◆愛しているはずなのに、ぎこちない接し方をしてしまう父親。胸の内をうまく伝えられず父親を誤解する息子。映画は、青空に陽光が降り注ぐ南国の明るい風土とは裏腹に、出自を知ってしまった少年の苦悩を拗ねた視線で表現する。(50点)
わが子として愛しているはずなのに、どこかぎこちない接し方をしてしまう。言いつけを守らないときはつい暴力をふるう。そんな、反抗期をむかえた息子の扱いに悩む父親の姿がリアルだ。一方の息子も、胸の内をうまく伝えられず父親を誤解してしまう。そしてすれ違いを繰り返し、お互いの心情に鈍感な父と息子がついに決定的な衝突をしてしまう。映画は、青空に陽光が降り注ぐ南国の明るい風土とは裏腹に、出自を知ってしまった少年の苦悩を拗ねた視線で表現する。その、いつか親に見捨てられるのではないかという、押しつぶされるような切迫感は、戦争で日本に見捨てられて米国の領土となった沖縄の記憶に刻まれた悔しさに起因しているのか。
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© 2010 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
◆実際にあるとしたら、一度は体験してみたいかも!?(85点)
「ダークナイト」などを手掛けた、クリストファー・ノーラン監督・脚本・製作で、10年程前から、構想を練って完成された作品だそうです。
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◆いろいろあった末に「こんにちは」と挨拶を交わす2人の表情が最高だ(65点)
道化師が本業のアベルとゴードン、ロミーの長編第2作は、不幸の連打にもメゲず、愛に生きる夫婦の物語だ。ダンス好きの教師夫妻、ドムとフィオナは幸せなカップル。ダンス大会で優勝した帰り道、自殺願望のある男のせいで車が事故を起こしてしまい、フィオナは片足を失いドムは記憶を失くす。その後、職場をクビになり、家は全焼。パンを買いに行ったドムは暴漢に襲われるが見知らぬ男に助けられ、ドーナツ屋を手伝うことに。一方、フィオナはドムが死んだと勘違いしてしまう。はたして2人は再び巡り会い、愛を取り戻すことができるのか…。
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◆何しろ身体を張ったギャグがすさまじく、その激しい動きは前衛舞踏のようにさえ見える(65点)
サイレント映画を思わせる、アナログ感満載の奇妙なコメディーは、アベルとゴードンのカップルによる監督・主演映画で、彼らの個性が炸裂している。ベルギー・ブリュッセル近郊に住む主婦のフィオナは、不注意から勤務先のハンバーガーショップの冷凍室に閉じ込められてしまう。翌朝、九死に一生を得て救いだされた時、フィオナはなぜか氷への愛に目覚めていた。自分の不在にさえ気付かない夫ジュリアンや子供たちを捨てて、仏の港町バルフルールに到着し、小舟タイタニック号の船長で寡黙なルネと共に、氷山を目指すのだが…。
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◆「ミックは計画的で、俺は朝起きて考える」とのキースの言葉が印象的(50点)
生ける伝説のロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズのアルバム「メイン・ストリートのならず者」の製作現場に密着した音楽ドキュメンタリー。南仏で行われたストーンズの曲作りと私生活、ライブなどを、貴重な写真と映像、インタビューで描いている。
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トルソ - 渡まち子
◆生身の男性にカメラが向かない分、ヒロコが大切にするトルソは繰り返し描かれるのが面白い(55点)
対照的な姉妹の再生を描く人間ドラマは、女性心理の深くてイタいところを突いている。アパレル業界で働く30代半ばのOLヒロコは、化粧もせず携帯も持たず同僚から合コンに誘われても断り続ける地味な女性だ。彼女は、顔や手足がない男性の身体の形をした“トルソ”という人形を恋人のように大切にして暮らしている。そんな彼女のマンションに、父親が違う妹のミナが恋人の暴力と浮気に耐えかねたと言いながら、強引に転がり込んでくる。図らずも共同生活をすることになった姉妹は、やがて少しずつ変化していくのだが…。
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ソルト - スタッフ加納
◆綺麗でセクシーなアンジーに見惚れました(70点)
本作は、今世界で大人気の女優:アンジェリーナ・ジョリー(愛称:アンジー)が主演するアクション・サスペンス・ムービーです。
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◆道化師のキャリアを活かしたパントマイム風のギャグが最大の魅力(70点)
