もう1つパンチが効いていない感が否めないため、やや残念(点数 60点)
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先般公開された『エレベーター』に続いて、またもや近年流行りのシチュエーション・スリラー作品が登場。今回は、タイトル通りにATM=現金自動預払機がメイン舞台となる。脚本は同じくシチュエーション・スリラー作品『[リミット]』を手懸けたクリス・スパーリングで、監督はデイヴィッド・ブルックスというお方。
投資会社勤務のデイヴィッド、エミリー、コーリーは、クリスマスパーティーの帰り道、コーリーが現金を引き出すためにATMに立ち寄るようにとデイヴィッドに頼み込む。だが、ATMコーナーの窓越しに不審な男が現れ、コイツが仕掛けた罠によって3人は閉じ込まれるハメに……。
閉鎖的空間であるATMの中は、真冬のためマイナス21度まで冷え込む。ドアを開けて脱出できそうだが、外には不審者がいるため簡単に逃げ切れない。そんな危機的状況に追いつめられた3人が仲間割れを起こす姿が描かれ、3人が如何にして脱出を試みるのかが見モノだ。
また、外部から繰り出される仕掛けがさらなる面白さを引き立てる。水攻めシーン、不審者が入ってきて2対1の格闘シーン、車が突っ込んでくるという内容は、観る者にハラハラ、ヒヤヒヤのスリルと危機感を味わわせるが、もう1つパンチが効いていない感が否めないため、やや残念だ。観る者に衝撃と驚愕をじっくりと与えてくれるような仕掛けが描けていれば、面白さはレベルアップしていたはずだ!
食傷気味になりつつあるシチュエーション・スリラー作品は、内容の強化と充実をはじめ、さらなるレベルアップが必要となるだろう…。
(佐々木貴之)