ちょんまげぷりん - 福本次郎

◆仕事とはなにか、父親・母親の役割とはなにかという問いの答えを模索しつつ、映画は人生に本当に大切なものを探していく。江戸時代の侍が作るスイーツの数々がうっとりするほど美しく、その甘さが視覚を通じて伝わってくる。(60点)

 ピンと伸びた背筋、鋭い眼光と変わらない表情で、行儀の悪い子供を一喝し、男はやたら涙を見せぬものと諭す。そんな絵にかいたような古風な精神を持つ侍が現代の東京にタイムスリップし、変わり果てた江戸の風景に唖然としながらも、シングルマザーとその子供と触れ合ううちに次第に自分の生きる道を見つけていく。映画は、仕事とはなにか、父親・母親の役割とはなにかという問いの答えを模索しつつ、人生に本当に大切なものを探す。主人公が作るスイーツの数々がうっとりするほど美しく、その甘さが視覚を通じて伝わってくるようだ。

この映画の批評を読む »

Bubble/バブル - 渡まち子

◆2人の友情が惰性的で危ういものであることは誰の目にも明らかなのだが、マーサがこの偽りの“親友”に依存し執着しているという現実がリアルで怖い(60点)

 個性派監督ソダーバーグの原点を見るような低予算のインディペンデント映画で、孤独な人間に潜む狂気が冷徹な視点で描かれる。オハイオ州の小さな人形工場に務めるマーサとカイルは何となく友情で結ばれていた。カイルは、工場に新しく入ったシングルマザーのローズと親密になるが、それを知ったマーサは動揺する。ゆるく恒常的だった関係が壊れ始めた中、殺人事件が起こり、彼らの日常は崩壊していくのだが…。

この映画の批評を読む »

ザ・ホード 死霊の大群 - 渡まち子

◆映像は平坦で工夫に乏しい(50点)

 ゾンビものとフィルム・ノワールの組合せが、新しい味わいを生むフランス発のゾンビ映画。徹底したスプラッタ描写の連打に唖然とするが、ここまでやってくれると逆にすがすがしい。パリ北部。ギャング一味に同僚を惨殺された警官たちは、復讐を誓って、一味の潜伏する廃屋同然の高層ビルに乗り込む。だがギャングの返り討ちに遭い、瀕死の状態に。血みどろの銃撃戦に決着がつこうしたそのとき、血肉を求める大量のゾンビが襲撃してくる。警官とギャングたちはビルから脱出するために、やむを得ず手を組むことになるが…。

この映画の批評を読む »

ジェニファーズ・ボディ - 福本次郎

◆親友は大切、その裏腹に親友だからこそ相手を憎く思う、ティーンエージャーにありがちな繊細な心の揺れが甘酸っぱい。そんな学園青春ドラマと思いきや、物語は一転ホラーの様相を帯び、展開が予想できない驚きに満ちている。(50点)

 イケてる女子とサエない友人、ふたりは親友同士と誓い合っているのに実際の立場は一方的で、表面上の付き合い以上にお互いに対して複雑な想いを抱いている。「この子といれば私が目立つ」とばかりに連れまわす美女と、「内気な私と子供の時から遊んでくれた」という気持ちからいつも強引に押し切られてしまうメガネ女子。親友は大切、その裏腹に親友だからこそ相手を憎く思う、ティーンエージャーにありがちな繊細な心の揺れが甘酸っぱい。そんな学園青春ドラマと思いきや、物語は一転ホラーの様相を帯び、展開が予想できない驚きに満ちている。

この映画の批評を読む »

ソルト - 福本次郎

ソルト

◆北朝鮮での拷問、情報機関ビルからの脱出、トラックの屋根を飛び移っての逃走、厳重警備をかいくぐっての暗殺劇。物語は二転三転する一方、過激なアクションの連続で、ヒロインの行動原理が謎に満ちたまま最後まで突っ走る。(40点)

 どんなに追い詰められてもヒロインの強靭な心を支えているのは夫との愛。鋼鉄の意思と明晰な頭脳、そして卓越した身体能力であらゆる危機を乗り越える。北朝鮮での拷問、情報機関ビルからの脱出、トラックやトレーラーの屋根を飛び移っての逃走、厳重警備をかいくぐっての暗殺劇。二転三転する一方、過激なアクションと汗握るシーンの連続で、彼女の行動原理が謎に満ちたまま最後まで突っ走る。その来歴とスパイとしてのポテンシャルの高さは表現できているが、結局この物語を通じて何がしたかったのかよく理解できなかった。

この映画の批評を読む »

ちょんまげぷりん - 渡まち子

◆生活の描写にご都合主義のところはあるが、子育てと仕事の両立に奮闘するひろ子の生き方と、安兵衛が江戸から現代にやってくる不思議の理由が絶妙に重なる構成は上手い(60点)

 江戸から現代にやってきたお侍がお菓子作りに目覚めるというハートフル・コメディーには、現代人が忘れがちな“1本通った筋”がある。シングルマザーのひろ子は、息子の友也と二人暮し。ある日、侍姿でうずくまる木島安兵衛という男に出会う。安兵衛は江戸時代から現代の東京にやってきた侍だというのだ。驚き怪しみながらも、なりゆきで彼を居候させることになり、安兵衛はお礼として家事いっさいを引き受けることに。友也に対して叱るべきところは叱り、礼儀を教え、病気になれば必死に看病する安兵衛。3人は不思議な絆で結ばれていく。ある時、友也のためにプリンを作ったことから安兵衛はお菓子作りに目覚め、人気パティシエになって外で働くようになるが、3人のバランスが崩れ始める…。

