ザ・コーヴ - 渡まち子

◆主張の偏りはまだしも、事実の曲解はいかがなものか(40点)

 ときどき、映画好きを沈黙させ、映画にはさして関心はないが社会問題に過剰に反応する人々の声をはりあげさせる作品にお目にかかるが、本作はまさにそれである。喧々諤々とした7月3日の日本初公開から1ヶ月余りが過ぎたが、騒がしかったのは最初だけで、その後はあっさりと夏休み大作映画の嵐に吹き飛ばされてしまった格好だ。日本の食文化に一方的に噛み付く内容に、観客の頭には「おおきなお世話だ」との思いがよぎったに違いない。

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ザ・コーヴ - 山口拓朗

◆本作ほど作り手の目論み通りに仕上がったドキュメンタリーも珍しい(80点)

 アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞し、日本では上映中止問題で話題となった「ザ・コーヴ」。和歌山県太地町のイルカ漁に反対するクルーが撮
影したドキュメンタリーだ。

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シスタースマイル ドミニクの歌 - 渡まち子

◆歌を愛する気持ちは本物だろうが、実際のところジャニーヌが本当に何をしたかったのかはあまり見えてこなかった(50点)

 60年代に誕生し今でも愛される名曲「ドミニク」を作って歌った女性ジャニーヌ・デッケルスを描くが、彼女の生き方と顛末は、自由の意味を考えさせられる。1950年代終わりのベルギー。生き方を模索するジャニーヌは、ギターを手に修道院に入る。厳格な規律に反発しながら大好きな音楽の才能に導かれるように、修道会の聖人ドミニコを讃える歌「ドミニク」を作詞作曲する。美しい歌声とメロディーは評判を呼び、彼女は「シスタースマイル」としてレコードデビューを果たして一躍スターになるのだが…。

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ザ・コーヴ - 福本次郎

◆深夜、立ち入り禁止区域に高価な機材を密かに運び込み、ペンライトだけを頼りに、岩に偽装したカメラやマイクを仕掛けていく。その様子をサーモカメラでとらえたシーンはサスペンスに満ち溢れ、スパイ映画を見ているようだ。(60点)

 住民が寝静まった深夜、尾行に注意を払いながらミニバンを走らせ、フェンスを乗り越え立ち入り禁止の入り江に潜入する撮影クルー。特注した高価な機材を密かに運び込み、ペンライトだけを頼りに、岩に偽装したカメラやマイクを仕掛けていく。その様子をサーモカメラでとらえたシーンはサスペンスに満ち溢れ、スパイ映画を見ているかのよう。隠し撮りをする過程を記録する行為がこれほどまでにスリリングとは思わなかった。米国的な「正義の押し売り」的な方法論は別にして、地元漁師をすべて敵に回したスタッフが監視の目をかいくぐって“真実”を告発しようとする姿勢はあくまで戦闘的で、危険を顧みない勇気と行動力は称賛に値する。

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ガールフレンド・エクスペリエンス - 渡まち子

◆ヒロインは、セックスだけでなく恋人としての役割をもこなしていることから、充実した癒しの時間を売っているとも言える(60点)

 大都会NYで暮らす高級エスコート嬢の日々を、ドキュメンタリータッチで綴る異色作だ。スタイリッシュな映像で、ヒロインの繊細な感情を浮き彫りにしていく。2008年のNY。22歳のチェルシーは、エリートを相手に本物の恋人と過ごすような時間を提供して大金を稼いでいる。常に自分を磨きビジネスもコントロールするチェルシーは、自分の仕事を理解する恋人のクリスとの関係も良好だ。だがある時、心惹かれる男性客が現れて特別な感情を持ってしまう…。

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ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い - 福本次郎

ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

© 2009 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

◆泥酔した挙句しでかしたのは冗談で済まされることなのか、それとも命が狙われるような致命的な失敗なのか。コメディタッチの中にも時折リアルな暴力を盛り込んで、笑うのが後ろめたいという不思議な感覚を味あわせてくれる。(60点)

