衝撃的なクライマックスこそ観てのお楽しみなのである!!(点数 70点)
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二年前に日本でも公開されたスペイン映画『[リミット]』に続き、再び極限の閉鎖空間を舞台にしたシチュエーション・スリラーが世に送り出された。監督は、本作が長編四作目のゲイブ・トーレス。
シークレット・サービスのジェレミー(スティーヴン・ドーフ)は何者かに拉致されたらしく、目覚めたときには車のトランクに収められたガラスケースの中に監禁されていた。その箱には恐ろしいトラップが仕掛けられており、デジタル時計が4分を刻むごとに様々な攻撃が加えられる。絶体絶命の大ピンチに陥ったジェレミーは無事に脱出できるのか?!また、犯人の目的はいったい何なのか?!
ガラスケースという閉鎖的密室空間ではあるが、これが車のトランクに収められているということもあり、車が走行することによってスリルを味わえる。
この手の作品は、「主人公が如何にして脱出しようとするのか?!」とか「何故このような状況に陥ったのか?!」ということが観る者に興味を抱かせる。観る者はそういったことを気掛かりにしながらもストーリーが進展するごとに起こる出来事に驚かされ、徐々に明かされていく謎や真実が納得させられる。
無数のハチ軍団を放たれ、別居中の妻が拉致され、最終的には液状爆弾による水責めという具合に心身ともに散々苦しめられるジェレミーが迎える衝撃的なクライマックスこそ観てのお楽しみなのである!!
今後、同趣向の作品は創意工夫と目新しさが要求されるだろう。このままよく似た作品を粗製濫造していると飽きられること間違いなしだ!!
(佐々木貴之)