金のために無理をする必要もないのだ。 　だからこそ、この映画は感動的といえるのである。『ロッキー・ザ・ファイナル』は、まったく文字通り、スタローンが命をかけて作り上げた渾身の一本。私たちにロッキーをあと一回だけ見せるために、還暦のオヤジがここまでがんばってくれた。 　そんなことを考えていた私は、この完結編では試合よりなにより、トレーニングシーンで涙が出た。なぜそこまでがんばるのか。目の前にいるのはロッキーなのか、スタローンなのか。 　むろん、感情抜きにして批評をすれば、いくつかの不満がないわけではない。たとえば、マイク・タイソンら実在の人物を絡めたあたりはまったくもって不要。ロッキーの世界観はそれ単独で十分魅力があり、無理して現実とリンクさせる必要はない。下手に現実を入れ込むと、演出過剰なボクシングシーンのリアリティの少なさが目立ってしまう。 　ただ、今回はスタローンのすばらしい肉体美と、相手役のアントニオ・ターヴァーの上手さにより、かなりその出来はよい。なんといってもアントニオは、96年のアトランタ五輪銀メダリストであり、前ライトヘビー級の世界チャンピオンだった男なのだ。 　また、このボクシングシーンは映像面に相当凝った演出がなされており、とてもスタイリッシュだ。シリーズの名場面がいくつも挿し込まれ（ただし5は無い）、とんでもなく盛り上がる。 　息子役をヘタレ気味に設定し、続編への未練を断ち切ったあたりも潔い。これをやっておかないと、いずれドラゴンボールになりかねない。 　ともかく、ファンならこれは必見。スタローンが「奇跡」と呼ぶパート1の意思を最も色濃く受け継いでいるのはこの最終版だ。シリーズは1（もしくは2まで）しか認めないという人にこそすすめたいこの1本。年間ベストワンと私が断言するすばらしい予告編をどこかで見てから、期待十分で楽しんできていただきたい。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆スタローンが命をかけて作った一本（70点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001G9EC9Y/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B001G9EC9Y.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="泣きたい2009" class="img-left" /></a>
<p>　おそらく30代以上の男性にとって、ビル・コンティ作曲によるこのシリーズのテーマ曲『Gonna Fly Now』ほど心を奮い立たせるメロディはないだろう。あれが流れ、画面に巨大な「ROCKY」の文字がスクロールすれば、もはやそれだけで感無量、というほどほれ込んだファンも少なくない。</p>
<span id="more-10311"></span>
<p>　そんなロッキーシリーズもいよいよこれで大団円。前作パート5もそううたってはいたが、このシリーズを生み出したシルベスター・スタローン自身が「あれは失敗作、だからこれを作った」と語るとおり、さすがにこれ以降はなさそうだ。</p>
<p>　ボクシングを引退したロッキー（シルベスター・スタローン）は、愛妻エイドリアンも亡くし、今はフィラデルフィアで小さなイタリア料理店を営んでいる。ずっと父の栄光と比べられて生きてきた息子からも避けられ、いまや客相手に昔話を繰り返すだけの日々だ。そんなある日、無敵の現役チャンピオン（アントニオ・ターヴァー）と全盛期の自分のシミュレーション対戦をテレビで見た彼は、くすぶる情熱を抑えきれず、ついに現役復帰を決める。</p>
<p>　路上のケンカにまで落ちぶれたパート5と違い、堂々とリングの上で決着する。これぞファンが望んでいたロッキーの姿だ。それにたいしスタローンは、史上最高の役作りをもってこたえる。この映画の後半はほとんどがボクシングの試合場面で、上半身はもちろん裸。しかし彼（監督と脚本も兼ねる）は、構図やカメラワークで隠すことなく、60歳のその体を余すところなく観客へみせる。一切逃げも隠れもしない。なぜならその肉体は、信じがたいことに全ロッキーシリーズを通して最高にビルドアップされたものだからだ。</p>
