さまよう刃 - 中野 豊

非道な少年たちへの父親の復讐劇。正義とはなんだ!(点数 75点)


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本編は、東野圭吾による長編小説で「週刊朝日」にて連載さていました。
2009年に、東映により、寺尾聰、竹野内豊主演で映画化された作品の韓国によるリメイク版です。

繊維工場で働く平凡なサラリーマンのサンヒョンは数年前に妻を亡くし、中学生の娘と二人暮らし。
ある夜、残業で深夜帰宅したサンヒョンは、家に娘が見当たらないことに気づくのです。
翌日、警察から連絡が入り、娘が何者かに廃墟となっていた銭湯の一室で殺害されたと知ります。
犯人はなかなか割れず暫くたったある日、サンヒョンの携帯電話に、何者かから事件の情報(犯人の氏名と証拠物件の在りか)が入るのです。
密告したのは犯人である高校の同級生だったのです。
サンヒョンは犯人の一人の家に忍び込み証拠物件であるDVDを発見。
それには娘が二人の男に暴行レイプされた一部始終が映し出されたのです。
丁度その時、犯人の一人の男が帰ってき、怒りの感情を抑えられないサンヒョンは、野球のバットで殴り殺してしまうのです。
そして、サンヒョンはもう一人の犯人を捜しに雪山に向かうのでした……。
感情を抑え青ざめた表情は、法と正義の狭間で揺れる苦悩。
いくら殺人やレイプを繰り返しても少年法から極刑を受けることもないのです。
たった一人の肉親の娘の無残な死はサンヒョンにとって自分の死より重く、その怒りと悲しみは憎悪を増長させ、警察の捜査網の先の先を動物的感と行動力がもたらす、あまりに悲しい復讐劇。

サンヒョンは語る。
「私には娘がいました。良い父親になりたかったのです。
でも、私はそうはなれませんでした。
父親だった私は、ある朝、娘を亡くした被害者になり、今は娘を殺した奴を殺害した殺人者となりました。
これが私にできる最後のことではないか?と、そう思うのです。
私の娘を殺した奴らは私の娘をどれほど覚えて生きていくでしょう。子を亡くした親に残された人生はありません」

刑事は語る。
「あなたたちは、娘を亡くした父親の顔を見たことがありますか……。
全てを失った父親は、この世で一番悲しい顔をし、背を向けて死にました。
私は、待てという言葉しか言えませんでした。
私はもうその父親を捕まえるしかないのです。
イ・サンヒョンさん、それでも生きていかなくてはけないと思いませんか?」

■2014年 韓国映画/上映時間:122分/監督・脚本:イ・ジョンホ/出演:チョン・ジェヨン、イ・ソンミン、ソ・ジュニョン、イ・ジュスン、イ・スビン、チェ・サンウクほか

オフィシャルサイト:http://samayouyaiba.net/

中野 豊

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