ハロウィンII - 渡まち子

◆あまりの流血シーンの連打に、見ていてぐったりと疲れる(45点)

 ヘヴィ・ロック・ミュージシャンが本業のロブ・ゾンビがスプラッタ映画「ハロウィン」をリメークして思いがけず好評だったが、本作はその続編で、主人公の殺人鬼マイケル・マイヤーズの妹ローリーが中心の物語だ。どこか幻想的なタッチで、時折ミュージック・ビデオのようにも見える。ハロウィンが近くなり、不気味な夢を見るようになったローリー。彼女はマイヤーズ家で唯一の生き残りだったが、そうとは知らずにストロード家に引き取られ幸せな生活を送っていた。そんな時、売名行為に走るルーミス医師の本が発売され、自分が殺人鬼マイケル・マイヤーズの妹だと知ってショックを受ける。思わず家を飛び出したローリーだったが、時を同じくして精神病院から脱走したマイケルが再び殺戮行為を繰りひろげていた…。

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ダブル・ミッション - 小梶勝男

◆ジャッキー・チェンのアクションは過激さがなくなった代わり、名人芸の域に達している。軽めのコメディーだが、熟練の技を堪能出来る。(67点)

 ジャッキー・チェンのハリウッド進出30周年記念映画。内容も、それにふさわしく、冒頭、主人公のこれまでの活躍を紹介するのに、ジャッキーの過去作品のダイジェストを使うなど、様々な作品にオマージュを捧げている。

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ザ・ウォーカー - 前田有一

◆今のアメリカを象徴するようなストーリー(75点)

 『ザ・ウォーカー』は、オープニングの狩りのシーンからどこか腰のすわりの悪さを感じる不穏なつくりの映画である。だがそれは巧妙に仕掛けられた伏線であることが、そのうち観客にもわかる。さらにストーリーにはあらゆる比喩が含まれており、現代社会に生きるアメリカ人に対する重要なメッセージや皮肉も込められている。

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闇の列車、光の旅 - 前田有一

◆至福のラストシーン(65点)

 近くに豊かな国があれば放っておいても……というより、たとえ禁止しても隣国の貧しい人々が殺到する。あらゆる豊かな国は、そうした不法移民をどう食い止めるかに日々悩まされている。「豊かな」宗主国にむりやり強制連行された、なんて主張する人もたまにはいるが、これは世界史の常識である。

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ザ・ウォーカー - 福本次郎

◆失われた文明、崩壊した都市、荒廃した人心。色彩をなくした地上を歩く男が大切に運ぶのは「本」という名の希望。濃淡を強調したメタリックな映像は理性の喪失を象徴し、手を血で染めなければならない彼の苦悩を表現する。(40点)

 容赦なく照りつける太陽と砂漠を横断する一本道。失われた文明、崩壊した都市、荒廃した人心、色彩をなくした地上をひたすら歩く男が大切に抱えているのは「本」という名の希望。弱い者は常に餌食にされ命を落としていく暴力が横行する世界、主人公は圧倒的な剣さばきと銃器爆弾の扱いで悪党どもをぶち殺していく。濃淡を強調したメタリックな映像は理性の喪失を象徴し、降りかかる火の粉を払うためには手を血で染めなければならない彼の苦悩を表現しようとするが、変に凝った絵作りをして意味深長に見せるよりB級アクションに徹したほうが面白くなっただろう。

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ソフトボーイ - 福本次郎

ソフトボーイ

© 2010「ソフトボーイ」製作委員会

◆「やってみんとわからん!」と、心に浮かんだことにチャレンジする高校生。ソフトボールチームを作るプロジェクトを立ち上げ、周囲を説得し、仲間を募り、志を共にして戦いに臨む。映画はそんな友情と熱血の物語をコミカルに描く。(40点)

 「やってみんとわからん!」と、心に浮かんだことはなんでもチャレンジしようとする高校生。この主人公の根拠なき自信とへこたれない精神力、物おじしない突破力はまさに青春モノの王道だ。小さな田舎町で、簡単にヒーローになりたいと願う彼が、短絡的思考の果てにたどりついたのは競技人口ゼロのスポーツで全国大会を目指すというもの。プロジェクトを立ち上げ、周囲を説得し、仲間を募り、志を共にして戦いに臨む。映画はそんな友情と熱血の物語をコミカルに描く。

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ソフトボーイ - 渡まち子

ソフトボーイ

© 2010「ソフトボーイ」製作委員会

◆その場の気分で周囲を巻き込み、何の計画もないノグチのキャラに、なぜか周囲が魅せられてついていくのが面白い(55点)

 不純な動機で始めたソフトボールがいつしか若者たちを夢中にさせていく、さわやかな青春エンタメ・ムービーだ。佐賀県のとある高校で最後の夏を迎えようとしていたオニツカは、仏料理のシェフになるのが夢。しかし、家業は中華料理やで自らの進路に悩んでいる。そんな時、幼なじみのノグチが「県内には男子ソフトボールが一校もない。部を作れば、ソク全国大会。俺たちはヒーローだ!」と言い出す。オニツカを強引に誘い部員集めに奔走するが、何とか集まった9人はキャッチボールも満足にできない素人集団だった…。

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瞬 またたき - 福本次郎

◆苦悩に満ちた現在と輝きにあふれた思い出、ヒロインの失われた記憶を修復する過程が、生きていれば人はどんな悲しみも乗り越えられることを教えてくれる。そして慰めやごまかしではなく、人を救うのは常に真実であることも。(50点)