ベルギー出身の道化師カップル、ドミニク・アベル&フィオナ・ゴードンが主演し、ブルーノ・ロミと三人で監督、脚本を務めた長編第二弾。
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◆主張の偏りはまだしも、事実の曲解はいかがなものか(40点)
ときどき、映画好きを沈黙させ、映画にはさして関心はないが社会問題に過剰に反応する人々の声をはりあげさせる作品にお目にかかるが、本作はまさにそれである。喧々諤々とした7月3日の日本初公開から1ヶ月余りが過ぎたが、騒がしかったのは最初だけで、その後はあっさりと夏休み大作映画の嵐に吹き飛ばされてしまった格好だ。日本の食文化に一方的に噛み付く内容に、観客の頭には「おおきなお世話だ」との思いがよぎったに違いない。
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© 2010 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
◆クリストファー・ノーランの新しいコンセプト(80点)
『ダークナイト』で『タイタニック』に迫る興行成績を叩きだした映画監督クリストファー・ノーラン。彼の手掛ける『バットマン』シリーズの続編が期待される中、レオナルド・ディカプリオ主演のSFアクション映画『インセプション(原題:INCEPTION)』が先に世に送り出された。『メメント』から始まったノーランの伝説。明晰夢にインスパイアされた本作もまた彼ならではの感覚を刺激する作品。1億6千万ドルという巨額な制作費を投じた本作にわたしたちの常識は覆されるばかりだ。
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◆本作ほど作り手の目論み通りに仕上がったドキュメンタリーも珍しい(80点)
アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞し、日本では上映中止問題で話題となった「ザ・コーヴ」。和歌山県太地町のイルカ漁に反対するクルーが撮
影したドキュメンタリーだ。
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ソルト - 小梶勝男
◆アンジェリーナ・ジョリー主演のスパイ・アクション。ストーリーは荒唐無稽だが、それが気にならないほどのスピード感は見事。ジョリーはどのシーンでも魅力的だ(74点)
近頃、ロシアの美人スパイが逮捕されて話題になったが、現実の(恐らく)地味な諜報活動とはまるで無関係な、ド派手なスパイ・アクションである。
アンジェリーナ・ジョリーが、走り、飛び、格闘し、銃を撃つ。全編、アクションが全く止まらない。この疾走感は実に見事だ。
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◆青春恋愛にしては、結構奥深い(60点)
2010年6月に出版された「私の優しくない先輩」を原作に描かれた、青春恋愛ストーリーです♪
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◆寡黙なこの内容は、作品としての強さはないのだが見終わった後に余韻となる(50点)
やがて消えてゆくであろう美しい場所を巡る静かなドキュメンタリーだ。ナレーションやBGMを排除した作りは、一般観客に訴える力は削がれているものの、その分、作り手の“本気”を感じる。気候変動による悪影響を直接受ける、南太平洋のツバル、イタリアのベネチア、アラスカのシシマレフ島を舞台に、そこで暮らす人々、とりわけ子供たちにスポットをあてながら、今やグローバルな懸案事項になっている地球温暖化という問題を無言で訴えていく。
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◆“パラレルライフ”という強引な理論をテーマにするのはよいのだが、説得力を持たせるディテールに乏しく、謎が謎を呼ぶような展開になっていない。もう少し緻密な構成で脚本を組み立てないと、この手のサスペンスは苦しい。(40点)
リンカーンとケネディ、2人の米国大統領の経歴と死亡状況の共通点から、映画は見る者を“パラレルライフ”に導こうとする。そして現在、殺人犯として取り調べを受ける老教授もまたその存在を数学的に証明しようとする。強引な理論をテーマにするのはよいのだが、この作品は説得力を持たせるディテールに乏しく、謎が謎を呼ぶような展開にしたつもりなのだろうが、結局辻褄が合わずストーリーが破たんしている。もう少しリンカーン=ケネディ以外にも例をあげ、緻密な構成で脚本を組み立てないとこの手のサスペンスは成立しない。
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