<p>　シルベスター・スタローンにとって、ロッキーは特別なものだ。無名時代に書き上げた脚本を自身の主演と共に売り込んでアメリカンドリームを達成した彼にとって、シリーズは自分の役者人生そのもの。人気隆盛と凋落を繰り返し、やがて行き着いた最後の一本に対して、いいかげんな気持ちで挑むわけにはいかないという決意のほどがひしひしと感じられる。</p>
<p>　ちなみに彼は公開直前、オーストラリアの空港で禁止薬物（ヒト成長ホルモン＝HGH）所持で捕まったが、間違っても「なんだ、結局ドーピングで作った体か」などと思ってはいけない。あの年齢でほかでもない、ヒト成長ホルモンを使っていたということがいったいどれほど重大な意味を持つか、そういうコメントをする人はまったく理解していない。（ここでいうHGHの使用とは、よく精力剤ショップで売られているスプレー剤やら経口剤など、効果ゼロのインチキなやり方とはまったく異なる）</p>
<p>　この薬物は、通常インスリン（一般に糖尿病の治療薬として知られるが、同時に強力なアナボリックホルモンでもある）と組み合わせて使われるが、この2種だけを使用することはまずありえない。その前提として、古くからあるベーシックなアナボリックステロイドを何種類もスタック（同時使用）するのが常識だ。</p>
<p>　つまり、スタローンがHGHを使用していたということは、それ以外にも相当大量の薬物を（おそらく長期にわたり）使っていたと推測できるわけだ。そして、副作用の王様（内臓肥大⇒心筋肥大⇒虚血性心疾患⇒死　まである）たる成長ホルモンを使用していたということは、人類が現在採用できるほぼ最強（かつハイリスク）のドーピングサイクルを彼が行っていたという意味でもある。</p>
<p>　もちろん、寿命は確実に、そして大幅に縮む。五輪で世界記録を目指すトップアスリートでもここまでやる勇気のあるものはそう多くないだろう。まして、CGやボディダブルをいくらでも立てられるハリウッド映画の世界で、いったい誰がそんなバカなマネをするというのだ。しかも彼はすでに成功者であり、金のために無理をする必要もないのだ。</p>
<p>　だからこそ、この映画は感動的といえるのである。『ロッキー・ザ・ファイナル』は、まったく文字通り、スタローンが命をかけて作り上げた渾身の一本。私たちにロッキーをあと一回だけ見せるために、還暦のオヤジがここまでがんばってくれた。</p>
<p>　そんなことを考えていた私は、この完結編では試合よりなにより、トレーニングシーンで涙が出た。なぜそこまでがんばるのか。目の前にいるのはロッキーなのか、スタローンなのか。</p>
<p>　むろん、感情抜きにして批評をすれば、いくつかの不満がないわけではない。たとえば、マイク・タイソンら実在の人物を絡めたあたりはまったくもって不要。ロッキーの世界観はそれ単独で十分魅力があり、無理して現実とリンクさせる必要はない。下手に現実を入れ込むと、演出過剰なボクシングシーンのリアリティの少なさが目立ってしまう。</p>
<p>　ただ、今回はスタローンのすばらしい肉体美と、相手役のアントニオ・ターヴァーの上手さにより、かなりその出来はよい。なんといってもアントニオは、96年のアトランタ五輪銀メダリストであり、前ライトヘビー級の世界チャンピオンだった男なのだ。</p>
<p>　また、このボクシングシーンは映像面に相当凝った演出がなされており、とてもスタイリッシュだ。シリーズの名場面がいくつも挿し込まれ（ただし5は無い）、とんでもなく盛り上がる。</p>
<p>　息子役をヘタレ気味に設定し、続編への未練を断ち切ったあたりも潔い。これをやっておかないと、いずれドラゴンボールになりかねない。</p>
<p>　ともかく、ファンならこれは必見。スタローンが「奇跡」と呼ぶパート1の意思を最も色濃く受け継いでいるのはこの最終版だ。シリーズは1（もしくは2まで）しか認めないという人にこそすすめたいこの1本。年間ベストワンと私が断言するすばらしい予告編をどこかで見てから、期待十分で楽しんできていただきたい。</p>]]></content:encoded>
