◆純粋恋愛映画?? と首をかしげちゃいました(40点)
歌手の一青窈さんの代表曲、『ハナミズキ』をモチーフに造られた作品です。
◆いつも不機嫌そうな顔の老婆は、自己主張の強い北米の若者から見たデフォルメされた日本人像。彼女の孫たちは心をこめて話せば気持ちが伝わることを発見する。家族という社会の最小単位でも努力しなければ維持できないのだ。(60点)
いつも不機嫌そうな顔で、トイレを出た後にため息をつく。一切話さず、ただ一瞥をくれるだけ。ほとんど表情を変えないこの老婆は、自己主張の強い北米の若者から見たデフォルメされた日本人像だ。彼女の孫たちは試行錯誤の末、心をこめて話せばコミュニケーションを取れることを発見していく。映画は、家族という社会の最小単位ですらお互いが努力しなければそのつながりが維持できない現実を描くとともに、かけがえのない絆が血縁を超えた結びつきを生む幸福も教えてくれる。
◆不器用な3兄妹の成長と家族の絆が少ない言葉で語られる。ベタつかない家族愛が心地よい。(70点)
『セブンデイズ』(07)で脚本を手懸けたユン・ジェグの監督デビュー作となるサスペンス・スリラー。
◆あくまでも子供向けで、TV感覚で気軽に楽しむ作品(30点)
松谷みよ子のロングセラー児童文学が、劇場版の映画として登場。アニメ、CG、実写の融合とのキャッチコピーだが、実態はアニメパートと実写パートにくっきりと分かれていて、この内容で“融合”とまで呼ぶのはちょっとズルい。山桜市では、死神からのメールを受信したものが連れ去られてしまう事件が頻発。自称怪奇現象専門の探偵で、中学生のハルは、行方不明になった妹のマイを探して、第一の被害者の少年・リュウの友人のカオル、カオルのクラスメートの少女ジュンと共に、不気味な廃墟の洋館、通称「怪談レストラン」に向かう…。
◆四季折々の風景の一瞬のきらめきを切り取る素晴らしい映像に、恋人たちの出会いから別れ、再生までの10年に及ぶ時の流れが余情たっぷりに焼きつけられる。離れていても一緒に眺めた景色や共に過ごしたときめきは忘れない。(60点)
黄金色に染まった夕暮れの空に浮かび上がる灯台、雪のちらつく夜道で肩を並べて歩く高校生の後ろ姿、無数の陽光を反射する鈍色の海、青々と茂った草原を走る単線列車。四季折々の風景の一瞬のきらめきを切り取るかのような素晴らしい映像に、青春の輝ける瞬間を共有したいと願う恋人たちの出会いから別れ、再生までの10年に及ぶ時の流れが余情たっぷりに焼きつけられる。離れていても一緒に眺めた景色や共に過ごしたときめきは忘れない。物語の底に流れる一途な思いは決して色あせない情熱に満ちている。
◆007をはるかにしのぐ秘密兵器の数々、ネコ界のハンニバル・レクターの登場以外にも、映画のファンならばワクワクするようなパロディが満載だ(50点)
大ヒットした動物映画の続編の本作は、共通の敵に対してライバル同士の犬と猫が手を組む展開が笑いを誘う。猫のスパイ組織の元エージェント、キティ・ガロアが、犬や猫、人間までも自らの支配下に置くという恐ろしい策略を企てていた。かつてない危機にさられたネコたちは、ずっと敵対してきた犬スパイ組織とも手を組むことを決心する。ネコ界からは名実ともトップ・エージェントのキャサリン、イヌ界からはすぐに暴走するが潜在能力を秘めた元警察犬のディッグス、なぜかハトのシーマスも加わって、打倒キティ・ガロアのチームを組むことに。果たして彼らはガロアの陰謀から自分たちと人間、引いては地球を守れるのか?!
