ドライバー(運転手)、コップ(刑事)、キラー(殺し屋)! 三つ巴のノンストップ・バトルアクションに目がくらみます。(点数 60点)
主人公がドライバー!故にカーアクションが大きな見所で、いかにも車種「スポーツカー=シャベル」と「フェラーリ360」の爆音に陶酔してしまうカーマニアもいることでしょう。
ドライバー役には、プロレス界のスーパースターから俳優に転身し、『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』、『スコーピオン・キング』などのヒット作を放ってきた‘ザ・ロック’ことドウェイン・ジョンソンが、10年間の刑期を終えて出所し、かつて自分と兄を陥れた連中への復讐を5日間でやりとげようという堕天使を演じます。
ドライバーを追う定年間際の刑事に『バーバー』、『チョコレート』などのカメレオン名優ビリー・ボブ・ソーントンが扮します。
ソーントンの起用が本作の成功の鍵でした。
いかにも人生に疲れきった風情で本気に捜査取り組んでいるのか、定年までの奉公なのか、息子にカッコいい親父を見せたいのか、挙動の根が掴めない微妙な役柄。
そして、もう一人、ドライバーを仕留めるために雇われた殺し屋は、幼少期のトラウマを撥ね退け、目的遂行のためだけに生きている正体不明のイケメン。
何故イギリスの大金持ちらしき男がアメリカの田舎の邸宅に住んでいるのか?などバックボーンがベールに包まれています。
劇中の台詞「報酬は1ドル」に笑わずにはいられませんでした。
お前は何者なのか?アイアンマンなのか?(笑)
サイドストーリーとして、彼らの妻や家族の関係もみせていきますが、復讐劇の本作中「罪を犯した者が聖職者」へ転身し、人生を変えた生き様をみせたところが泣かせどころ。
物語の真相・その深みを読むことも本作の楽しみ方だと思いますが、なんといっても超ド級のアクションをじっくり見せています。ヒットを確信しているのか?
続編が見られそうなラストにも期待しましょう。
■2010年 アメリカ映画/上映時間:98分/監督:ジョージ・ティルマン・Jr
/出演:ドウェイン・ジョンソン、ビリー・ボブ・ソーントン、オリヴァー・ジ
ャクソン・コーエン、カーラ・グギーノ、マギー・グレイス ほか/オフィシャル
サイト:http://www.faster-movie.jp/
(中野 豊)