悪人 - 小梶勝男

悪人

© 2010「悪人」製作委員会

◆深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した話題作だが、面白くない。誰が悪人かというテーマが、分かりやすすぎる(72点)

 周囲の評価が相当に高い作品だが、私には、余り面白いとは思えない。確かに力作ではある。前半から中盤にかけては、実に丁寧に芝居を撮っている。深津絵里はモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した。それだけでも立派な映画なのだろう。だから面白いかというと、はっきり言って面白くない。

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食べて、祈って、恋をして - 渡まち子

食べて、祈って、恋をして

◆ストーリーがあまりにも説得力に欠ける(25点)

 映画はさながら世界一周の旅のようで開放感に溢れているが、ストーリーがあまりにも説得力に欠ける。NYでジャーナリストとして活躍するリズは、 30代半ばになって自分の人生が、望んでいるものではないことに気付く。夫との離婚、若い恋人との別れを経て、自らを探す旅に出ることを決意。イタリア、インド、インドネシアへと向かう。美食と瞑想を堪能した後、最後に訪れたバリ島で彼女の人生を大きく変える男性と出会うことになる…。

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君が踊る、夏 - 福本次郎

君が踊る、夏

© 2010「君が踊る、夏」製作委員会

◆高知のよさこい祭りを舞台に、青春の夢を追う青年が難病の少女との約束の中で人生で大切なものは何かを問うていく。自分ひとりの名声と仲間と分かち合う喜びを秤にかけ、二者択一を迫られる主人公の成長していく姿がまぶしい。(50点)

 動きを合わせた踊りは躍動感に富み、派手な衣装の裏地や扇の裏表を使って見せる様々な色彩の変化は視覚的に楽しませてくれる。若さあふれる肉体から発散されるエネルギーは自由と歓喜を表現し、一方で仲間と一緒に同じ目的に向かう過程で団結と友情を固めていく。映画は高知のよさこい祭りを舞台に、青春の夢を追う青年が難病の少女との約束の中で人生で大切なものは何かを問うていく。自分ひとりの名声と仲間と分かち合う喜びを秤にかけ、二者択一を迫られる主人公の成長していく姿がまぶしい。

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恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~ - 福本次郎

恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~

© 2010「恋も仕事も腹八分目」フィルムパートナーズ

◆味覚の記憶が過去を美しい思い出に変え、傷ついたヒロインを癒していく。映画は行き詰ったピアニストと巻き添えで死んだ料理人、そして料理人を想いながら他の男と結婚する女の再生を通じて、人生の素晴らしさを謳いあげる。(40点)

 舌の上でとろけるオムライスの卵、サクサクと香ばしいカツレツ、荒れた胃に優しく病気の体に滋養をつけるおかゆ。男の作った食べ物はヒロインの心で生きている。口にした人が笑顔になる料理、それは彼の思いがこもっているから。味覚の記憶が何気ない出来事を美しい思い出に変え、傷ついた彼女を少しずつ癒していく。映画は行き詰ったピアニストと巻き添えで死んだ料理人、そして料理人を想いながら他の男と結婚する女の悲しみと再生を通じて、人生の素晴らしさを謳いあげる。

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ナイト・トーキョー・デイ - 渡まち子

◆圧倒的な情報不足を不親切と見るか、想像力を刺激する演出スタイルと見るかで評価が分かれそう(55点)

 殺し屋とその標的の許されない恋というと過激で情熱的に思えるが、この物語はどこかポエティックで不思議なムードが漂っている。築地の魚市場で働きながら、凄腕の殺し屋として闇の仕事を請け負う女・リュウ。ある時、新しい仕事が入り、抹殺するターゲットでスペイン人のダビが営むワイン店を訪れる。誰とも打ち解けず生きる孤独な女と、愛する妻を自殺によって亡くしたばかりの男は、出会った瞬間に恋に落ちる…。

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終着駅-トルストイ最後の旅- - 山口拓朗

終着駅-トルストイ最後の旅-

◆ワレンチン自身が実体験を通じて、愛の本質を見極めていく姿勢がいい(70点)

 スターやヒーローは、遠くの人には愛されるが、近くの人には恨まれる。よく耳にする話だ。肥大化しながら世の中を一人歩きする自分の虚像と、現実の自分(実像)とのギャップが生み出す皮肉のようなものである。

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リサとガスパール-とびきりキュートなパリの住人- - 渡まち子

◆ほとんど夫婦漫才(めおとまんざい)の世界(55点)

 フランス発の人気絵本が初のアニメーション映画になった。ウサギでもイヌでもない不思議な生物リサとガスパールのキャラは、シンプルで可愛らしい。お茶目で元気な女の子リサと心優しい男の子のガスパールは、大親友。パリに住んでいて、人間と同じ学校に通っている。人間の友達はいっぱいいるけれど、2人は特別の仲良し“永遠の友達(トワトモ)”なのだ。そんなリサとガスパールは、今日もいたずらをして思わず叫んでしまう。「ひゃー、やっちゃったー!」。

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ナイト・トーキョー・デイ - 福本次郎

◆孤独を友とし絶望と添い寝する謎に満ちたヒロイン。そんな彼女が殺すべき男と恋に落ちた時、運命の歯車が狂い始める。大都会の空虚と寂寥、映画は夜の東京を舞台に、胸に哀しみを湛えた殺し屋の切ない感情を切り取ろうとする。(40点)

