メダリオン/飛龍再生 - 前田有一

セリフの言い間違いばかりのNG集が象徴する地味なアクションシーン(30点)

 人気アクションスター、ジャッキー・チェンの生誕50周年記念作であると同時に、初主演作からも30年という節目の作品。香港=アメリカ合作の、いつもながらのアクション映画だ。手に入れると無敵パワーを得られる神秘のメダルを狙う悪者と、それを阻止する香港警察のジャッキーとの戦いを描く。

 アホ系のストーリーには突込みどころ満載。まあ、それは一種の“味”と見ることもできるので問題はない。だが、不満なのは相手役の女性や敵役に個性が少ないという点。いくらジャッキーを見る映画とはいっても、彼を引き立てるべき周りのキャラクターに力が無いと盛り上がらない。

 そして、それ以上に問題なのが、ジャッキー・チェン映画最大の魅力であり観客の期待でもあるアクションがあまりに地味という点だ。本物と思われるアクションで印象に残るのはせいぜい2,3箇所。壁を駆け上ったり梯子を一気降りしたりなど、これまでの作品でさんざ見てきたもので平凡だ。あとはVFXやワイヤーワークを使って底上げしたもので、これははなからジャッキーのファンが望むものではないだろう。

 トレードマークのクンフーも、そろそろ見せ方を工夫しないと……といった気がするが、彼が主演映画を作るようになって30年、さすがにもう限界か。確かに動きは凄いのだが、いまやその前に「歳の割には」とつきかねない。さすがに年齢による衰えは隠せない。

 先日『マッハ!』というタイのアクション映画を見せてもらったが、『メダリオン』と違いこちらのアクションは半端ではなく、度肝を抜かれた。主演のトニー・ジャーという元スタントマン俳優は、間違いなくジャッキーの後釜的スターとして今後活躍していく事だろうと思わせるほど、すばらしい動きをみせていた。若き日のジャッキー・チェンの衝撃に勝るとも劣らない彼に対し、いかに本家といえど、この映画ではとても太刀打ちできまい。

 それにしても、香港映画史上最高額45億円をかけたという『メダリオン』の、このお手軽なつくりはいったい何だろう。このままではリアルアクション映画のメインストリームはトニー・ジャー主演のタイ映画に移行してしまいかねない。ジャッキーも香港映画界も、もっと危機感をもって挑んでほしいと思う。

前田有一

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