普段から身だしなみをきちんと整えていなければ恋も運命も引き寄せられない事実を実感する。(点数 50点)
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初恋の人への思いを引きずっていて、いつまでたっても結婚できない。
そんな、ときめきを忘れてしまった三十女が仕事に打ち込んでしまう
心情がリアルだ。映画は、若いころの出会いを運命と信じ現実から逃
げているヒロインと、彼女のために“初恋の人探し”を請け負った男
との珍道中をコミカルに描く。いつもノーメークで作業着の彼女を見
ていると、普段から身だしなみをきちんと整えていなければ恋も運命
も引き寄せられない事実を実感する。
婚期を逃しつつあるジウは、「初恋探し株式会社」で、所長のギジュ
ンにジョンウクという男を探してもらう。手掛かりは10年前のインド
旅行だけ。ジウとギジュンはジョンウク名の男をひとりずつ訪ね歩く。
旅先で恋に落ち、再会を約束したのにジョンウクに会いに行かなかっ
たジウ。美しい思い出のエンディングが予想と違っていると悲しいか
らと、わざとすっぽかした過去がある。それは旅という非日常でハイ
になると相手が数倍カッコよく見えるのを知っているから。ジョンウ
クにとっても同じで、ジウは自分に幻滅されたくなかったのだろう。
新たな出会いもないままいつのまにか時間だけが経っている、ジウの
ようなキャリアウーマンがはまりがちな陥穽は世界に共通している。
本当に自分を分かってくれる“運命の人”は、遠い記憶の中ではなく、
身近なところにいる。恋の成就を願っているのに、失恋を恐れて一歩
踏み出す勇気がないジウは、韓国女性の結婚難を象徴していた。
(福本次郎)