◆青春恋愛にしては、結構奥深い(60点)
2010年6月に出版された「私の優しくない先輩」を原作に描かれた、青春恋愛ストーリーです♪
◆2人の友情が惰性的で危ういものであることは誰の目にも明らかなのだが、マーサがこの偽りの“親友”に依存し執着しているという現実がリアルで怖い(60点)
個性派監督ソダーバーグの原点を見るような低予算のインディペンデント映画で、孤独な人間に潜む狂気が冷徹な視点で描かれる。オハイオ州の小さな人形工場に務めるマーサとカイルは何となく友情で結ばれていた。カイルは、工場に新しく入ったシングルマザーのローズと親密になるが、それを知ったマーサは動揺する。ゆるく恒常的だった関係が壊れ始めた中、殺人事件が起こり、彼らの日常は崩壊していくのだが…。
◆映像は平坦で工夫に乏しい(50点)
ゾンビものとフィルム・ノワールの組合せが、新しい味わいを生むフランス発のゾンビ映画。徹底したスプラッタ描写の連打に唖然とするが、ここまでやってくれると逆にすがすがしい。パリ北部。ギャング一味に同僚を惨殺された警官たちは、復讐を誓って、一味の潜伏する廃屋同然の高層ビルに乗り込む。だがギャングの返り討ちに遭い、瀕死の状態に。血みどろの銃撃戦に決着がつこうしたそのとき、血肉を求める大量のゾンビが襲撃してくる。警官とギャングたちはビルから脱出するために、やむを得ず手を組むことになるが…。
◆今の時代だからこそ、伝えたい事が描かれている(60点)
この映画は、メアリー・ノートン作『床下の小人たち』を映画化した作品。人間が住む家の床下に暮らしている、小人達の物語が描かれています♪
◆フランス映画で本格的なゾンビ、スプラッターは珍しいと言われているが、それ以上にここまで面白く仕上がったということが何よりもスゴい(75点)
ヤニック・ダアンとバンジャマン・ロシェが共同で監督を務めたフランス製ゾンビホラー・アクション。両監督ともに本作がデビュー作となる。
◆不治の病のヒロインが想いを実らせようとする手垢のついたパターンに、キャラの濃いコメディアンで意外性を出そうとする。「生きる」とは他人と関わり相手の嫌なところを受け入れ己をさらけ出すこと、という主張は素晴らしい。(40点)
憧れの男子に心ときめかせる少女が頭の中に描く世界は、3センチ浮いているような地に足のつかない感覚に満ち、そこにいる間だけは幸せな気分に浸っていられる。だが、なぜかいつも臭くてウザい先輩に付きまとわれて現実に引き戻されてしまう。映画は、不治の病に冒されたヒロインが残り短い時間の中で想いを実らせようとする手垢のついたパターンから脱却するために、キャラの濃いコメディアンを使って意外性を出そうとする。「生きる」とは他人と関わり相手の嫌なところを受け入れ己をさらけ出すこと、という主張は素晴らしいのだが、伝わってきたのは暑苦しさだけだった。
◆とりあえずポップな青春映画として楽しんでほしい(50点)
主人公の自意識や妄想を過剰な演出で描く、いわゆるセカイ系青春映画は、アニメーション出身の監督のカラーが色濃く出ている。都会から小さな島に引っ越してきた女子高生のヤマコは、憧れの南先輩を遠くからみつめるだけで幸せ。告白もできずに妄想ばかりが膨らんでいたが、ずっと渡せずにいたラブレターの存在を、天敵の不破先輩に知られてしまう。おせっかいな不破先輩は無理やりヤマコの告白計画を打ち立て“夏祭りたこ焼き大作戦”がスタートすることに。地味な同級生のキクコをも巻き込んで、次第にその気になるヤマコだったが…。
◆若い主人公が信頼できる仲間とともに冒険を続けるという、ありきたりな成長物語であるにもかかわらず、へんてこりんなカンフー映画を見た気分。しかし、その珍妙さもこれほどまで極めれば高尚なジョークように感じられる。(40点)
中国武術の達人のごとき流麗な体術で気を操る少年が、乱れた世界を正すために運命を受け入れる。その他にも土を操る部族や水を操る部族もなぜかその動きは中国風。彼らが一団となって修行に励む様は、少林寺を舞台にした数々の映画を彷彿させる。また、武装した軍団同士が激突する戦闘シーンでは、干戈を交えるものの血や肉が飛び散るリアルな残酷さとは程遠く、ほとんど死人が出ない。そもそも物語の世界観が曖昧で、若い主人公が信頼できる仲間とともに冒険を続けるうちに使命に目覚めるという、ある意味ありきたりな成長物語であるにもかかわらず、へんてこりんなカンフー映画を見た気分になる。しかし、その珍妙さもこれほどまで極めれば高尚なジョークように感じられ、結果として不思議な味わいを残す作品となった。
◆小人という、閉じられた世界の住人が人間と出会った時の恐れと驚き、そして心の交流を通じて、“信じること”とは何かを問う。サイズは人間の1/10以下なのに日々の生活は人間とかわらない、そんな彼らの日常に親しみを覚える。(50点)
