『レッドクリフ』のジョン・ウー製作・監督の本作は、“アラフィフ”女優ミシェル・ヨーのタフな演技・アクションに魅せられます。(点数 60点)
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ざっくりと言ってしまえば、明朝時代の中国を舞台に、探しだした者が武術の奥義をきわめられるという、達磨大師のミイラ争奪 武術バトル映画です。
ミイラを手に入れようとする組織の刺客=ミシェル・ヨー演ずる細雨(シーユー)は、突然姿をくらまし整形して別人・曽静(ザン・ジン)と名乗り市井にとけこんでいきます。
やがて彼女は、阿生(アシャン)という配達人と出会い夫婦に。
貧しいながらも温かな生活が続いていたある日、細雨の首に賞金が懸けられ、腕のたつ武術家たちが彼女の捜索をはじめるのです。
ある日、細雨は武術家集団と鉢合わせ。夫の阿生を巻きこまぬために、封印していた武術で一味を一網打尽に……。
阿生は妻の驚くべき一面を目のあたりにするも、あえて身の上には触れずに、何事もなかったかのように振る舞うのでした。
が、この後がさあ大変!元組織の裏切り者である細雨の前に、妖艶な殺し屋 綻青(ジャンチン)、奇術の使い手 彩戯師(マジシャン)、殺傷針を操る 雷彬(レイ・ビン)らが現れ激闘へとなだれ込むのです。
大流血し、自宅に戻った細雨を夫 阿生は献身的に看病するのでした。
さて、ここから猫を被っていた阿生が、やたらに強い武術家であることがわかってきます。
福山雅治にクリソツのチョン・ウソンが演じている時点で、この展開は読めました(笑)。
本作最大の見所は、縦横無尽なキャメラが追う重力無視(笑)のワイヤーアクション!
その要を担うミシェル・ヨーのダンスのようなスタイルは『グリーン・ディスティニー』を彷彿とさせます。
欲を言うなら、ドラマと登場人物群を簡素にスッキリとさせれば、アクションにもっと集中できたのでは?と感じました。
ジョン・ウー作品お約束の鳩は飛ばずも、ミシェル・ヨーが飛んで舞います。
■2010年 中国=香港=台湾映画/上映時間:120分/監督:スー・チャオピン、ジョン・ウー/衣装:ワダ・エミ/出演:ミシェル・ヨー、チョン・ウソン、ワン・シュエチー、バービー・スー
オフィシャルサイト:http://www.reignassassins.com/
(中野 豊)