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		<title>幸せのちから</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 07:04:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆結末を知ってると面白さ半減（85点） 　手遅れかもしれないが、この映画に興味を抱いた人に、私からひとつ重要事項をアドバイスしたい。それは、もしアナタがこの作品の元となったクリス・ガードナーという男の実話の、とくに結末について何も知らないのならば、何も読まず聞かず 先に映画館に行ってきなさいということだ。 　この記事では映画の後半部分についての言及は避けているが、世間に出回っている本作の紹介記事は、なんの疑いもなく無邪気に結末まで書いてあるんだから参る。そりゃ、そこをアピールすれば多くの人が興味を持つだろうが、その代償として鑑賞時の満足度は著しくそがれていまう。 　この映画で儲けたい宣伝会社側がそれをやるのは仕方ないにせよ、紹介者、批評家まで一緒になって広めてしまうのはどうしたものだろう。映画会社のよこす紹介文のひな型に書いてあるからまあいっか、なんて思っているのかは知らないが、本当に観客のことを考えるなら、そういう資料を作って持ってくる方を批判すべきではないのか。少なくとも、そんな資料はさっさと捨てて、ネタバレ無しでいかに作品の魅力を伝えられるかに知恵を絞るべきだと私は思うのだが。 　クリス・ガードナーは米国のTVドキュメンタリーでその名が広まった人物で、その後著書もベストセラーとなり、あちらでは有名人。しかしここ日本ではそれほど彼の物語は知られていない。誰かが不用意にネタバレを広めることさえしなければ、私たちは米国人の観客以上にこの映画作品を楽しむことができるはずだ。 　作品じたいは大変よくできたもので、主人公父子に焦点を絞って丁寧に心の表情を切り取った、見ごたえのある人間ドラマ。 　主人公のクリス（ウィル・スミス）は医療機器のセールスマン。だが、どう見ても売れそうにない商品かつ歩合制のため収入はほぼゼロ、家計は破綻寸前だ。5歳の息子（ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス）との関係は良好だが、妻とのそれは最悪で、やがて愛想をつかされてしまう。とうとう息子と二人きりになったクリスは、人生一発逆転の望みをかけて証券会社のトレーダーを目指すのだが……。 　なんの経験もない業界にその歳で転職とは、まさに負け組の典型的なパターンだ……と誰もが思うが、クリスは並大抵の人物ではなかった。息子を守らねばという強い責任感と、どん底から這い上がりたいという鉄の意志があった。はたから見ても頭が下がるような努力を24時間続ける彼の姿からは、現代人が忘れている、いや忘れようと隅に追いやっている大事なコトを思い出すことができる。 　まったく先に希望が見えないのに努力し続けているとき、ふと脳裏に浮かぶネガティブ思考の芽。胃が痛くなるようなその不安感をきちんと表現できている。劇中最も過酷な場面で主人公が一筋の涙を流す際の表情、これには強く心打たれた。ここはウィルスミスの演技中、最大の見所といえる。 　最初は給料ゼロの研修生。しかも、半年後に正社員昇格の望みがあるのはわずか1名。相変わらず売れない商品のセールスをやりながら、合間に市場経済の猛勉強。同時に見込み客名簿をみながら一日数百件の電話セールス、そして保育所に預ける息子の送迎。そんなハードな日々を送る父子の前に、しかしさらなる転落が待ち受けているとは……ああおそろしや格差社会。 　映画と実話の違いはいくつかあるが、子供の年齢が実際は2歳のところを5歳にしたあたりはもっとも大きな変更だろう。今回、ウィル・スミスは実際の息子と共演しているが、息はさすがにピッタリ。よりドラマティックな物語にするために、この設定変更は有効であった。 　2時間近い上映時間が終わったとき、私は思わず「え、もう終わり？」と思わず腕時計を見た。練習を3分刻みで行うボクサーは、正確に180秒の体内時計を持っているといわれるが、我々映画批評家も事前に尺を聞いておけばかなりの精度で体内タイマーを作動させることができる。しかし、その機能が失われるほど私はこの映画に没頭していたのだ。 　母親も含め、父子以外の内面描写がバッサリ切り捨てられており、なんとも強引な印象をうけるが、実話ドラマとして泣ける度はかなり高く、おすすめだ。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆結末を知ってると面白さ半減（85点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002EBW7WW/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B002EBW7WW.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="幸せのちから" class="img-left" /></a>
