セックス・アンド・ザ・シティ - 岡本太陽

この夏NYにあの超有名な4人が帰ってきた!(20点)

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 1998年からアメリカのケーブル局HBOで放送されていた『セックス・アンド・ザ・シティ』。サラ・ジェシカ・パーカー扮するキャリー、キム・キャトラル扮するサマンサ、クリスティン・デイヴィス扮するシャーロット、シンシア・ニクソン扮するミランダが登場するキャンディス・ブシュネルの小説を原作に作られたこのテレビドラマは社会現象にまで発展し2004年まで第6シーズン制作された。

 最終話では、サマンサはスミスと落ち着き、妊娠が出来ないシャーロットは中国から養子をもらう事を決断し、ミランダはスティーヴと息子とブルックリンへ引越し、アレクサンドル・ペトロフスキーとフランスに行っていたキャリーは、最終的にミスター・ビッグと寄りを戻した。前々から映画化が噂されていたこのドラマ。この夏、ついにそのベールを脱いだ。この映画版『セックス・アンド・ザ・シティ(原題:Sex and the City)』はテレビドラマの最終話から4年後の設定だ。

 テレビシリーズが終了してから4年後もキャリーはアッパーイーストサイドの同じアパートに住んでいた。だが、ある日キャリーとビッグは一緒に住むためのアパートを見に行く。建物の最上階にあるペントハウススイートに恋に落ちるキャリー。ビッグもそのアパートを買う事に同意。キャリーはある日ミランダ、シャーロット、そしてハリウッドから訪れていたサマンサとあるオークションに訪れる。それは10年間寄り添った恋人と別れ、突然家を追い出された女性の数々の持ち物を競売にかけたものだった。特にその後、キャリーは自分ももしかしたら同じ目に遭うのではないかと考え始めるようになる。それはビッグと結婚をしていないという事実からだった。その事を遠回しにビッグに話し始めるキャリー。それではと、結婚を提案するビッグだが、彼らの結婚がそんなにスムーズにいくはずがなかった…。

 映画版『セックス・アンド・ザ・シティ』ではキャリーはもう40歳。確かに彼女にとっては初めての結婚だが、見苦しかったのは、彼女が結婚式に舞い上がっていた点。ビッグにとっては3度目の結婚で互いの温度差は極端に違うはずで、ビッグの事は考えずに突っ走るキャリーが非常に気持ちが悪いというよりは気色が悪い。年齢の事はあまり追求したくはないが「BE COOL」と言いたくなる。テレビシリーズを知っている人はキャリーの性格を分かっているはずなので、これには慣れているだろが。

 また、この映画版『セックス・アンド・ザ・シティ』はキャリーの結婚問題を中心に物語が展開してゆくが、彼女の友達3人の問題もちらほらと描いている。サマンサはスミスの事は愛しているがNYが恋しく、シャーロットには再び妊娠関連の問題が、ミランダはスティーヴとのセックスレス問題とそれぞれに問題を抱えているのだ。そしてこの映画で初めて登場するアカデミー賞女優ジェニファー・ハドソン演じる無意味なキャラクター、ルイーズのストーリーも描かれるため、この映画はいろんなエピソードを詰め込みまくり、なんと約2時間半という長さ。

 もともとキャリーとビッグの結婚がスムーズに進まない事はあらかじめ分かっており、それでもどんなサプライズが待っているのかと耐えながら観ていても、結局2時間半の中で、新しいキャラクターを加えたにも関わらず、これといって興味深いエピソードは何1つない。ただただギャーギャーわめく中年女茶番劇を観せられ2時間半が長く、苦痛に感じるばかりだ。

 もともとテレビドラマは1話30分で軽快なストーリーをサクサクと観る事が出来るのだが、それを制作者はわざわざ5倍の長さにしてしまった。脚本を書いたのはマイケル・パトリック・キングで、テレビシリーズと同じなのだが、わざわざ映画にするのなら相当磨き抜かれた脚本でもってしか制作するに値しない。これは日本のテレビドラマの映画化にも同じ事が言えるはずだ。映画版『セックス・アンド・ザ・シティ』の脚本はただの茶番でもはやゴミに近い。

 それから『セックス・アンド・ザ・シティ』の主要な登場人物の女性4人はそれぞれキャリーはビッグ、サマンサはスミス、シャーロットはハリー、ミランダはスティヴに落ち着いている。よってサマンサのクレイジーなセックスシーン等を期待しても彼女も落ち着いてしまっているので、それは期待し損になってしまうだろう。以前にある雑誌でサラ・ジェシカ・パーカーはキャリーは自分とは違い過ぎて共感が出来ない様な事を言っていたのだが、『セックス・アンド・ザ・シティ』を本当に映画化する必要があったのか謎だ。それでもファンは世界中にたくさんいるので、確実に稼げる映画ではあるが。それに何億も積まれたら嫌いな役でも出演をOKするだろう。

 『セックス・アンド・ザ・シティ』はラブストーリー的要素ももちろんあり、この映画を好きな女の子はいるはずだ。しかしながらこれはデートには向かない。なぜならテレビドラマを観ているならまだしも、『セックス・アンド・ザ・シティ』を観た事がない男性陣がこの映画を楽しめるはずがないのだ。もし行くのなら拷問の時間が待っていると心構えをした方が良い。この映画はキャリーや彼女の女友達の事を自分の友達の様に話す人や、彼女達の事を自分の友達と信じている人のための作品だ。

岡本太陽

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