猿ロック THE MOVIE - 渡まち子

◆もともとが深夜枠のTVドラマというだけあって、物語の展開やギャグはあくまでユルい。深夜ドラマではそのチープさも魅力だが、大画面のスクリーンで見るには少々キビしかった(30点)

 漫画、ドラマで人気の「猿ロック」の劇場版は、水中アクションも披露するエンタメ映画。どんな鍵でも開けられないものはない天才鍵師のサルこと猿丸は、謎の美女・マユミの依頼で金庫を開ける。そこにあったトランクは実はヤクザが銀行から盗んだもので、中には多額の現金だけでなく、警察組織の権威に関わる重大な秘密が。そんなことは知らないサルはヤクザと警察の両方から追われるハメになる。マユミを信じて疑わないサルは彼女を守るために懸命だが、指名手配になったサルを助けるべく、商店街の幼なじみたちはある決断を下す…。

 もともとが深夜枠のTVドラマというだけあって、物語の展開やギャグはあくまでユルい。深夜ドラマではそのチープさも魅力だが、大画面のスクリーンで見るには少々キビしかった。サルが美女に弱いという設定はお約束だが、あまりにも内容がおバカすぎる。終盤、カーチェイスを繰り広げたり、水中で鍵を開けるなど、スケールを感じさせる場面があるが、そんなことよりむしろ、サルが天才鍵師であることを強調するような、シーンがほしかった。鍵を使わずに錠を開ける行為・ピッキングの技や、鍵穴そのものがない箱を開くノウハウをじっくりと描けば説得力も増しただろうに。普段はバカをやっても鍵にかけては天才的という描写が弱いため、ほとんど出たとこ勝負のマユミの悪巧みに付き合うサルは、まっすぐというより頭がカラッポの単細胞にしか見えなかった。ハイテンションのギャグ、仲間との友情や掛け合い、美女に弱い男の純情。やはりこれは深夜ドラマだからこそ生きる設定だと思う。唯一心に残ったのは“人の心の鍵を開ける”というキャッチ。最後にマユミから届いたハガキは、サルが彼女の心の鍵を開けた証拠だ。それにしても、大金と極秘情報をそこらへんの銀行に預ける警察といい、ピッキングによってあっさりと破られる銀行のセキュリティーシステムといい、いくら映画とはいえ、日本の危機管理は大丈夫なのか?? と心配になる。

渡まち子

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