魔法にかけられて - 映画批評なら映画ジャッジ!

◆本家ディズニーがセルフパロディ(85点)
トキメキたい2009

 『魔法にかけられて』は、ディズニー映画やTDR大好きなアナタがみたら、ショックで椅子から転げ落ちるか、腹を抱えて大笑いするかのどちらかという大問題作だ。

 魔法の国"アンダレーシア"の森で暮らすジゼル(声:エイミー・アダムス)。やがて夢に見た王子(声:ジェームズ・マースデン)と出会い、結婚を目前にした彼女は、魔女(声:スーザン・サランドン)にだまされおそろしい国へと続く穴の中へ突き落とされてしまう。

 伝統回帰の手描きフルアニメーションはさすが天下のディズニー、うっとりするような美しさ。だが、かわいらしいお姫様が魔女に追いやられた「永遠の愛など存在しない国」は……なんと現代のニューヨークであった。

 そこから突然実写になるという、とんでもない展開。

 顔にシミひとつない美少女だったアニメのお姫様は、三十路過ぎの肌ガサガサな(それでも一応)女の子に。真っ白なドレスは歩くたびに薄汚れ、得意の歌をはじめれば周りから変質者扱い。

 ディズニーが長年かけて作り上げた"御伽噺のお約束"が、ここでは一切通じない。そんな自虐的ギャグの数々には、ここまでやるのかと驚かされる。

 これにはメリーポピンズも白雪姫も真っ青。とくにジゼルが美しい声で歌い、動物たちと一緒に部屋を掃除する場面は必見。必死にこらえていた私だが、結局笑いをとめる事ができなかった。これはあまりにもひどい(褒めている)。

 本家が、こんなに徹底したセルフパロディをやったら、これまで彼らをパロっていた人々は面目形無しだ。とくに、アンチディズニーの意をこめ『シュレック』シリーズを作っているドリームワークスのアニメ関係者などは、立つ瀬もなかろう。

 しかもこれ、まるで手抜きがない。ぱっと思いついたアイデアを、安直に映像化したものとは違う。実写VFXアクション、アドベンチャー、アニメーション、ファンタジー、そしてロマンティックコメディーと、もてる引き出しをすべて使い切った全力投球で、きわめて完成度も高い。もちろん、全米一位ももぎとった。

 なんといっても、セルフパロディでありながら、最後はきっちり社是通りの感動ロマンティックエンドにまとめあげる手腕には、脱帽である。

 ジュリー・アンドリュースほか歴代のディズニーヒロインを演じた女優たちもチラリと出演、各種アニメーション作品からの引用も多く、熱烈なファンならなおさら楽しめる。

 思いつく限りの最近のディズニーアニメ(実写映画)で、本作ほど大人にすすめたいと思ったものはない。冗談のわかるディズニーファンにとっては、絶対必見の傑作と断言する。

映画ジャッジ

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