◆重くてダークな雰囲気はサスペンス・ホラーらしい出来栄えだが、かなり重々しさを感じさせる(65点)
リチャード・マシスン原作の短編小説をリチャード・ケリー監督が映像化したサスペンス作品で、主演のキャメロン・ディアスにとってはこれがサスペンス初挑戦となった。
教師ノーマ(キャメロン・ディアス)とアーサー(ジェームズ・マースデン)夫婦のもとに赤いボタンが付いた木製の箱が届く。その日の夕方に顔がケロイドで欠損しているスチュード(フランク・ランジェラ)という謎めいた男が訪ねて来る。彼が「ボタンを押せば100万ドルを渡すが、その代わりに見知らぬ誰かが死ぬ……」という。考える猶予は24時間。二人は考え、迷った挙句にこのボタンを押してしまう……。
重くてダークな雰囲気はサスペンス・ホラーらしい出来栄えだが、かなり重々しさを感じさせる。その上、哲学的な内容が観られたり、リチャード監督ならではのSF風味を取り入れたりと工夫を施していて良いが、これがややわかりにくいのが弱点だ。
スチュードの顔、ノーマの幼少時に負傷した爪先、突然鼻血を出す者といった個々で印象に残るようなシーンは多く、作品そのものもそれなりに面白く出来ているが、先述したポイントによって消化不良感が否めない。
(佐々木貴之)