スパイキッズ3-D:ゲームオーバー - 前田有一

立体映像だけがとりえだ(35点)

 人気アクションシリーズの完結編で、3D立体映画という趣向を凝らしている。

 まず、普通に映画が始まる。やがて登場人物たちが、お客さんと同じデザインのメガネをかける場面が出てくる。そこで我々も、事前に用意された3Dメガネを一緒にかけると、そこから映画は立体映像となって見えるというわけである。

 登場人物にあわせて、めがねをかけたり外したりと言う趣向が、恐らくメインターゲットの小さい子供たちには大好評となるだろう。画面から伸びる手を避けようと、身体をよじる小さい観客の姿は、スクリーンを見ているより、ある意味面白いかもしれない。

 立体映像といっても、『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』など、最近の作品(偏光方式)とは異なる。赤青フィルムを張ったメガネで見るタイプの、昔ながらの3D映画(アナグラフ方式)である。

 だから、立体といってもたかが知れてるし、映像が赤青の2色になってしまうという、長編劇映画としては、あまりにも大きなデメリットもある。まあ、所詮は子供だましの企画ものという事なのだ。だから、これを機に、アナグラフ方式の映画が再び流行するなんてことは、まずないだろう。そういう意味では、この、おそらく一発限りのアイデアに目をつけたスタッフは、大したものである。

 『スパイキッズ3D』は、良くも悪くもこのアイデア1つでもっているようなものだ。デメリットも多く、3Dの制約上、あまり激しいカメラワークが出来ず、バストアップの連続が多い。せっかくのCGを多用した場面も、赤青2色という事で、あまり凄さが伝わってこない。

 もちろん、ストーリーも完全に子供向けのキッズ映画。それを、仲良しのスタッフ&キャストが楽しんで演じ、作っているという雰囲気の作品である。主人公の姉弟役も、シリーズPART1の頃からだいぶ成長し、特にお姉さんのほうは、すでにスパイキッズとは呼べないほど大人っぽい。まあ、このへんでシリーズの幕を下ろすのが、妥当といえるだろう。

 最後に恒例のアドバイスを。この映画はエンドロールのあとに長めのオマケ付きなので、(特にシリーズのファンは)途中で席をたたないよう。

前田有一

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