心の中で「バッキャローッ!!」と叫んだ(40点)
60歳を迎えた3組の男女が人生を模索する姿を描くこの映画は、8万通を超える応募が寄せられた手紙をまとめたものが原案。仕事一筋の夫と耐える妻、奥手の独身カップルの恋、突然の病に対峙する魚屋夫婦。エピソードは別々に語られるが、チラリとすれ違う場面を作っている。60歳という年齢をまだ知らない私が言う資格があるか迷うが、あえて言う。不倫を続けた孝平と自立に目覚めたちひろの話だけはどうにも納得できない。この展開は男性側の身勝手な願望にすぎないではないか。現代の妻たちはもっとドライなはず。「すべてを捨ててきたんだ」との夫の言葉とその後の妻の態度に、私は心の中で「バッキャローッ!!」と叫んだ。きたない言葉でスミマセン。他の2つのエピソードが、心あたたまるものだったのが救いだ。
(渡まち子)