◆ある殺人事件の担当になった刑事が捜査を進めていくうちに、犯人は妻ではという疑念が胸に巣食い始める。真相を追うほどに逆に追い詰められ、苛立ちが焦燥に、怒りが恐怖に変わっていく主人公の心理描写が非常に繊細でリアルだ。(50点)
交通事故の被害者はなぜプライベートを詳しく知っているのか。美しい妻は何を隠しているのか。そして謎の電話の主とどこからか自分を見張っている目。ある殺人事件の担当になった刑事が捜査を進めていくうちに、犯人は妻ではないかという思いが胸に巣食い始める。やがてその疑念は確信になり、犯行の目的がわからぬまま彼女をかばおうとして苦悩にさいなまれて行く。真相を追うほどに逆に追い詰められ、苛立ちが焦燥に、怒りが恐怖に変わっていく主人公の心理描写が非常に繊細でリアルだ。
◆ストーリーそのものは、出会ってはすれ違うという古臭いもので、終盤には偶然を多用する展開になり、目新しさは何もない(40点)
10年の歳月の中、すれ違い続ける恋人たちの物語だが、あまりに展開が早いせいか、あっさりと薄味の恋愛映画になっている。北海道に住む紗枝は、東京の大学を目指して受験勉強中。ある時、水産高校に通う康平と偶然出会い、恋に落ちる。やがて東京と北海道の遠距離恋愛が始まった。海外での仕事を目標に、都会生活でどんどん美しくなる紗枝と、たとえ苦労があっても漁師として頑張りたい康平は、互いを思いながらも次第にすれ違いはじめる…。
◆文壇の中でも激しく評価が分かれる異色作家・舞城王太郎の原案だけに、後半は若者ウケしそうなハチャメチャな物語が炸裂し、正直、ストーリーがよくわからなくなる(40点)
人気覆面作家・舞城王太郎原案の本作は、さまざまなジャンルがごちゃ混ぜになった、名付けて胸キュン・ホラー・青春ムービー。美人だが、変わり者の理科系大学院生の杉奈は、お化けを作る研究に没頭中。そんな杉奈に一目惚れしたフツーの大学生・首藤は勇気を振り絞って告白、彼女から深夜の研究室に呼び出される。デートかと期待したのに、大きな木箱“ネックマシーン”に入れられて、実験台にされるハメに。その後、ホラー作家やその編集者が入り乱れて、お化けを作リ出す“ネック(首)プロジェクト”が始動する…。
◆美術館改築計画は市民団体の抵抗で頓挫、問題は解決されないまま先送りが決定され、さらに資金難や指導者の辞任にまで発展する。カメラはそんな予想外の展開にも“それもまた人間の営み”とばかりに客観的にレンズを向ける。(50点)
国立の美術館=市民の税金で賄われている以上、この映画を通じて美術館側は改修工事を公開して再オープン時の華々しい広報活動に利用しようと目論んでいたのだろう。監督もまた、さまざまな立場の人々がひとつの目標に向かって力を合わせ、難題を克服する過程を通じて理性の勝利を描きたかったに違いない。しかし、現実は予定調和的なハッピーエンドに向かってくれるほど甘くはない。計画は市民団体の抵抗で頓挫、問題は解決されないまま先送りだけが決定され、さらに資金難や指導者の辞任にまで発展する。カメラはそんな予想外の展開にも“それもまた人間の営み”とばかりに客観的にレンズを向ける。
◆もう一度世界を見つめ直した少年の心の旅。ファンタジーとリアルが絶妙にブレンドされている。(70点)
罪を犯して輪廻できない魂の“ぼく”に天使らしき存在のプラプラが話しかけた。「抽選に当たりました!」。自分が何の罪を犯したかを思い出せば、もう一度現世に戻ることができるという。自殺した14歳の少年“小林真(こばやしまこと)”の身体にホームステイした“ぼく”だったが…。
◆自分の知らない妻の内面(70点)
新品のパソコンを購入するのはいいものだ。トラブルも少なく、末永く付き合っていける。本来、それ以上の楽しみを知る必要はないのだが、何かの拍子に中古パソコンの魅力に取り付かれたら大変である。
◆いい原石、もっとよく磨いていたら(65点)
深夜のファミリーレストランにいくと、ドリンクバーで遊んでいる暇な若者をたまに見かける。普通の飲み物に飽きたのだろう、コーラとメロンソーダを混ぜてみたり、レモンを浮かべてみたりと斬新なオリジナルカクテル作りに夢中である。