マンク~破戒僧~ - 佐々木貴之

アンブロシオの破戒僧ぶりが本作の大きな見所(点数 70点)


(C)photo Mickael Crotto

マシュー・G・ルイスが若干19歳にして書き上げた小説「マンク」は、破戒僧の凄まじい背徳と残虐、エロスによって160年間に渡って禁書扱いされていた。そんな18世紀のゴシック小説をドミニク・モルが映像化。

17世紀のスペイン。赤ん坊の頃にカプチン派の修道院門前に捨てられていたところを僧に拾われ、この修道院で育てられたアンブロシオ(ヴァン・サン・カッセル)は、成人後は街中の人々が雄弁な説教を聞きに来るほどの立派な修道僧に成長していた。ある日、彼の前に火傷の傷跡を覆うべく仮面を被った見習い修道士バレリオがやって来る。アンブロシオの持病である激しい頭痛を和らげる不思議なパワーを持つバレリオの正体は、実は女性であり、アンブロシオに近づくべく正体を隠して接近していたのであった。追い出されそうになったバレリオはアンブロシオと関係を持ってしまい、それ以来アンブロシオは情欲の虜となり、破戒僧へと転落してしまう…。

バレリオが正体を明かし、アンブロシオと肉体関係を築いてから以降のアンブロシオの破戒僧ぶりが本作の大きな見所となる。

愛欲に身を任せたアンブロシオは、自身の夢に出てくる少女とよく似ているというアントニエをモノにしたいという欲望に耐え切れずにバレリオの黒魔術の力を借り、挙句の果てには殺人までも犯してしまう。

アンブロシオの破戒僧としての転落ぶりをあっさりと描いており、エロや残虐を過激な表現で全面に押し出していないのが好感だ。

実は、本作の前にルイス・ブニュエルが脚本を執筆した『フランコ・ネロとナタリー・ドロンのサタンの誘惑』という作品が存在した…。「マンク」の映像化は、本作で二度目だった!!

佐々木貴之

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