 愛する人を亡くし深い喪失感にさいなまれているヒロインが、封印していた過去と向き合ううちに希望を取り戻していく。苦悩に満ちた現在と輝きにあふれた思い出、彼女の失われた記憶を修復する過程が、生きていれば人はどんな悲しみも乗り越えられることを教えてくれる。そして慰めやごまかしではなく、人を救うのはどれほどつらくても真実であることも。お互いを必要としていたのに自分だけ命が助かった後ろめたさ、恋人が最期に伝えようとしたメッセージ、そんな物語の核心に迫りつつ心身の傷を癒していく。

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ダブル・ミッション - 福本次郎

◆戦うべき相手は襲い掛かってくる悪党よりも、言うことを聞かない反抗期の子供たち。「体は小さくても精神年齢は大人」と背伸びしている少年少女の気持ちが、ジャッキー・チェンのコミカルにデフォルメされた動きに反映される。(50点)

 戦うべき相手は大勢で襲い掛かってくる悪党よりも、言うことを聞いてくれない反抗期の子供たち。米国白人女性の子守りをする主人公が、「中国人のダサイおっさん」という彼らの偏見を取り除き、尊敬を勝ち取るまでを描く。父親に捨てられたとひねくれている長女、生意気で嘘ばかりつく長男、そしてまだやんちゃ盛りの次女。「体は小さくても精神年齢は大人」と背伸びしている少年少女の気持ちが、ジャッキー・チェンのコミカルにデフォルメされた動きに反映される。彼のフィルモグラフィで、ここまで子供を対象にした作品は初めて見た。

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ダブル・ミッション - 渡まち子

◆過去のジャッキー作品へのオマージュをたっぷり詰め込んだ演出が、長年のジャッキーファンへのプレゼントのようだった(55点)

 香港のスター、ジャッキー・チェンのハリウッド進出30周年を記念して作られた、アクション・コメディーは、緊張感はないが安心して見ていられるのが嬉しい。表向きはさえないセールスマンだが、実は中国から出向しているCIAの凄腕エージェントという二つの顔を持つボブ。隣に住むシングル・マザーのジリアンとの結婚を考え、危険な任務であるスパイ業からの引退を決意していた。なかなかなついてくれないジリアンの3人の子供たちの面倒をみているとき、子供の一人がボブのパソコンからロシア当局の秘密データをダウンロードしてしまう。やがて彼らは巨大な陰謀に巻き込まれてしまい…。

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瞬 またたき - 渡まち子

◆美しい風景と、一人生き残った罪悪感で抜け殻のようなヒロインがくっきりと対比する(55点)

 不幸な事故で恋人を失ったヒロインが、失った記憶をたどる喪失と再生の物語だ。泉美は恋人の淳一とバイクで花見に出かけた帰り、交通事故に遭ってしまう。一人だけ生き残った彼女は、事故当日の記憶を失ってしまい、精神科で治療を受けながら失意の日々を過ごしていた。偶然知り合った女性弁護士の真希子の力を借りて、失われた記憶を取り戻そうと決心し、事故原因の解明を真希子に依頼する。自らも心に傷を負っている真希子は、最初は「知らないほうがいいこともある」と断ろうとする…。

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ザ・ウォーカー - 渡まち子

◆常に黒いサングラスで無表情のデンゼル・ワシントンの圧倒的な存在感とともに、緊張感を持続させる演出が素晴らしい(65点)

 文明が崩壊し、荒廃した世界で、一冊の本を運ぶ孤独な男の物語には、ラストに驚きが隠されている。すべてを失った近未来。イーライはこの世に一冊だけ残る本を運んでいる。彼自身、その旅の目的や到着地を知らないのだが、ひたすら西へと向かうことだけを手がかりに旅を続けているのだ。本に近づくものは容赦なく殺すイーライ。そんな中、その本を狙う独裁者カーネギーが現われ、イーライの前に立ちはだかる…。

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闇の列車、光の旅 - 福本次郎

◆夢を抱いて豊かな国を目指す。命を落とす者、強制送還される者、そして幸運にも国境を越えても明るい展望があるとは限らない。社会の底辺から抜けようとする少女と組織を裏切った少年の逃避行の中で、中米の貧困の現実に迫る。(70点)

 故郷にいても未来はない。正規のルートで出国する手立てもカネもない。そんな無産階級が夢を抱いて豊かな国を目指す。それは常に死の危険が伴う過酷な旅。命を落とす者、強制送還される者、そして幸運にも国境を越えられても、明るい展望があるとは限らない。映画は経済格差の底辺からなんとか這いあがろうともがく少女と、組織を裏切った少年の逃避行を通じて、中米の貧困の現実に迫る。無賃乗車で何日も過ごす彼らの忍耐の背景にある道徳心の高さは、信仰の深さからくるものなのか。

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闇の列車、光の旅 - 渡まち子

◆中南米から米国を目指す若い男女の逃避行を描くロード・ムービー。厳しい現実の中の希望に感動する。(75点)

 ホンジュラス移民の少女サイラは、より良い暮らしを求めて父と共に米国を目指す。メキシコ人ギャングの少年ガスペルは、強盗目的で乗り込んだ列車で、サイラを襲おうとした仲間を殺めてしまう。ガスペルは追われる身となるが…。

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星砂の島のちいさな天使 ~マーメイドスマイル~ - 佐々木貴之

◆長州を知る者は、彼の好演ぶりに笑わずにはいられないだろう(75点)

 喜多一郎監督がデビュー作『星砂の島、私の島 ~アイランド・ドリーミン~』(03)に続いて再び沖縄の竹富島を舞台にしたドラマを完成させた。

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