◆クライマックスとなるユニオン社内での至近戦は、バイオレンス・アクションファンがヨダレを垂らすであろう壮絶さ(65点)
舞台は近未来のニューヨーク。世の中には人工臓器が普及し、誰もが「お金さえ払えば」人工臓器を装着することができる。心臓や腎臓、肝臓あたりまでかと思えば、人工臓器メーカーのユニオン社は、眼球や鼓膜、膀胱、関節までラインアップしている。なかには、体のありとあらゆる臓器を人工臓器に替えている強者も。それほど高度な医療技術をもつ医師がどれだけいるのか? 臓器移植による拒絶反応はないのか? そんな疑問に答える気などさらさらなく、映画は人工臓器ビジネスがスタンダード化した世界を描く。
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◆いかにも今どきのアメリカ向き映画(70点)
人工臓器の回収人という、素っ頓狂な設定が楽しい『レポゼッション・メン』は、いかにもいまどきのアメリカ人向きブラックジョークに満ちたSF映画だ。
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◆持って生まれた心臓には宿っていない情けという気持ちが、金属の心臓には備わっていた皮肉。映画は主人公の心境の変化と、彼に降りかかる危険を振り払う過程を通じて、人格を損なわずに心を入れ替えることが可能かを問う。(50点)
“heart”とは、体に血液を循環させる臓器であると同時に喜怒哀楽や善悪愛憎といった感情の拠り所。職務上の任務であれば冷酷に徹していた主人公が、人工心臓を移植されると人の命を奪えなくなる。持って生まれた心臓には宿っていない情けという気持ちが、金属の心臓には備わっていた皮肉。映画はそんな男の心境の変化と、彼に降りかかる危険を振り払いつつ真実に近づいていく過程を通じて、肉体の機能は機械に代替させると同時に、人格を損なわずに心を入れ替えることも可能なのかを問う。しかし、歪んだ世界では正義や良識が排除の対象になるのだ。
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◆高額商品を売っては儲ける企業の企みとは別に、臓器レベルで自分の身体や能力をコーディネートするセンスは人類の未来志向を示唆していて面白い(60点)
人工臓器によって長寿を“買う”人類の欲望に手痛いしっぺ返しをクラわせる異色SFだが、終盤にどんでん返しが用意されていてる。近未来、人工臓器によって健康と延命が可能になった世界。ユニオン社は、ローンの返済が滞るとレポゼッション・メンという臓器回収人を送り、強制的に人工臓器を取り立てていた。生きたまま回収するその作業は、債務者にとっては死を意味する。腕利きの回収人・レミーは、ある出来事によってユニオン社の最高額商品である人工心臓を埋め込まれ、多額の借金を背負い、回収する側からされる側に。これは誰かの罠なのか、ユニオン社の陰謀か。謎の女性債務者ベスと共に真実を探ろうとするが…。
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◆ユニークな近未来の世界観と、粋な演出を楽しもう(75点)
人工臓器が爆発的に普及した近未来。高額の人工臓器をキャッシュで買える者はいいが、そうでない者は高利のローンを組まされる。支払いが滞ると、やって来るのが回収屋=レポゼッション・メン(レポメン)だ。車や宝飾品なら話は簡単だが、人工臓器はどのようにして“回収”するのか? 強力なティーザー(スタンガン)で相手を気絶させ、メスを使って摘出するのである。相手が死んでしまうって? そんなこと、レポメンの知ったことではない。
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◆ローン返済遅滞による取立ては、サラ金取立て以上にハードな残酷さが感じられる(75点)
エリック・ガルシアの原作を映像化したSFサスペンス・アクションで監督は、ミゲル・サポチニク。
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