この謎のオチは、もはや見慣れたもの(55点)
この謎のオチは、もはや見慣れたもの。それでもホラーにも企業陰謀説にもなる素材を、最終的に人間ドラマ風に仕上げたのが、ロドリゴ・ガルシア監督らしい。セラピストのクレアは、大惨事の飛行機事故の生存者のカウンセリングを担当することに。食い違う証言にクレアは真相を暴こうとするが、不可思議な出来事が続発する。明るいコメディエンヌのイメージのアン・ハサウェイだが、本作ではシリアスで高い演技力を見せている。このテの作品は謎をどう引っ張るかがポイントだが、ミステリアスな雰囲気にこだわりすぎている気もする。クレアがエリックに惹かれる理由から真相に迫る展開も必要だったのでは。ただ見終わった後に温かい気持ちが残るのはいい。
(渡まち子)