床下から壁の隙間に入り、釘の階段を登ってロープを伝い食器棚の裏にある秘密の扉からキッチンに入る。ありふれた古い家の内部を動き回るのは小人たちにはスリルに満ちた大冒険。特に好奇心旺盛な少女にとって、人間の暮らしは刺激にあふれ目にするモノすべてが新しい。映画は閉じられた世界の住人が外界の人間と出会った時の恐れと驚き、そして心の交流を通じて、“信じること”とは何かを問う。サイズは人間の1/10以下なのに日々の生活は人間とかわらず、妖精のように空を飛べるわけでもなく魔法を使えるわけでもない、そんな彼らの日常に親しみを覚える。
◆思わせぶりな登場人物を配しているだけで、人間描写に深みはない(45点)
アガサ・クリスティーらしい華麗なムードのミステリーだが、謎解きの快感やスリルより、犯罪の裏側にある複雑な愛憎劇が主流の物語だ。フランスの小さな村にある上院議員夫妻の邸宅に9人の男女が集まる。そのパーティには、何人もの女性と関係を持つ精神分析医のピエールと、その妻クレールが招待されていた。そこにピエールの現在の愛人や過去の火遊びの相手、復縁を迫る元恋人らが加わり、パーティの場は独特の緊張感が走る。翌日、一発の銃声が。プールサイドには撃たれて血を流すピエールと放心状態のクレールの姿があった…。
◆主人公の年齢が29歳というビミョーなところが上手い(50点)
夢に向かってゆる~く頑張る若者の姿がリアルだ。気合は感じないが譲れない一線があるところがいい。マンガ家を目指して故郷の大阪から無計画に上京した29歳の聡。なんとかみつけたおんぼろアパートで、クセのある住人たちとともに、貧しくも楽しい生活が始まった。だが唯一連載していた雑誌が休刊に。ただの無職の男になって途方にくれる聡は、仕事が上手くいかず大阪に戻ろうかと悩むが、その矢先に父親がガンで入院したことを知る…。
◆若さゆえの無謀と情熱を感じる青春映画(50点)
人気俳優の小栗旬の初監督作品は、彼の人脈をいかしたキャストのイキの良さが伝わる青春ムービーだ。過去の悪ふざけのツケで目標のない毎日を生きている若者たちが、冴えない人生を変えようと暴走する。タクミら5人の高校生は、バンドを組み文化祭に向けて練習していたのに、文化祭が中止になると知り激怒。抗議するために狂言の爆破事件を予告するが、手違いで本当に爆発が起きてしまう。それから3年、学校を退学になった彼らは、自分たちが起こした事件が引き金で、親しかった人の人生が大きく狂ってしまったことを知る…。
◆とりあえず物語の続きを待つしかない(50点)
良くも悪くも観客を翻弄するシャマラン監督の新作だが、なんと物語半ばでプツリと終わる。これでは映画の評価は難しいのだが、とりあえずは、シャマランがストーリーより映像に重きを置いた点は注目したい。有史以前、気・水・土・火の4つの王国が均衡を保つ世界。各国にはそれぞれ4つのエレメントを操る“ベンダー”がいた。だが火の国が反乱を起こし世界を征服する力を得ようとして争いが起こる。4つのエレメントすべてを操ることができる“アバター”である、気の国のエアベンダー・アンに、世界の希望が託されるが…。
◆鬱積したエネルギーを爆発させるようなテンションと躍動感がスクリーンを彩り、荒削りでパワフルな映像は小栗旬の熱き感性がほとばしる。目標なく生きる若者たちが仲間に対する信頼を再構築していく姿は熱い一方でほろ苦い。(60点)
若気の至りで高校中退、青春を棒に振った若者たちが失われた時間を取り返すかのように疾走する。大金強奪事件に偶然遭遇してしまった彼らが、ヤクザに追われ謎の女の消息をたどるうちに、明かされていく子供時代の強烈な思い出と3年前の後悔。映画は鬱積したエネルギーを爆発させるかのごときテンションと躍動感でスクリーンを彩り、荒削りながらもパワフルな映像からは小栗旬の熱き感性がほとばしる。失うものがない者の強さと、まだまだ走ることができる喜び、目標なく生きる彼らがそれらを最大の武器にして暴れまわる中で仲間に対する信頼を再構築していく姿は熱い一方でほろ苦い。
◆いかに残酷に倒しまくるかを競うかつてのゾンビ映画と比較して、ゾンビに素手の格闘を挑むところが目新しい。ゾンビ相手に洗練されたマーシャルアーツを見せる登場人物の身のこなしには、格闘ゲームのような爽快感を覚える。(50点)
十数発の銃弾を撃ち込んでもひるまないゾンビに対して、パンチやキックを見舞った上に関節技で首をへし折ろうとする。いかに残酷に倒しまくるかを競うかつてのゾンビ映画と比較して、ゾンビに素手の格闘を挑むところが目新しい。ゾンビたちも昔ながらの動きの鈍い種族とは違い、格闘技こそ身につけていないもののいくら殴られても蹴られてもすぐに反撃する打たれ強さと敏捷さを発揮する。対ゾンビ戦法としては無駄の多い闘い方だが、数体のゾンビ相手に洗練されたマーシャルアーツを見せるギャングの用心棒や女刑事の身のこなしには、格闘ゲームのような爽快感を覚える。