ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ - 渡まち子

◆余計な説明抜きでズバリ本題に入るのは、少々不親切だが、肝心なことはゲームの主旨を理解すること(65点)

 究極の頭脳戦に巨額の賞金という非現実の世界が展開する人気TVドラマの劇場版で、物語のファイナルを飾るドラマ。女子大生の直は他人を疑うことを知らないバカ正直な性格。そんな彼女が騙しあいの果てに50億円という多額の賞金をかけて戦うライアーゲームに巻き込まれてしまう。決勝戦のゲーム“エデンの園”は、赤、金、銀の3種のリンゴを使って同じ赤色のリンゴをそろえるという一見単純なもの。集まったプレイヤーの中には元天才詐欺師の秋山も含まれていた。互いに信じあうことができれば必ず勝てるゲームに、直はプレイヤー同士で協力しあおうと呼びかける。しかし決勝進出者の中には、謎の刺客が身を潜めていた…。

 日本映画のヒットの法則性のひとつに、マンガからTVドラマ、そして劇場版へという流れがあるが、本作はまさにそれだ。外界から隔離された場所で行なわれる究極の騙しあいは密室であることが大きな魅力。余計な説明抜きでズバリ本題に入るのは、少々不親切だが、肝心なことはゲームの主旨を理解すること。すぐに映画の世界に入れるはずだ。すべての人物が怪しいのだが、全部で13回戦のゲームが進むたびに、裏切り者と協力者がコロコロと変わるので飽きさせない。頭脳戦といってもやり口はけっこう姑息で、印をつけたりそれぞれの名前が刻印されたスタンプを利用したりと、小道具がキーポイントになっている。最終的にプレイヤー同士が信じあえるかどうかは、映画を見てのお楽しみだ。エデンの園ゲームの行方もさることながら、このファイナルの目玉は、いったい誰がこのようなおぞましいゲームを主催しているのかという謎。最後の最後に明かされるその答えは、何だか肩透かしをクラッたような気分になるが、ファイナルのオチとしてはこれしかないような気も。話そのものは荒唐無稽なのだが、信じることの大切さというメッセージはきちんと伝わる。もっとも、実際には直が一人で戦うわけではなく、必ず誰かの協力があってこその勝負ということを考えると、善行も悪行も、人は一人では何もできないのだというもう一つのメッセージも垣間見える。すべてのゲームが終わった後の短いエピソードも、小粒ながら上手いシークエンスで、あと味がいい1本になった。

渡まち子

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