サロゲート - 渡まち子

◆いびつな理想郷が舞台という設定はユニーク(50点)

 ひきこもりをハリウッドらしいアプローチで描くSFアクション・サスペンス。近未来、ロボットのサロゲートが人間のすべての社会活動を代行し、人は自宅でサロゲートを操作するだけで、安全を確保していた。事故や殺人、伝染病などの危険から人間を解放したはずのシステムだが、ある日、サロゲートが襲われ、使用者本人も死亡する事件が発生。FBI捜査官のグリアーは、ロボットを開発した企業と事件を捜査することになる。

 サロゲートを使う人間は、自分好みのルックスを手に入れることができるため、世の中は若い美男美女だらけ。いびつな理想郷が舞台という設定はユニークだ。だが、このサロゲートシステムのディテールが驚くほど甘い。当然起こるであろう、性別、年齢、人種を超えた極端ななりすまし、メンタルケアや出産問題などを考えると、法規制が必要となる。そういうネガティブな側面はほとんどスルーされていて、ツッコミを入れ出したらきりがない。そもそも、人間がいる家の中の絶対的な安全性が感じられない。おうちが安心という保障など、どこにもないのだ。ネトゲ廃人などのネット依存症はすでに現実のものである以上、仮想世界についてはもっとディープな描写を求めたい。しかし、あら探しされることを承知の上で、話を強引に進めるのがハリウッド流。本作は企業サスペンス風の設定だが、れっきとしたアクション映画なので、短時間で一気に見せるスピード感は心地良いものだ。起こるはずのない殺人事件の謎は、明かされてみるとありがちなものだが、もう少し心理描写を丁寧に描いてくれれば感情移入できただろう。ただ、この映画を反面教師的にとらえると、なかなか興味深い。ひきこもりを商売にする短絡性は、真の人間性とは何か?と問うものだし、劇中にチラリと描かれる戦争代行などは逆に実現してほしいほど。サロゲート姿のウィリスがターミネーター状態だとすれば、超人的能力のロボット社会で、一人生身で奮闘するウィリスは、限りなくダイ・ハード的。それにしても、若々しい肌にフサフサした髪の特殊“ロボット”メイクは、笑いが出そうなほど新鮮だ。

渡まち子

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