静かなる男 - 中野 豊

ジョン・フィード映画をもう一度。(点数 90点)


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ジョン・フォード監督生誕120年に、傑作2作品がデジタル・リマスターでスクリーンに甦ります。
今回は西部劇の金字塔『駅馬車』を差し置いて、ジョン・フォード監督の心の故郷アイルランドを舞台に、アイルランド気質をユーモアたっぷりに描いた『静かなる男』を紹介します。

プロボクサーとして相手を殴り殺してしまった男ショーン(ジョン・ウェイン)が、アメリカから故郷アイルランドの村に帰ってきて、想い出の詰まった丘の家を買い取ります。
それは短気な男レッドが欲しがっていただけに、レッドはショーンが憎たらしいのです。
おまけにショーンはレッドの赤毛の妹メリー(モーリン・オハラ)と結婚すると言い出したから腹の虫がおさまりません。
アイルランドの慣わしでメリーは持参金なしの男の嫁にはなれないと悲しみますが、ショーンはそんなことお構いなしに結婚式を挙げてしまいます。
持参金の件でショーンが兄と交渉してくれないことに失望したメリーはショーンとベッドを共にすることもありません……
そんなある日、メリーはダブリン行きの列車に乗ってしまうのですが、ショーンは駅へ駆けつけメリーを列車から引きずりおろし、レッドと談判して渋々金をショーンに渡すレッドですが、それをショーンは焼却炉に叩き込みます。
激怒したレッドはショーンと野を越え山を越え、くたくたになるまで殴り合いの果て、男同士の友情に結ばれるのです。

アイルランド移民の両親を持つジョン・フォードが心の故郷を舞台にしたヒューマン・ラブストーリーで、巧みな人物造詣、目を奪うほど美しいアイルランドの田園風景。無骨ながら心ほっこりのエピソードの数々は見る私たちに幸せな気分に導きます。
猟奇・怪奇・犯罪・ポルノ・SF映画が溢れかえる現代に、古き良きアメリカ映画をたまにはご覧あそばせ。

☆最後に 故 淀川長治 先生のショートレヴィー
「ジョン・フォード監督のアイルランドものの代表作。ジョン・ウェインとモーロリン・オハラのここに(男)あり(女)ありの名演技。
アイリッシュ・ムードのなんたる愉快さよ」

■1952年 アメリカ映画/上映時間:129分/監督:ジョン・フォード/出演:ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、ヴィクター・マクラグレン ほか

オフィシャルサイト:http://mermaidfilms.co.jp/johnford/

中野 豊

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