ラスト・ブラッド - 福本次郎

少女が日本刀を振り回し、オニどもの顔面を縦にぶった斬るかと思えば手足や首を一刀両断。彼女は宙を舞い、オニの傷口からは鮮血が飛び散るが、ワイヤーやCGの視覚効果のレベルは非常に低く、10年前のB級アクションのようだ。(30点)

 少女が日本刀を振り回し、飛び掛かるオニどもの顔面を縦にぶった斬るかと思えば手足や首を一刀両断。彼女は宙を舞い、オニの傷口からは鮮血が飛び散るが、ワイヤーやCGによる視覚効果のレベルは非常に低く、まるで10年前のB級アクションを見ているよう。さらにヒロインを演じるチョン・ジヒョンは殺陣の訓練を受けていないことが明らかなほど動きが鈍く、洗練された美しさのかけらもない。なぜきちんとアクションをこなせる女優を使わなかったのだろうか。セーラー服に三つ編みお下げというコスプレだけでは10分も見ていれば飽きてしまう。これでは観客を馬鹿にしているとしか思えない。

 父の仇であるオニゲンを探すサヤは、CIAを名乗る組織の協力で米軍基地内のアメリカンスクールに転校する。剣道部の練習中イジメにあっていたアリスというクラスメートを救ったサヤは、人間の姿を擬したオニと戦う。

 舞台は1970年の東京、しかし街並みや風俗にリアリティを求めるのではなく、少し懐かしい風景として当時の雰囲気を借用しているに留まっている。ベトナム戦争真っ只中で、前線基地となる在日米軍基地の米国軍人や子弟がなぜかオニとなってサヤたちを襲うのだが、その時代背景はまったく物語に生かされていない。まあ、設定がどうであれ、目に新鮮な映像や目くるめくようなスピード感があればかまわないのだが、映画はいつになってもぬるい展開のまま。さらに、サヤとアリスがトラックで山中に向かう道で翼を持ったオニと壮絶な死闘を演じるシーンでは、オニの造形が驚くほど稚拙でとてもプロの手になるものには見えなかった。

 やがてサヤは幻覚の中でオニゲンと再会し、父を殺された怨みを晴らそうとするが、オニゲンこそが実の母であることが判明して動揺する。このあたりのやりとりも「スター・ウォーズ」のパクリでまったく新鮮味がなく退屈。オニゲンを演じた小雪が人間を殺すときに見せるまさしく「鬼の形相」だけが印象に残る作品だった。

福本次郎

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