 泥酔し、二日酔いの頭痛をかかえたまま朝目覚めると、あるべきものが消えていてないべきものが存在する。何が起きたのかまったく覚えておらず、状況を解明するために残された手がかりを集め、失われた記憶の断片を手繰り寄せる。自分たちがしでかしたのは冗談で済まされるのか、それとも命が狙われるような致命的な失敗なのか、映画はコメディタッチの中にも時折リアルな暴力を盛り込んで、本来笑うべきシーンに不吉な予感を漂わせ、腹の底から笑うのが後ろめたいという不思議な感覚を味あわせてくれる。

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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! - 前田有一

踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

© 2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

◆苦労がうかがえるが、これで満足しろというのは厳しい(45点)

 『踊る大捜査線 THE MOVIE』のような特別なブロックバスターは、いわば邦画ビジネスの頂点に位置する存在としてあらゆる人々の目を「映画」に向ける重要な役割を担っている。これをきっかけに人々は久々に映画館へと足を運び、そこでさまざまな宣材、予告編、あるいは映画館独特のムードに触れる。そして「次はあれを見に行ってみるか」と感じてくれるのである。そうやってビジネスの裾野が広がる。この流れはどこの国でも同じだ。

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ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い - 前田有一

ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

© 2009 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

◆高度な計算で作られたコメディ作品(75点)

 徹底的に練りこまれた脚本のコメディ、しかもお馬鹿お下劣系のそれというのは、日本ではあまりなじみがない。客の入らぬ映画を上映しても仕方がないのでビデオスルーになりかけたってのもわからぬでもないが、そうした作品の中にこそ掘り出し物があるわけだ。とくに『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』は、ゴールデングローブ賞受賞など、本国で評価が定まった手堅い一品であり、「本当によくできた映画をみたな」と感じたい方には、今週真っ先にすすめたい一本である。

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ガールフレンド・エクスペリエンス - 山口拓朗

◆持ち前の美貌やスタイルにおごることなく、完璧なサービスを追求するプロフェッショナルな姿勢には脱帽せざるを得ない(75点)

 「セックスと嘘とビデオテープ」(1989年)、「トラフィック」(2000年)、「オーシャンズ11」(2001年)シリーズ、「インフォーマント!」(2009年)などでおなじみのスティーヴン・ソダーバーグ監督が、主演に人気No.1ポルノ女優サーシャ・グレイを大抜擢した本作「ガールフレンド・エクスペリエンス」は、顧客に「恋人のようなひととき」を提供する高級エスコート嬢の日常を描いた物語だ。

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ロストクライム -閃光- - 福本次郎

◆老刑事の執念と血気にはやる若い刑事のコンビが3億円事件の真実を明かそうとする過程で権力の闇に行きあたる姿を通じて、正義とは何かを問う。しかし、壮大な構想の割にはミステリーとしてのツメが甘く、消化不良感が残る。(40点)

 時効により迷宮入りしてしまった3億円事件。その重要参考人と目された男の他殺体が川に浮かんでいたことから、事件は再び息を吹き返す。老刑事の執念と血気にはやる若い刑事のコンビが真実を明かそうとする過程で巨大な権力の闇に行きあたる姿を通じて、正義とは何かを問う。しかし、壮大な構想の割にはミステリーとしてのツメが甘く、点と点を結ぶ糸がとぎれとぎれになってしまい、途中をはしょられて結果だけを見せられたような消化不良感が残る。

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アデル ファラオと復活の秘薬 - 福本次郎

◆さまざまなトラップが施されたファラオの墓で、裏切り者を始末し横取りしようとする悪党を出し抜くヒロイン。抜群の行動力と胆力・鼻柱の強さを持つ彼女に次から次へと危機が襲いかかり、間一髪で難を逃れる姿は手に汗を握る。(40点)