 孤独を友とし絶望と添い寝する女。他人とのかかわりを最小限にとどめ、深夜に働き昼間は息をひそめている。彼女の事情を録音技師は探ろうとするが、プライベートはほとんど明かさない。そんな謎に満ちたヒロインが殺すべき男と恋に落ちた時、運命の歯車が狂い始める。映画は夜の東京を舞台に、胸に哀しみを湛えた殺し屋の切ない感情を切り取ろうとする。不眠症ゆえに、考えすぎるのを避けるために黙々と肉体労働にいそしむ姿が、大都会の空虚と寂寥を象徴しているようだ。

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悪人 - 福本次郎

悪人

© 2010「悪人」製作委員会

◆金持ちの男友達の前では可愛い女のフリ、不細工な同僚や貧乏な男の前では悪意をむき出しにする女を満島ひかりがさまざまな表情で演じ分ける。欲望に忠実で人を傷つけるのは平気という、女のイヤらしさを巧みに表現していた。(60点)

 祖父母の世話をする青年、父親から娘への一方通行の愛情、胸の空白を埋めるために求めあう孤独な男女。そんな優しさが映画には溢れているのに、人の心に潜む“見下す気持ち”が殺伐とした空気を生み出す。単調で苦労の多い人生にうんざりしながらも懸命に生きる人間と、彼らを笑い飛ばす人間。その二種類の人間が交差した悲劇は、他人からバカにされたに女が他人をバカにしたときに起きる。金持ちの男友達の前では可愛い女でいようとするが、父を利用するときだけ笑顔を見せ、不細工な同僚や貧乏な男の前では悪意をむき出しにする被害者の女を満島ひかりがさまざまな表情で演じ分ける。己の欲望に忠実で人を傷つけるのは平気という、女のイヤらしさを巧みに表現していた。

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君が踊る、夏 - 渡まち子

君が踊る、夏

© 2010「君が踊る、夏」製作委員会

◆映画は安易な難病ものではなく、悩みながら生きる主人公・新平が、故郷の祭りを通して自分らしい生き方を模索する物語になっている(60点)

 挫折しながらも追いかける夢。好きな人を思い続ける気持ち。高知よさこい祭りの高揚感。それらをミックスして、病と闘う少女の実話を単なる難病ものだけに終わらせず、さわやかな青春映画に仕上げている。高知出身の新平は、東京でプロのカメラマンを目指して厳しい修行の日々を送っていた。5年ぶりに帰郷した新平のもとに、別れた恋人の香織が会いに来て「一緒によさこい祭りに出てほしい」と懇願する。難病を患う香織の幼い妹・さくらの生きる支えがよさこい祭りなのだ。最初はとまどったが、新平は、かつてのチーム「いちむじん」を再結成し、踊りの練習を始める…。

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THE LAST MESSAGE 海猿 - 前田有一

THE LAST MESSAGE 海猿

© 2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館 エー・チーム FNS27社

◆黒幕はCIA?(75点)

 『THE LAST MESSAGE 海猿』をみると、日本人も日本映画界も相変らず脳みその中は平和だなと感心する。

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食べて、祈って、恋をして - 前田有一

食べて、祈って、恋をして

◆男はイラっとくる映画(30点)

 もしあなたが女性で、とても温厚な彼氏がいて、その不機嫌な顔を見たことがないとする。そして何らかの理由で、その彼氏をイラつかせたい場合は、迷わず『食べて、祈って、恋をして』と一緒に見るとよい。終わった後、ヒロインの行動をほめちぎり、共感したことを表明すれば、なおのこと効果は高い。むろん、そんなデートに何の意義があるのかは不明である。

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nude - 前田有一

◆女性を誘えるAVドラマ(60点)

 アダルトビデオには、男女とも興味を持っている。もっとも、その方向には多少の違いがある。男性は出来上がった作品をみればそれで終わりだが、女性はむしろ「なんであんなコトをカメラの前で出来ちゃうんだろう」といった疑問から、女優さんの心境や出演に至った経緯、境遇といった内面の部分にまで興味を持つのではなかろうか。

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食べて、祈って、恋をして - 町田敦夫

食べて、祈って、恋をして

◆J・ロバーツのエキゾチックでモラトリアムな世界漫遊録(60点)

 ここしばらく「子育て中心モード」を取っていたジュリア・ロバーツが久々の単独主演。自分を見つめ直す旅に出た傷心の女性ジャーナリストを、異国情緒あふれる多彩なロケーションの中で演じている。原作は全世界で700万部を売り上げたエリザベス・ギルバートの自伝的小説だ。

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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 - 渡まち子

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

◆最後の最後まで、巧妙な仕掛けで悪を制裁するリスベットの知性に、溜飲を下げる(70点)

 スウェーデン発ミステリー「ミレニアム」三部作の完結編。権力側の陰謀に決して負けないヒロインの反骨精神に尊敬の念を覚える。自分に罪をきせ命を狙った敵と対決し、瀕死の重傷を負ったリスベット。病院から退院後、収監されてしまう彼女はほとんど身動きがとれない“眠れる女”だ。だが彼女の無実を信じるジャーナリストのミカエルは、ひそかに連絡をとる術を見つけ出す。一方、ミカエルの妹で弁護士のアニカや、リスベットのハッカー仲間らも、独自の方法で調査を進める。なぜリスベットは12歳で精神病院に入れられ「無能力者」として後見人制度の下に置かれたのか。ついに始まった裁判で、リスベットは自分に起こった忌わしい出来事を話し始める…。

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