香港映画ならではのワイヤーアクション、最先端のVFX技術を駆使して見応え抜群のエンターテイメント(点数 70点)
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SF作品初挑戦のアンディ・ラウがサイボーグ警官に扮し、時空を超えて巨悪と闘うSFアクション。監督はバリー・ウォンで、主演のアンディは脚本も担当。
2080年。石油に代わる太陽エネルギーを開発したマー博士は、石油企業が送り込んだカーロン率いるサイボーグ暗殺団の襲撃にあうが、警官ジーハオ(アンディ・ラウ)の妻で同僚のメイリー(ファン・ビンビン)が自身の命と引き換えにこれを阻止した。その後、政府が極秘に開発したタイムスリップ技術が石油企業側に盗まれ、カーロン(ルイス・ファン)らは少年時代の博士を殺害するべく60年前にタイムスリップ。これを知った政府当局はジーハオをサイボーグ警官に改造し、娘のチチ(シュー・チャオ)とともに60年前に送り込んだ。やがて、ジーハオとカーロンとの壮絶なバトルが繰り広げられることになる……。
香港映画ならではのワイヤーアクション、最先端のVFX技術を駆使して見応え抜群のエンターテイメント性を最大限に発揮した本作。
サイボーグ暗殺団の面々は日本の特撮ヒーロー作品に登場する悪党を彷彿とさせ、サイボーグ警官となったジーハオは『アイアンマン』に少し似ていると同時に『宇宙刑事』を連想させる。
遊園地を舞台にしたバトルではアトラクション感覚を味わえ、ジーハオがハンドルを握る車を後続のトラックが追突し、これを機にカークラッシュや横転に破壊力を発揮したトラックの暴走といったカーアクションも面白さを増している。クライマックスのジーハオとカーロンの壮絶なバトルで、これが特撮ヒーロー作品やハリウッドのアメコミ実写作品さながらの面白さを味わえる。とにかくアクション演出は荒唐無稽ながらも見応え抜群で、観る者をとことん楽しませてくれる。
また、チチの級友であるジンファとポッチャリメガネ君がジーハオの超人ぶりを偶然にも目撃してジーハオに弟子入り志願するシーン、ジーハオとカーロンの激闘中にチチとジンファがカーロンの妻ペイナーの脅威から逃げ回るシーンといった微笑ましいシーンも好印象であり、これなら特撮ヒーロー作品が好きそうな子供にもウケそうだ。
今後の香港映画界は、本作をきっかけに著名な特撮ヒーローを生み出していくのか…?!
(佐々木貴之)