ジュリアン・ムーアの演技に涙!(点数 95点)
(C)2014 BSM Studio. All Rights Reserved.
すべての幸せを手に入れたはずだったのに、どんどん大切なものを失ってしまう。
そうなったら、どう行動するのか? 問いただされているような作品です。
高名な言語学者でニューヨークのコロンビア大学教授のアリス(ジュリア
ン・ムーア)は、50才の誕生日をむかえます。
夫(アレック・ボールドウィン)、法科大学を卒業した長女・アナ(ケイト・ボスワース)とその夫(シェーン・マクレー)、医学院生の長男(ハンター・パリッシュ)に囲まれ、気がかりなのは、オーディションを理由に女優志望の次女・リディア(クリステン・スチュワート)がお祝いにこなかったことでした。
キャリアと家庭、すべてをもっていて人生が充実している彼女は、突然言葉が思い出せなくなります。
単なる物忘れかと思いきや、ジョギング中に自宅への帰り道がわからなくなって……。
若年性アルツハイマー病と宣告されても、彼女は、気丈に記憶を保とうとしますが、病気は少しずつ、進行していきます。
言語学者である自分が言葉を操れなくなる恐怖。
どんどんこぼれ落ちていく記憶。
観客は、アリスの視点で作品を見ているので、おびえるアリスの心がいやと言うほど伝わってきて、せつなくなります。
ジュリアン・ムーアがついに、アカデミー賞(R)主演女優賞を獲得した本作は、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞(R)も制覇しました。
女優史上初となる世界三大映画祭の主演女優賞を手にした感動作です。
ラストでは、すべてを失っても、必ず手のひらに残っているものがあると実感することが出来ます。
今、いろいろなことに悩んでいる方に特にオススメ。胸が熱くなって、涙、涙ですよ。
(小泉 浩子)