この映画の批評を読む »

フェアウェル さらば、哀しみのスパイ - 渡まち子

◆ごく普通の人間がいつのまにか国家を揺るがす機密にかかわっていく過程がリアル(65点)

 20世紀最大級のスパイ事件の一つ“フェアウェル事件”をベースにしたサスペンス・ドラマは、祖国のためを思うからこそ国を裏切る、究極の自己犠牲だったとするスタンスが興味深い。1980年代初頭、KGBの幹部であるグリゴリエフ大佐は、技師ピエールを通して西側・フランスの国家保安局にソ連が入手した極秘情報を流す。それは世界のパワー・バランスを崩してしまうほどの破壊力を持つトップ・シークレットだった…。

この映画の批評を読む »

昆虫物語 みつばちハッチ~勇気のメロディ~ - 渡まち子

◆みつばちがいなくなる事態は一大事だが、人間の一方的な善意や過剰なエコロジーの風潮への、やんわりとした批判に感じた(55点)

 70年代に大人気だったTVアニメ「昆虫物語みなしごハッチ」の初の劇場版。生き別れた母親を探すみつばちを主人公に、勇気と希望というメッセージを分かりやすく描いている。スズメバチの襲来で連れ去られた母親を探すため、ひとりで旅を続けるみつばちの子ハッチ。森でさまざまな虫たちに出会うが、旅の途中で、人間が住む町・セピアタウンに迷いこんでしまう。そこでハッチは、なぜか虫と会話ができる少女・アミィと出会い、心を通わせるが…。

この映画の批評を読む »

ソルト - 佐々木貴之

ソルト

◆黒髪アンジーが魅せるアクションは実にカッコいい(70点)

 CIAの女性エージェントであるソルト(アンジェリーナ・ジョリー)は、何者かの罠によってロシアの二重スパイの容疑をかけられてしまう。自身の潔白を証明するべく逃亡を図ったソルトは、CIAからの追跡をかわしながらも真相究明に乗り出すのであった。

この映画の批評を読む »

借りぐらしのアリエッティ - スタッフ加納

借りぐらしのアリエッティ

© 2010GNDHDDTW

◆今の時代だからこそ、伝えたい事が描かれている(60点)

 この映画は、メアリー・ノートン作『床下の小人たち』を映画化した作品。人間が住む家の床下に暮らしている、小人達の物語が描かれています♪

この映画の批評を読む »

フェアウェル さらば、哀しみのスパイ - 福本次郎

◆疲弊した体制に嫌気がさした政府高官の、祖国を刷新させるために自ら捨て石となって国家を裏切る過程がリアリティたっぷりに描かれる。1980年代の歴史的変革は、こんな地味な人間の行為から生まれたことに驚嘆せざるを得ない。(50点)

 キャビネットに収められた書類や机の上に放置されたフォルダから最高機密を盗み出す。そこにはハリウッド作品でおなじみの手に汗握る緊張や大掛かりなアクションはなく、主人公はさりげなさを装って同僚の目をごまかそうとするだけ。物語は、疲弊した体制に嫌気がさした政府高官が、祖国を刷新させるために自ら捨て石となって国家を裏切る過程をリアリティたっぷりに描く。ここで語られるのは安易なヒロイズムなどではなく、息子の世代はもう少しましな世の中になってほしいという願い。1980年代の共産圏の崩壊は、こんな地味な人々の行動から生まれたことに驚嘆する。

この映画の批評を読む »

老人と海 ディレクターズ・カット版 - 福本次郎

◆沖縄のさらに南方、日本最西端の島で、漁業で生計を立てる老人の姿を追い、カジキマグロに対する執念を描く。ヤマ場の乏しい退屈な展開は都会から遠く離れた島で暮らす人々の、のんびりとした生き方を反映させているようだ。(40点)

 サバニと呼ばれる小さなボートで沖に出る年老いた漁師。自分で研いだ釣針と銛を積み込んで、早朝から夕方まで魚がかかるのを待つ。狙っているのは長く鋭い吻を持つカジキマグロ、だが40~50センチの小物しか獲れない。カメラは沖縄のさらに南方、日本の最西端に位置する島で、漁業で生計を立てる老人の姿を追い、彼のカジキマグロに対する執念を描く。静かな島の生活、若者が少ない活気のない漁港、ヤマ場の乏しい退屈な展開、それらはすべて都会から遠く離れた島で暮らす人々の、のんびりとした生き方を反映させているようだ。

この映画の批評を読む »

ソルト - 渡まち子

ソルト

◆アンジーの七変化が楽しめるスパイ・アクション。リアリティーはないがタフなヒロインの活躍は嬉しい。(55点)

 CIAの敏腕分析官イヴリン・ソルトは、何者かの企てによってロシアの二重スパイの嫌疑をかけられる。自分の無実をはらすため逃亡を図り、CIAの追跡をかわしながら陰謀の真相を探ろうとするが…。

この映画の批評を読む »

ゾンビランド - 佐々木貴之

◆クライマックスの夜の遊園地を舞台にしたアクションは、とにかく見応え抜群(80点)

 ルーベン・フライシャーがメガホンを取ったゾンビ・アクション・コメディー。

この映画の批評を読む »

ザ・ホード 死霊の大群 - 佐々木貴之

◆フランス映画で本格的なゾンビ、スプラッターは珍しいと言われているが、それ以上にここまで面白く仕上がったということが何よりもスゴい(75点)

 ヤニック・ダアンとバンジャマン・ロシェが共同で監督を務めたフランス製ゾンビホラー・アクション。両監督ともに本作がデビュー作となる。

この映画の批評を読む »

【おすすめサイト】