ソルト - 福本次郎

ソルト

◆北朝鮮での拷問、情報機関ビルからの脱出、トラックの屋根を飛び移っての逃走、厳重警備をかいくぐっての暗殺劇。物語は二転三転する一方、過激なアクションの連続で、ヒロインの行動原理が謎に満ちたまま最後まで突っ走る。(40点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 どんなに追い詰められてもヒロインの強靭な心を支えているのは夫との愛。鋼鉄の意思と明晰な頭脳、そして卓越した身体能力であらゆる危機を乗り越える。北朝鮮での拷問、情報機関ビルからの脱出、トラックやトレーラーの屋根を飛び移っての逃走、厳重警備をかいくぐっての暗殺劇。二転三転する一方、過激なアクションと汗握るシーンの連続で、彼女の行動原理が謎に満ちたまま最後まで突っ走る。その来歴とスパイとしてのポテンシャルの高さは表現できているが、結局この物語を通じて何がしたかったのかよく理解できなかった。

 CIAエージェントのイブリン・ソルトは、ロシアからの亡命者・オルロフの尋問に当たる。オルロフが「イブリン・ソルトというスパイが、訪米中のロシア大統領を殺害する」と情報をもたらしたことから仲間に疑われ、イブリンは逃亡する羽目になる。

 イブリンは身の潔白を証明するため手製の爆弾などを使ってCIAのビルの包囲網を突破、民間人である夫を探そうとする。しかし、夫が行方不明とわかると大統領暗殺の準備を始めるのだ。なんとオルロフの告白は本当で、イブリンこそロシアが送り込んだ凄腕の潜入スパイという設定には唖然としてしまった。オルロフの目的がロシア大統領の暗殺ならば、なぜわざわざイブリンを窮地に立たせるのだろう。ヘタしたら暗殺計画を実行に移す前にCIAに拘束されるかもしれないのだ。目立たない方法でイブリンに接触して暗殺指令を実行せよと命令すれば済む話ではないか。もしかして、育ての親として彼女に試練を与えているのか?

 さらに、イブリンはロシアのスパイ仲間を皆殺しにしたうえに、今度はなんと米国大統領が指揮を執る地下シェルターに潜入する。警備が厳重なはずの建物の中でかくれんぼするのには思わず失笑を漏らしてしまった。ここまで来るともはや混乱の極みで、頬がこけるほどシェイプアップしたアンジェリーナ・ジョリーの鋭い眼光以外はバカげた印象しか残らない作品だった。

福本次郎

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