残酷描写を多用しない演出が洗練されている(65点)
妄想系スリラーだが、自分の心の深淵を見る場所というテーマがスティーヴン・キングらしい。娘の死から立ち直れないオカルト作家のマイクは、NYのホテルを取材。客が次々に自殺を遂げることで有名な謎の1408号室に、支配人の警告を振り切って宿泊する。幽霊を信じないマイクだが、呪われた部屋は恐怖の超常現象で彼を襲う。忌まわしい場所になった理由が不明なことと、支配人の扱いが中途半端なのが気になるところ。だが、残酷描写を多用しない演出が洗練されている。特に、絵画が動き、そこから水が溢れる場面は、創意工夫に満ちたビジュアルで洒落ていた。
(渡まち子)