ポストモダンゾンビ映画の秀作。B級映画の楽しさがいっぱいに詰まっている(点数 78点)
(C)2014 ZOMBEAVERS, LLC. All Rights Reserved
異説もあるが、ゾンビ映画は「ホワイトゾンビ(恐怖城)」(1932年)を最初とするのが普通だ。
ハイチのブードゥー教の司祭が、奴隷として使うためによみがえらせた死体をゾンビと呼んだ。
こうしたブードゥー教のゾンビをブードゥーゾンビという。
RKOの名作「私はゾンビと歩いた!」(1943年)や、ハマープロの佳作「吸血ゾンビ」(1965年)もブードゥーゾンビを扱った作品である。
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ヤクザ・ヴァンパイアを描いた三池崇史監督のシュールなアクション。面白そうな要素は数多いが、面白くならない珍品(点数 50点)
(C)2015「極道大戦争」製作委員会
三池崇史監督は大作よりも、Vシネマや中小規模の作品で暴走した時の方が、圧倒的に面白い。「極道戦国史 不動」「オーディション」「DEAD OR ALIVE」シリーズ、「漂流街」「殺し屋1」「極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU」「IZO」「龍が如く 劇場版」「ヤッターマン」「愛と誠」「神さまの言うとおり」などは、個人的に大好きな作品だ。
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人間を無理やりセイウチに改造する狂った博士を描くホラー。笑いを交えながらも実に不気味で怖い。セイウチ人間の造形が素晴らしい(点数 75点)。
(C)2014 Big Oosik, LLC, and SmodCo Inc. All Rights Resereved.
セイウチ。キバはあっても丸みのある体形がユーモラスで、ホラーには不向きと思われる。
世の中には変わった人がいるもので、そんなセイウチを主人公にホラーを作ってしまった。
正確には、セイウチ人間が主人公だろうか。
人間を無理やりセイウチにしてしまうのである。
しかも、あの「シックス・センス」の天才子役、ハーレイ・ジョエル・オスメントのほか、ノークレジットで超大物俳優も出演している。
ユーモラスな雰囲気が漂いつつ、何とも不気味で奇怪なホラーとなった。
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青森県八戸市を舞台に、縄文時代へのロマンと中年男女の恋愛を描く。八戸市の魅力が存分に描かれ、胸を打つ場面もあったが、様々な要素が一つに焦点を結ばないのが残念(点数 62点)
(C)2015「ライアの祈り」製作委員会 (C)森沢明夫/小学館
「津軽百年食堂」や「ふしぎな岬の物語」の原作小説を書いた森沢明夫の同名小説の映画化だ。
やはり同じように、舞台となる場所の地域性が強調されたご当地映画になっている。監督は「殺人者KILLER OF PARAISO」の黒川浩行。
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ドルフ・ラングレンとトニー・ジャーという夢の組み合わせ。B級作品だがアクションはしっかりと見せてくれる(点数 60点)
(C)SC FILMS THAILAND CO., LTD 2014
もっタイない! ドルフ・ラングレンとトニー・ジャーが共演しているのである。
しかも、両雄が戦う場面もある。「バトルヒート」という地味なタイトルではなく、「マッハ!VS人間核弾頭」とか、ド派手なタイトルにするべきだろう。
宣伝文句も「ムエタイVS極真!史上最強はどっちだ!」くらいにして欲しい。
もちろん、2人は戦うけれども結局バディとなるのだが。
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様々な恐怖演出のつるべ打ちだが新鮮さがなく、怖くない。「呪怨」のファイナルはJホラーのファイナルを感じさせる(点数 60点)
(C)2015「呪怨 ザ・ファイナル」製作委員会
清水崇監督がJホラーの流れを変えた「呪怨」シリーズの最終章である。
1999年のオリジナル・ビデオシリーズから、劇場版が作られ、清水監督が自らリメークしたハリウッド版は日本人監督として実写で初めての全米興行成績第1位を記録した。
これまでビデオシリーズを含めて8作品があり、伽椰子や俊雄はJホラーを代表するキャラクターとなった。
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よく出来たストーリーで最後まで楽しめるスペイン製スリラー(点数 70点)
(C)2012 Rodar y Rodar Cine y Television/A3 Films. All Rights Reserved
スペイン・バルセロナで毎年10月に開催されているホラーやファンタジーの祭典が、シッチェス映画祭だ。
かつては「シトヘス」とも呼ばれていた。
1968年創設の伝統ある映画祭で、ホラーファンにとっては憧れの場である。
しかし、スペインまで行く金も暇もない。
幸いなことに、昨年から日本で、映画祭公認の上映会「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」が行われるようになった。今年も映画祭から6本がセレクトされて公開される。
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死霊館 - 小梶勝男
サービスたっぷりに怖がらせてくれるオカルトホラー(点数 75点)
(C)2013 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.
