命の意味をとことん考えてと呼びかけ(60点)
のどかな地方都市、ほんわか顔の子役たちとムードはソフトだが、描くのは小学生の妊娠・出産とハードなものだ。賛否両論は覚悟で、命の意味をとことん考えてと呼びかけている。春菜とヒロユキは興味本位で“くっつけっこ”という遊びをする。春菜は妊娠するが、大人には相談できず小学生だけで子供を産むことに。妊娠・出産をこうまで軽く扱われても…という思いは禁じえない。だが同時に、ひたむきな“命を殺さない”決心は、まぶしいほど。もっとも、イマドキの小学生がこれほど純真とも、性についてこんなに無知とも思えないので、本作はファンタジーとして見るに限る。
(渡まち子)