書道ガールズ!! わたしたちの甲子園 - 福本次郎

書道ガールズ!! わたしたちの甲子園

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◆堅苦しい旧来の作法を解き放ち仲間同士力を合わせて創作する、作り手の喜びを伝える新しい書道パフォーマンス。映画は、ひとつの目標に向かって努力する定型のなかで、成功よりも失敗にこそ学ぶべき点が多いこと強調する。(70点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 筆に墨を含ませ、紙に向かう。書道とは己自身と対峙、その内面が書に現れる心の鏡。だが、ここでの書道は、作品の出来栄えだけでなく、制作過程のパフォーマンスまでを含めて評価するというもの。堅苦しい旧来の作法を解き放ち、部員同士が力を合わせて創作するのだ。独創性を持った新しい波は、作り手の喜びを伝えることから始まると、少女たちは全身で表現する。映画は、ひとつの目標に向かって共に努力する達成感を描く青春モノの定型のなかで、成功よりも失敗にこそ学ぶべき点が多いこと強調し、結果以上に流した汗に価値があるとを教えてくれる。

 高校書道部の里子はやる気のない他の部員とは一線を画している。ある日、新任の顧問・池澤の校庭でのパフォーマンスに部員の清美が感化され、商店街での書道パフォーマンスを提案・実行に移すが、集まった客に墨をかけてしまう。

 求道者のごとく書を極めんとする里子に対し、もっと楽しみながら筆を取りたい香奈。対照的な2人がそれぞれの考え方を歩み寄らせ、本当にやりたいことを見つけていく。そこにシャッター商店街や零細企業の倒産などの地方経済の疲弊や、池澤の個人的な挫折なども織り込んだ脚本のバランス感覚が素晴らしい。そして里子たちは、街を元気づけるために高校生による書道パフォーマンス大会を思いつく。

 出場4校による本戦が、それぞれ瑞々しい発想の筆遣い色遣いに彩られ、書道とはこんなに自由なものだったのかと改めて気付かされる。里子が6メートル四方ほどの紙に一抱えもある巨大な筆で情熱のすべてをぶつけるように墨を滴らせる姿は圧巻だ。しかしそこでも里子が青墨をぶちまけ、作品を台無しにする。その、勝ち負けではない、最後まであきらめずに頑張る、仲間を信じる行為が尊いという主張はすがすがしかった。ただ、成海璃子が演じた役柄は、剣道を書道に変えただけで「武士道シックスティーン」と同じで新鮮味に欠けるのが気になった。また、男子部員は添え物扱いだが、彼らが活躍する日は来るのだろうか。。。

福本次郎

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