加害者の意識を問うスタンスがユニーク(75点)
いじめ問題を扱う映画だが、被害者を不在にして加害者の意識を問うスタンスがユニーク。いじめを苦にした生徒が自殺未遂事件を起こしたクラスに、吃音の臨時教師・村内がやってくる。いじめた生徒の存在を忘れることをひきょうだと言う村内は、無人の机に挨拶を続けるが、そのことによって学校に波紋が広がっていく。うわべだけ問題を解決し、やりすごそうとする大人。それを見抜き表面だけ反省する生徒。村内はその両方を許さない。どこからともなくやってきて“世直し”を行い、ふいに去っていく。これは学校を舞台にした「ペイルライダー」だ。阿部寛が少ないセリフで静かに熱演。
(渡まち子)