根性を見せるのにグランドを走るだけでなく、せめて「GIジェーン」みたいに頭を丸めて筋骨隆々の肉体を作るくらいの強固な決意を見せてほしかった。(点数 40点)
選びぬかれた最優秀の兵士が集まる韓国軍の精鋭部隊。
その“男の世界”に志願した娘は、厳しい訓練以上に、好奇心と嫉妬に苦しめられる。
女性差別を公然と口にする上官、下心を持って近づいてくる同僚、そして女だからとなめた口をきく兵卒、他の者も「お手並み拝見」と
彼女を遠巻きに見つめているだけで決して手助けはしない。
そんな男たちの中で自らの意思を貫き通すヒロインの姿が健気で愛らしい。
訓練課程をトップで通過したユミは海兵隊特殊捜索隊に入隊する。
先輩のいじめに耐える日々の中、やっと与えられたミッションは最下位チームのリーダーとなってチームの成績を上げることだった。
最初は興味津々でユミに言いよるが、相手にされないと手のひらを返すように彼女の足を引っ張るワンという先輩が、男社会の心理を象徴している。
ユミに対して優位に立っているうちは優しくするが、競争相手と認識し、さらに自分より有能であると知った時には、もはや憎しみとなって彼女を蹴落とそうとするのだ。
だが、ユミが「男でもほとんど耐えられない」ほどの地獄の特訓にどう立ち向かっていったかを描かれていないのが物足りない。
また、着替えとかトイレとか、紅一点ならではの苦労もあっさりスルーする。
根性を見せるのにグランドを走るだけでなく、せめて「GIジェーン」みたいに頭を丸めて筋骨隆々の肉体を作るくらいの強固な決意を見せ
てほしかった。
(福本次郎)