正統派だが裏を返せば古臭い時代劇(45点)
正統派だが裏を返せば古臭い時代劇。主演の中井貴一をはじめ役者陣は実力派揃いなのだが。清水の次郎長と妻のお蝶、頼りになる子分たちが織り成す、笑いと涙の人情物語だ。ベタなセリフも含めて、中身は完全に年配の時代劇ファン向け。叔父・マキノ雅弘監督の代表作のリメイクに挑んだマキノ雅彦(津川雅彦)監督の意欲は買うが、自分の娘のドアップを多用するなど、なれあいムードが恥ずかしい。シニア層がターゲットだそうだが、そういう人はオリジナルを見るのでは。宇崎竜童のエンディング・テーマはノリがよく、映画のかったるさをちょっぴり忘れさせてくれた。
(渡まち子)