<p>　手遅れかもしれないが、この映画に興味を抱いた人に、私からひとつ重要事項をアドバイスしたい。それは、もしアナタがこの作品の元となったクリス・ガードナーという男の実話の、とくに結末について何も知らないのならば、何も読まず聞かず 先に映画館に行ってきなさいということだ。</p>
<span id="more-10310"></span>
<p>　この記事では映画の後半部分についての言及は避けているが、世間に出回っている本作の紹介記事は、なんの疑いもなく無邪気に結末まで書いてあるんだから参る。そりゃ、そこをアピールすれば多くの人が興味を持つだろうが、その代償として鑑賞時の満足度は著しくそがれていまう。</p>
<p>　この映画で儲けたい宣伝会社側がそれをやるのは仕方ないにせよ、紹介者、批評家まで一緒になって広めてしまうのはどうしたものだろう。映画会社のよこす紹介文のひな型に書いてあるからまあいっか、なんて思っているのかは知らないが、本当に観客のことを考えるなら、そういう資料を作って持ってくる方を批判すべきではないのか。少なくとも、そんな資料はさっさと捨てて、ネタバレ無しでいかに作品の魅力を伝えられるかに知恵を絞るべきだと私は思うのだが。</p>
<p>　クリス・ガードナーは米国のTVドキュメンタリーでその名が広まった人物で、その後著書もベストセラーとなり、あちらでは有名人。しかしここ日本ではそれほど彼の物語は知られていない。誰かが不用意にネタバレを広めることさえしなければ、私たちは米国人の観客以上にこの映画作品を楽しむことができるはずだ。</p>
<p>　作品じたいは大変よくできたもので、主人公父子に焦点を絞って丁寧に心の表情を切り取った、見ごたえのある人間ドラマ。</p>
<p>　主人公のクリス（ウィル・スミス）は医療機器のセールスマン。だが、どう見ても売れそうにない商品かつ歩合制のため収入はほぼゼロ、家計は破綻寸前だ。5歳の息子（ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス）との関係は良好だが、妻とのそれは最悪で、やがて愛想をつかされてしまう。とうとう息子と二人きりになったクリスは、人生一発逆転の望みをかけて証券会社のトレーダーを目指すのだが……。</p>
<p>　なんの経験もない業界にその歳で転職とは、まさに負け組の典型的なパターンだ……と誰もが思うが、クリスは並大抵の人物ではなかった。息子を守らねばという強い責任感と、どん底から這い上がりたいという鉄の意志があった。はたから見ても頭が下がるような努力を24時間続ける彼の姿からは、現代人が忘れている、いや忘れようと隅に追いやっている大事なコトを思い出すことができる。</p>
<p>　まったく先に希望が見えないのに努力し続けているとき、ふと脳裏に浮かぶネガティブ思考の芽。胃が痛くなるようなその不安感をきちんと表現できている。劇中最も過酷な場面で主人公が一筋の涙を流す際の表情、これには強く心打たれた。ここはウィルスミスの演技中、最大の見所といえる。</p>
<p>　最初は給料ゼロの研修生。しかも、半年後に正社員昇格の望みがあるのはわずか1名。相変わらず売れない商品のセールスをやりながら、合間に市場経済の猛勉強。同時に見込み客名簿をみながら一日数百件の電話セールス、そして保育所に預ける息子の送迎。そんなハードな日々を送る父子の前に、しかしさらなる転落が待ち受けているとは……ああおそろしや格差社会。</p>
<p>　映画と実話の違いはいくつかあるが、子供の年齢が実際は2歳のところを5歳にしたあたりはもっとも大きな変更だろう。今回、ウィル・スミスは実際の息子と共演しているが、息はさすがにピッタリ。よりドラマティックな物語にするために、この設定変更は有効であった。</p>
