ALWAYS 三丁目の夕日 ’64  - 樺沢 紫苑

ポジティブなメッセージを、『ALWAYS』を見ながら感じとりました。(点数 90点)


(C)2012「ALWAYS 三丁目の夕日’64」製作委員会

ズルイというか、反則というか、お涙頂戴映画の王道というか。
 わかってはいても、泣かされてしまうのが『ALWAYS』、
今回も泣き所が三ヶ所以上は用意されています。

 その中でも私がおもしろいと思って見たのが、
小説家茶川と息子どうように面倒を見てきた淳之介の関係です。

 淳之介は、「小説家になりたい」といいますが、
成功するかどうかも分からない不安定な小説家には絶対反対で、
東大を卒業して、一流企業に就職しろとゆずりません。

 茶川の言い分もわかります。
 でも、子供が父親と同じ職業に就きたいというのは、
父親をリスペクトしていないと、そういう気持ちは湧いてこないのです。

 つまり、子供が親の職業のあとをつぐというのは、
父親として尊敬されている、最高の証でもあるのです。

 だから、子供が親と同じ職業を目指したいというわけだから、
本来であれば素直に喜んでいいのに・・・というのが、率直な感想。

 茶川は、陽の目をみるまでにすごい苦労をしてきただけに、
「小説家」という職業に対してのマイナスイメージを
強く持っているわけですが、それでも続けてきたのには、
小説家としての仕事のおもしろさ、あってのことでしょう。

 その辺の素直になれない茶川の言動がものすごくじれったいのですが、それも製作者の狙い通りなのでしょうね。

 淳之介は、小説家を選ぶべきだったのか、東大進学を選ぶべきだったのか。

 将来、進むべき道で迷ったらどうするのか? 
 私のアドバイスは、「ワクワクする道を選べ」ということ。
 
 ワクワクする道には、その道を歩むこと自体に「幸福」があるのです。
 結果がどうなろうが、後悔はないはずです。

 『ALWAYS』前作もそうですが、人と人との「つながり」が、これほど濃い時代があったのか、ということをつくづく感じさせます。

 ご近所さんが、すれ違うときに挨拶する。
 ごく当たり前の風景に、コミュニケーションの豊かさ。
 「つながり」の濃さを感じ、心が動きます。
 
 今、我々が暮らす「平成」という時代。
 物質的には豊かになったものの、
「つながり」という大切なものを失ってしまった、と気付かされます。

 いやそうじゃない。
 戦後の焼き野原から、見事に急成長を遂げた日本。
 
 バブル崩壊。経済低迷。
 東日本大震災。原発事故の後遺症。
 たたきのめされ、自信を喪失した日本という国。

 戦後復興のように、もう一度ゼロからやり直せばいいんじゃないか。

 そんな、ポジティブなメッセージを、
『ALWAYS』を見ながら感じとりました。

 そのために必要なのは、「つながり」であり、
コミュニケーションではないかと。

 「昔って、良かったね」という単なるノスタルジー、
レトロ映画では終わらない。
 
 プラス・アルファを感じさせところが、
『ALWAYS』の良いところだと思います。

樺沢 紫苑

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