◆ストリップ劇場に行かなくても“みなたん”のヌードが見られるぞ!(50点)
清純派グラビアアイドルから、すっかりお騒がせタレントになってしまった小向美奈子が、団鬼六原作のSM映画で堂々、主演。SM趣味のない筆者としてはどれほど集客に貢献するのかよくわからないが、とにかくプレス資料に記載の売り文句をそのままご紹介しておこう。なんと本作では「芋虫ころがし、生け捕り揚羽締め、三点逆股くぐり図といったオリジナル緊縛の数々が惜しげもなく披露」されているのだあ!
あらすじは……まあ、いいですよね。皆さんも特に興味はないだろう。小向美奈子が縛られたり、ムチで叩かれたり、利尿剤を飲まされたりするうちにMに目覚めるというお話。女優の名前を「杉本彩」や「谷ナオミ」に差し替えれば、すべてのSM映画の説明になる。
で、興味は“みなたん”に絞られるわけだが、これは期待を裏切らない。堤幸彦は主演俳優のボーカルを消すという失笑モノの音楽(?)映画を作ったが、主演女優が脱がないポルノ映画なんぞを作った日には、6000万人の日本男児が草食・肉食の別なく暴動を起こす。水着の写真からイメージするよりバストはかなり垂れ気味だったが、それはそれなりに肉感的。とりわけ前屈みになったシーンのエロさは圧巻だ。ファンはぜひご堪能あれ。
ただ、SM映画って、その趣味のない人間から見ると、いかんせんストーリーがアホ臭いんだよね。見ず知らずのヤクザに拉致され、ムチで叩かれて、あなた、快感を感じますか? だから小向にはぜひとも一般映画であの愛くるしい笑顔や自慢のスライム乳を見せてほしいと思うのだが、果たして今後、お声がかかることがあるのかどうか。素晴らしい才能や個性(バストを含む)を持ちながら、人生の損得勘定ができずにすべてをドブに捨ててしまう芸能人やスポーツ選手は数知れない。ろくな才能を持たない凡人としては、他人事ながらつくづく惜しい。
(町田敦夫)