猿の惑星:創世記(ジェネシス) - 樺沢 紫苑

「学び=真似び」は、成長のパワーでもありますが、「悪いお手本」を真似てしまうと、たいへんなことになる。(点数 80点)


(C)2011 TWENTIETH CENTURY FOX

『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』を見ました。
 いろいろと考えさせられる作品です。
 ただ、人によって、考えさせられるポイントは、かなり異なるかもしれません。

 私がこの映画を見て一番「怖い」と思ったシーンは、
霊長類保護施設に送られた天才猿のシーザー。

 最初、ボス猿との戦いにこてんぱんにやられますが、
再戦のおり、金属の缶を武器にボス猿を容赦なくぶん殴るシーンです。

 人間を越える知能を有する天才猿のシーザー、
しかし、彼は自分で何かを考えたり、
発想しているわけではありません。

 人間の行動パターンを真似るだけ。
 科学者ウィルと仲良く暮らしていた時は、
ウィルとその父から、愛情を学びます。

 しかし、保護施設に移されてから、ランドン親子から受ける虐待によって、
「暴力」を学んでいきます。
 
 「学び」の語源は「真似び」にあるといわれますが、
まさに真似ることによる学び。それりを繰り返していきます。

 暴力に対して暴力を返す。
 ただそれを繰り返すだけ。

 人間に虐待を受けたシーザーが、人間に暴力で復讐する、
というのは理解できるわけですが、仲間の猿に対しても、
暴力を返し、暴力で支配していく。

 人間流の悪しき方法を忠実に真似ていく部分に、
強い恐怖を感じました。

 話しは変わりますが、先日「子供のイジメはなぜ起きるのでしょうか?」
という質問をいただきました。

 私は、「子供のイジメは、大人のイジメや悪口を、
子供が真似ているだけ。大人の世界から、
イジメや悪口をなくせば、子供のイジメもなくなるでしょう」と答えました。

 よく、昼過ぎのカフェに行くと、ベビーカーの子供と一緒に
数人のママが、談笑しています。

 その話題というのが、だいたい人のうわさ話で、たいていは悪口。
 こんな話を赤ん坊の頃から、何十時間、何百時間と聞かされるわけですから、
人の悪口を平気で言ったり、イジメに罪悪感を持たない子供が育つのは
当然のことでしょう。

 人間から暴力を学び、人間に暴力を返した猿のシーザー。
 これは、別にSFでも、フィクションでもありません。

 子供も親や家族や周囲の人間の、良い部分も悪い部分も、
善悪判断なく、真似て、学習し、成長していく。

 あなたは、「良いお手本」になっていますか? 
 それとも、「悪しきお手本」になっていますか? 

 「学び=真似び」は、成長のパワーでもありますが、
「悪いお手本」を真似てしまうと、たいへんなことになる。

 そんなことを、『猿の惑星:創世記』を見て考えました。

樺沢 紫苑

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