<p>　2時間近い上映時間が終わったとき、私は思わず「え、もう終わり？」と思わず腕時計を見た。練習を3分刻みで行うボクサーは、正確に180秒の体内時計を持っているといわれるが、我々映画批評家も事前に尺を聞いておけばかなりの精度で体内タイマーを作動させることができる。しかし、その機能が失われるほど私はこの映画に没頭していたのだ。</p>
<p>　母親も含め、父子以外の内面描写がバッサリ切り捨てられており、なんとも強引な印象をうけるが、実話ドラマとして泣ける度はかなり高く、おすすめだ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ウォーリー</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 06:57:08 +0000</pubDate>
		<dc:creator>映画ジャッジ</dc:creator>
				<category><![CDATA[泣きたい2009]]></category>

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		<description><![CDATA[◆地球に一台だけ残ったごみ処理ロボットの数奇な運命（85点） 　「トロピックサンダー」の記事でも書いたが、最近はひどいネタばらしが目に付く。 　だが、『ＷＡＬＬ・Ｅ／ウォーリー』の場合は、宣伝側が自ら予告編で「事前に知るべきでない設定」を、何億円もかけて全国民へご丁寧に周知させているのだから参る。 　もっとも「最大限の利益を出すため」に活動している彼らと、「作品を最大限に楽しんでもらうため」に情報提供を行う私たちレビュアーとは、方針が似て異なるのだからやむを得ないのかもしれないが。 　情報格差が叫ばれる時代だが、難しいのは情報を集めることより、不要な情報をシャットアウトすることかもしれない。 　荒れ果てた街で、体に「WALL・E」と書かれた一体のごみ処理ロボットが動いている。彼が風雨をしのぐ小屋には、どこか懐かしいがらくたがつまっている。かつてそれらを生産した人間たちは、今は見渡す限りどこにもいない。いったいこの星に、何が起こったのだろう。&#34;WALL・E&#34;はいつから、一人ぼっちでごみを集め続けているのだろう……。 　セリフの一切ない、静かな映像美がしばらく続く。廃墟をさ迷うのは愛らしいロボット&#34;WALL・E&#34;。唯一出てくる生き物といえそうなものは、WALL・Eと仲がいいコオロギだかゴキブリだか、ちっぽけな虫けら一匹だけ。 　しかしさすがは、クルマだけで郷愁ドラマを作ったピクサーアニメーション。何もしゃべれず、おまけにどう見ても表情の作りようがないこの2人（?）のコミカルなやりとりだけで、観客をぐいぐい引っ張っていく。 　毎度書いていることだが、ピクサー作品のキモであるキャラクター造形の上手さ、まさにここに極まる、といった感じだ。やはり人間が描けている作品は、大人が見ても子供が見ても面白い。正確にはロボットだが……。 　謎だらけの冒頭と、製作費160億円以上もぶっこんだハイクオリティのCGアニメーションに驚愕中の観客の前に、やがて一体の女の子（と思しき）ロボットが現れる。キャタピラで動き回るポンコツWALL・Eとは正反対の、流麗なスタイルのハイテクロボットだ。はたして彼女の目的は何か。誰が彼女を遣わせたのか。 　これら数々の謎は、適切なタイミングで一つ一つ明かされていく。観客は一切イラつかされることなく、アンドリュー・スタントン監督（ファインディング・ニモ（2003））と脚本家チームが敷いたレールの上を、終点の号泣駅まで心地よく移動させられていく。 　ただじつのところ、この終着駅にはピクサーらしからぬ詰めの甘さがあり、感動をスポイルする。たとえば人の心がどこに存在するかは科学者にとって永遠のテーマだが、多くの人は脳か、それに準ずるどこかにあると考えている。全細胞に分布するとの説もあるが、心情的にぴんとこない。だが後者の説についての言及、伏線があれば、この作品の満足度はさらにあがったに違いない。 　しかし、それ以外はもはやケチのつけようがない。この冬のディズニーアニメは、本作と『ティンカーベル』の二本体勢だが、その先陣を切る『ＷＡＬＬ・Ｅ／ウォーリー』は、間違いなくお正月シーズンのオススメ作のうちのひとつ。しかもかなり上位に位置する傑作といえる。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p class="score-cry">◆地球に一台だけ残ったごみ処理ロボットの数奇な運命（85点）
