食の未来 - 映画批評なら映画ジャッジ!

◆食の安全性を徹底追求したドキュメンタリー(70点)
勉強したい2009

 賞味期限や産地の偽装が一段落したと思ったら、テラ豚丼やらケンタッキーフライドゴキブリといった問題が持ち上がっている。どちらもKYなアルバイト店員の悪ふざけが、ミクシーやニコニコ動画といった巨大サイトを通じてネット上で広まったニュースだ。日本のフード業界は、もはや最上位の料亭から最底辺のファストフードまで、腐敗しきってしまったのか。

 ──と思ったところで今度は、不祥事のディフェンディングチャンピオン中国から、猛毒ラーメンが売られていたとの仰天話が飛び込んできた。お湯を注いで……ではなく、食べると数分であの世行きだという。知らん顔して輸出したら、これはもう生物兵器となんら変わりない。中国産食品は、いまや大量破壊兵器の粋に達している。米国は中国をテロ支援国家指定してはどうか。

 さて、そんな今ぜひ見てほしいのがこの『食の未来』。誠実な語り口で、冷静に、かつ論理的に食の安全性の問題を解説するまじめなドキュメンタリーだ。米国では04年3月の選挙前にカリフォルニアで上映され、この地域での遺伝子組み換え作物(GMO)栽培禁止法案を通過させる力となった。情報量が多く、一部専門的な内容にも突っ込むため、字幕でなく日本語吹き替え版での上映となる。画面のみに集中して見られるのはありがたい。

 この映画は、消費者や小規模な良心的生産者の立場に立っているが、マイケルムーアのように多国籍アグリビジネス企業に対して感情的に「反対!」とは訴えない。その理由は、一言で言えばその必要がないからだ。たとえば先述の遺伝子組み換え食品については、これはもう事実を淡々と述べるだけでその不公平な本質が誰にでもわかる。

 米国政府の強大なバックアップのもと、世界中に自らの強引なビジネスを押し付けるのは他の産業でも見られるとおり。生物特許とそれに基づいた訴訟という最終兵器を手に、地球上の津々浦々まで出かけて農家を支配せんとする。その仕組みがわかりやすく解説される。

 だいたい遺伝子組み換え食品など、私たち消費者にとっては何一ついいことがない。安全か否かの議論以前に、そもそも必要性がない。むしろ、これのおかげで昔ながらの非組み換え食品に希少価値がつき、値上がりしてしまった。

 日本での国内栽培も、まもなく米国の圧力によって認可されそうな状況だが、そうなればアルゼンチンはじめ世界中で問題になっているように、先祖代々の非組み換えの田んぼや畑、あらゆる自然が汚染され、永久に元に戻すことは出来ない。

 隣の畑で栽培された日には、運が悪ければ自分の農作物をGMOで汚染された上、この映画にあるように「無許可で当社の組み換え作物を栽培した」などと大企業から言いがかりを付けられ、巨額の賠償金を払うハメになる。泣きっ面にハチとはよく言ったものだ。

 何はともあれ、いま世界の農業、食料ビジネスの最前線で何が起きているか。知っておいて損はない。私が運営委員をやった国際有機農業映画祭2007では、熟考の末これをオープニング作品としたが、観客からもおおむね好評であった。食の安全性が気になる方は、ぜひ一度ご覧いただきたい。

映画ジャッジ

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