スーパーバッド 童貞ウォーズ - 岡本太陽

ジャド・アパトウ製作の大ヒットコメディ(75点)

 ジャド・アパトウ。この脚本家兼監督がコメディ映画界を席巻している。差し詰め日本でいうなら宮藤勘九郎といったところだろうか。とにかく『40歳の童貞男』以降とどまる所を知らない。今年も彼の監督作『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』が6月に公開され大ヒット、そして彼が製作に回った『スーパーバッド 童貞ウォーズ』という作品がまたまた大ヒットを飛ばしているのである。

 監督には約10年前にホープ・デイヴィス、パーカー・ポージー等が出演しているインディペンデント系映画『デイトリッパー』のグレッグ・モットーラが起用されている。『デイトリッパー』は低予算ながら、興行的には成功を収めた彼の代表作である。そして『スーパーバッド 童貞ウォーズ』は彼の久しぶりの監督復帰作だ。

 そして主演にジョナ・ヒル、マイケル・セラという若手を迎え、ストーリーに新鮮みを与える事に成功している。彼ら二人の掛け合いは見事である。また彼らの友人役のクリストファー・ミンツ・プラーセの演技は天性の才能としかいいようがないが、絶妙で素晴らしい。クスクス笑ってしまう。

 その他には今年のジャド・アパトウ監督映画『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』に主演したセス・ローゲン等が共演しているのだが、なんと彼はこの『スーパーバッド 童貞ウォーズ』の脚本も担当している。共同でエヴァン・ゴールドバーグも脚本を担当しているのだが、彼らは2008年公開予定でジェームズ・フランコ主演で製作されている『スモーキング・ハイ』でも共同で脚本を書いている。コメディ界の若い才能である。アメリカのコメディ界はジャド・アパトウファミリーに制される日も近いかもしれない。

 ストーリーはティーン系コメディ映画によくあるような冴えない少年達の童貞喪失を1つの目的としたストーリーなのだが、どういうわけだか様子が違うのである。脚本がとにかく素晴らしいのである。単なるおバカ映画と思って観ると、観た事ない様な映画に出会った感覚におそわれる。ほんとうにこの映画に既に見飽きたベン・スティラーが出ていなくて良かったと思った。

 この『スーパーバッド 童貞ウォーズ』もそうだが、ジャド・アパトウ系映画に関連しているのは、敗者をなんらかのかたちで支持しているという点だろう。敗者を空想の中で活躍させて、それを具象化させたのが彼の映画である。だから観る者も登場人物達を共感し、そして指示し、それが良い結果に繋がっている。

 わたしが一番注目していただきたいシーンはセス役ジョナ・ヒルの子供時代である。彼は取り憑かれたかの様にある絵を書き続けているのだが…。それは観てのお楽しみ。

岡本太陽

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