虹色ほたる~永遠の夏休み - 樺沢 紫苑

子供と一緒に、家族と見て欲しい映画ですが、カップルでも、そして大人が一人でも見ても楽しめる映画です。(点数 90点)


(C)川口雅幸/アルファポリス・東映アニメーション

 アニメ『虹色ほたる』を見て5、6回泣きました。

 映画を見て泣くって、いいですね。
 心が浄化されるような気がします。

 全編手書きで描かれた素朴な画像が、
昔の東映アニメーションを彷彿とさせますし、時代の設定が非常にうまい。

 1977年のダムで沈む村にタイムスリップした、
12歳の少年の「夏休み」の物語。

 花火、夏祭り、水遊び、昆虫採集、初恋など、誰でも経験した
昔の夏休みの風景が描かれるわけですが、
それによって自分の大切な「思い出」の記憶の扉が開かれます。

 見ていて、「あるある」の連続ですが、
1977年で12歳というのは、1965年生まれの私としては、
まさにドンピシャの時代設定で、
私のために作られたような映画です。

 特に美しいホタルのシーンは圧巻ですが、
これと同じような幻想的な風景を大学の頃(約二十数年前)、
北海道の新冠というところで見たのを思い出し、
その時の感動が蘇り、涙がボロボロとこぼれました。

 人間の記憶って凄いです。
 記憶とともに、その時の感情までがリアルに引き出されてしまうのですから。

 あれだけ美しい数えきれないほどの蛍が飛び交う幻想的な風景。
 今の北海道にもないのかと思うと寂しくなりました。

 この映画、時間とともに「失われるもの」がテーマになっているのですが、
「失われないものは何か?」というのが、
最後の大きな感動に結びついてきます。

 ごく普通の12歳の少年。
 最初、自分のことしか考えられない少年が、
ある少女との出会いによって、彼女を「助けたい」と思うようになります。

 「自分のため」ではなく、「人のため」に行動できるようになる。
 これこそが、大人への成長。
 
 少年が、トラウマを乗り越え大人へと成長していく物語として、
心理描写もしっかりしています。

 子供と一緒に、家族と見て欲しい映画ですが、
カップルでも、そして大人が一人でも見ても楽しめる映画です。

『虹色ほたる~永遠の夏休み』オフィシャル・ページ
http://www.nijiirohotaru.com/

樺沢 紫苑

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