原作から抜け出たような須賀健太君のくったくのない笑顔(60点)
大人気コミックの映画化だが、オスカー監督・滝田洋二郎の作品としては軽いタッチの凡作。それでも家族愛や夢を追うことの大切さなど、スタンダードなテーマは見ていて安心感がある。13歳の天才釣り少年・三平は、伝説の“夜泣谷の巨大魚”を釣り上げようと決心する。都会が悪で田舎が善という単純な構図は納得できないし、CGを駆使した釣りのシーンはファンタジーに寄りすぎの気も。だが、釣りのテクニックやマナーを分かりやすく描くなど手堅い演出は評価できる。原作から抜け出たような須賀健太君のくったくのない笑顔のおかげで、さわやかな後味だ。緑いっぱいの映像も良い。
(渡まち子)