 さまざまなトラップが施されたファラオの墓から医師のミイラを持ち出そうとするヒロイン。仕掛けを見抜き、裏切り者を始末し、横取りしようとする悪党を出し抜く。抜群の行動力と胆力・鼻柱の強さを持つ彼女に次から次へと危機が襲いかかり、間一髪で難を逃れる姿は手に汗を握る。そんな導入部に、血沸き肉躍る冒険が彼女を待ち受けているのかと期待するが、舞台をパリに移すと急にトーンダウン。作り手はエスプリを効かせているつもりなのだろうが、まったくセンスが合わないコメディを延々と見せられるハメになる。

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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! - 福本次郎

踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

© 2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

◆2時間余りの上映時間に収まりきれないほどの雑多な要素を凝縮する反面、主人公の思いは独白で、感情は音楽で丁寧に解説し、普段バラエティ番組しか見ない観客層をもてなすかのようなかゆい所に手が届くサービス精神を見せる。(50点)

 圧倒的な物量作戦と人海戦術、カネと手間を惜しみなく掛けた壮大な映像と次から次へと迫る危機、そして階級と命令系統が複雑に入り組んだ人間関係の中で繰り広げられる葛藤とジレンマ。2時間余りの上映時間に収まりきれないほどの雑多な要素を凝縮する反面、主人公の思いは独白で、感情は音楽で丁寧に解説し、普段バラエティ番組しか見ない観客層をもてなすかのようなかゆい所に手が届くサービス精神を見せる。ただ、あらゆる表現が過剰で、その押しつけがましさは織田祐二の熱演以上に暑苦しい。

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ガールフレンド・エクスペリエンス - 福本次郎

◆セックスを伴う1対1のサービスを提供するエスコート嬢にとって、自分の判断・行動はすべて収入という結果に結び付く真剣勝負。映画は、「売春婦」という非合法な職業でありながら、プロとして強烈な向上心をもつ彼女の数日を追う。(50点)

 顧客の要望を満たすだけでなく、何を欲しているかを素早く読み取り、期待に応える。セックスを伴う1対1のサービスを提供するエスコート嬢にとって、自分の判断・行動はすべて評価に結び付く真剣勝負、それは収入という結果に表れる。シビアな世界でトップクラスの売り上げを誇るヒロインの日常は、刺激的であると同時に魅力的でもあるが、カネに溺れるような雰囲気とはほど遠い。冷静に自己を見つめ、商品価値を高めるための投資や努力も怠らない。映画は、「売春婦」というある種後ろめたい職業でありながら、プロとして強烈な向上心をもつ彼女の数日を追う。

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ロストクライム -閃光- - 渡まち子

◆当時の時代背景と警察組織内のタブーをえぐりながら進んでいく(60点)

 昭和最大の未解決事件を追う刑事が、巨大でどす黒い闇の中に、その執念ごと呑みこまれるクライム・サスペンスだ。異様な犯罪は、過去と現代を揺るぎなく結びつけ、関わった人間を呪縛する。出世を夢見る若手刑事の片桐と、定年間近のベテラン刑事の滝口は、ある殺人事件でコンビを組むことに。傍若無人な滝口の振る舞いに困惑しながらも、その事件の被害者が三億円事件の犯人グループの一人と分かったことから、恐るべき真相に辿り着く。と同時に二人は、警察組織の中の陰謀に係る闇へと引きずり込まれていくことになるが…。

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アデル ファラオと復活の秘薬 - 渡まち子

◆フランスの国民的人気コミック「アデル・ブラン=セック」シリーズの実写映画化だが、ハリウッド映画ばりの冒険アクションと、フランス映画らしいおしゃれなセンスが効いている(60点)

 良くも悪くも仏映画をエネルギッシュにしているのがリュック・ベッソンだが、本作はヒロイン・アドベンチャーでたっぷり楽しませるエンタメ映画になった。1911年のパリ。世界中の不思議を追う美人ジャーナリストのアデルは、仮死状態の妹を救うため、エジプト王家に伝わる復活の秘薬を入手すべく王家の谷にいた。ピンチを切り抜けてパリに戻ってみると、そこでは、翼竜・プテロダクティルスが孵化し、人々を襲うという事件が勃発、街は大騒ぎになっていて…。

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