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001RPFHUU/judgepickup-22/"><img src="http://images-jp.amazon.com/images/P/B001RPFHUU.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="ウォーリー" class="img-left" /></a>
<p>　「トロピックサンダー」の記事でも書いたが、最近はひどいネタばらしが目に付く。</p>
<span id="more-10309"></span>
<p>　だが、『ＷＡＬＬ・Ｅ／ウォーリー』の場合は、宣伝側が自ら予告編で「事前に知るべきでない設定」を、何億円もかけて全国民へご丁寧に周知させているのだから参る。</p>
<p>　もっとも「最大限の利益を出すため」に活動している彼らと、「作品を最大限に楽しんでもらうため」に情報提供を行う私たちレビュアーとは、方針が似て異なるのだからやむを得ないのかもしれないが。</p>
<p>　情報格差が叫ばれる時代だが、難しいのは情報を集めることより、不要な情報をシャットアウトすることかもしれない。</p>
<p>　荒れ果てた街で、体に「WALL・E」と書かれた一体のごみ処理ロボットが動いている。彼が風雨をしのぐ小屋には、どこか懐かしいがらくたがつまっている。かつてそれらを生産した人間たちは、今は見渡す限りどこにもいない。いったいこの星に、何が起こったのだろう。&quot;WALL・E&quot;はいつから、一人ぼっちでごみを集め続けているのだろう……。</p>
<p>　セリフの一切ない、静かな映像美がしばらく続く。廃墟をさ迷うのは愛らしいロボット&quot;WALL・E&quot;。唯一出てくる生き物といえそうなものは、WALL・Eと仲がいいコオロギだかゴキブリだか、ちっぽけな虫けら一匹だけ。</p>
<p>　しかしさすがは、クルマだけで郷愁ドラマを作ったピクサーアニメーション。何もしゃべれず、おまけにどう見ても表情の作りようがないこの2人（?）のコミカルなやりとりだけで、観客をぐいぐい引っ張っていく。</p>
<p>　毎度書いていることだが、ピクサー作品のキモであるキャラクター造形の上手さ、まさにここに極まる、といった感じだ。やはり人間が描けている作品は、大人が見ても子供が見ても面白い。正確にはロボットだが……。</p>
<p>　謎だらけの冒頭と、製作費160億円以上もぶっこんだハイクオリティのCGアニメーションに驚愕中の観客の前に、やがて一体の女の子（と思しき）ロボットが現れる。キャタピラで動き回るポンコツWALL・Eとは正反対の、流麗なスタイルのハイテクロボットだ。はたして彼女の目的は何か。誰が彼女を遣わせたのか。</p>
<p>　これら数々の謎は、適切なタイミングで一つ一つ明かされていく。観客は一切イラつかされることなく、アンドリュー・スタントン監督（ファインディング・ニモ（2003））と脚本家チームが敷いたレールの上を、終点の号泣駅まで心地よく移動させられていく。</p>
<p>　ただじつのところ、この終着駅にはピクサーらしからぬ詰めの甘さがあり、感動をスポイルする。たとえば人の心がどこに存在するかは科学者にとって永遠のテーマだが、多くの人は脳か、それに準ずるどこかにあると考えている。全細胞に分布するとの説もあるが、心情的にぴんとこない。だが後者の説についての言及、伏線があれば、この作品の満足度はさらにあがったに違いない。</p>
<p>　しかし、それ以外はもはやケチのつけようがない。この冬のディズニーアニメは、本作と『ティンカーベル』の二本体勢だが、その先陣を切る『ＷＡＬＬ・Ｅ／ウォーリー』は、間違いなくお正月シーズンのオススメ作のうちのひとつ。しかもかなり上位に位置する傑作といえる。</p>]]></content:encoded>
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