ホラー映画ばかり見ているので、ある程度は慣れているが、これはなかなか怖かった。
正確にいうと、大きな音と一瞬の恐怖映像で何度もビックリしたということだが、それも「怖い」のには違いない。
ジェームズ・ワン監督は「インシディアス」も結構怖さを感じさせてくれた。恐怖演出が実にうまい。
その手腕が十分に発揮された秀作である。
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Jホラーの影響が強く感じられる韓国ホラーの秀作(点数 68点)
(C)2013 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
韓国のホラーは「4人の食卓」や「箪笥」など、人間の心のどす黒い部分をえぐり出して嫌な気持ちにさせる秀作が多い。
最後まで救われないのである。この作品も、そんな一つ。
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夏菜は魅力的だが物語に無理がある(点数 55点)
(C)2013「監禁探偵」製作委員会
マンションの一室で繰り広げられる推理サスペンス。
物語はヒッチコックの「裏窓」風に始まる。向かいのアパートにいる女性をカメラで覗く男。
だが、女性は何者かに襲われる。男がアパートに向かうと、そこには殺された女性と、別の美女がいた。
男は美女を自室に監禁し、死体が発見されるまでに自力で犯人を見つけようとする。
監禁された美女はベッドに縛られたまま推理を働かせ、犯人捜しに協力を申し出る。
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北村龍平らしいスプラッター・アクション(点数 70点)
(C) Pathe Productions Limited and WWE Studios, Inc. All Rights Reserved.
ハリウッドに進出すると言って、本当にハリウッドで映画を撮っている北村龍平監督はすごいと思う。
ハリウッド第一弾の「ミッドナイト・ミート・トレイン」は日本で劇場公開されなかった不幸な映画だが、作品自体はとても面白かった。
この第二弾も、B級娯楽映画が体に染み付いている北村龍平らしい、カッコいい映像と過剰な残酷さがあいまったスプラッター・アクションだ。
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腐敗が日常と化したNY市警で繰り広げられる悪対悪の戦い。悪人同士の友情や裏切り、駆け引きがリアルでB級作品だが拾い物(点数 67点)
(C) 2011 GEORGIA FILM FUND THREE, LLC
古くはシドニー・ルメットの「セルピコ」やロバート・アルドリッチの「クワイヤボーイズ」、2000年代に入ってもアントワーン・フークアの「トレーニングデイ」など、警察の腐敗を描いた映画は数多くあった。
それらには、腐敗に対する驚きや嘆きが込められていたように思う。この作品では、もはや腐敗は、当たり前の「日常の風景」になっている。
主人公たちも正義ではない。悪人同士の友情や裏切り、駆け引きはリアルで、制服は着ていても、ヤクザ映画そのものだ。
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復活したヴァン・ダムの最新作。ヴァン・ダム主演作を銀座シネパトスで見ることができる幸せを噛み締めるべきだろう(点数 70点)
(C)2012 Six Bullets Investments LLC. All rights reserved.
ジャン=クロード・ヴァン・ダムは、90年代に最も輝いていたアクション・スターだ。
過去には、ジョニー・トー、リンゴ・ラム、ツイ・ハークという、香港の3大監督が、ハリウッド進出の際にヴァン・ダム主演作を撮っている。また、ピーター・ハイアムズ、ローランド・エメリッヒ、ジョン・G・アヴィルドセンら、評論家には評価されなくても、それなりの娯楽作をきちっと作ることができる職人監督と組んでいて、筋金入りのB級魂を濃厚に感じさせる。
そんな彼が最近、注目を集めている。
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銃撃戦と格闘技が見事に融合したインドネシア産のアクション。狭いビル内の設定をうまく使った演出も素晴らしく、傑作と言っていい(点数 90点)。
(C) MMXI PT.MERANTAU FILMS
銃撃戦と格闘アクションは本来、相性のいいものではない。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ/天地風雲」でジェット・リーふんする黄飛鴻が銃弾を着物の裾でさばいたり、「カンフー・ハッスル」でブルース・リャンふんする火雲邪神がピストルから発射された玉を指でつまみとったりした例はあるが、普通はいくら格闘技が強くても、銃で撃たれてはひとたまりもない。
だからこそ、クンフー映画では、なぜか銃は使われず、素手か、銃以外の武器での戦いが描かれるのだ。
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台湾のゾンビ映画。エログロ・ナンセンスの乱れうちでサービス満点だが、今一つ盛り上がりに欠ける(点数 55点)
(C)2012 Heyshine International Co., Ltd and Film Asia Entertainment Group Co., Ltd. All RightsReserved.
日本では世界各国のゾンビ映画が公開されてきたが、今回は台湾のゾンビ映画。
中華文化圏である台湾には、幽幻道士シリーズなど、キョンシーの伝統がある。
いわゆる屍鬼だが、この作品はそういう伝統的なリビングデッドより、ジョージ・A・ロメロがブードゥーのゾンビに吸血鬼の要素を取り入れて作り上げたモダンゾンビの色が濃い。
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