永遠の僕たち - 樺沢 紫苑

生とは何か? 死とは何か? 死の受容とは?(点数 90点)

実に切ない映画を見た。
 
 他人の葬式に参列するのを趣味とするイーノックは、
そこで自分と同じような少女アナベルと出会う。

 交通事故によって両親を失った少年イーノックは、心に大きな傷を負っている。
 また、少女アナベルは、癌をわずらい余命いくばくもない。

 高校生ほどの年齢の二人が、「死」について真剣に考え、
「死」を受容していく。
 
 少女アナベルは、自らの死を。
 そしてイーノックは、両親の死を受容し、恋人の死を受容する。
 
 「死の受容」とは、言葉で言うのは簡単だか、
実際にはそう簡単なものではない。
 
 もがき苦しみ、時には怒り、自分を責める。
 
 十代の二人にとって、「死」の受容はあまりにも大きすぎる問題。
 しかし、アナベルの命は日に日に短くなるばかりで、
「死」について二人は避けて通るわけにはいかない。
 
 お互いに心に傷を負っているだけに、互いの気持ちがよく理解できる。
 二人にとって、お互いが、唯一の理解者でもある。
 
 アナベルの死が見えているだけに、
一回一回のデートシーンが実に切ない。

 しかし、彼らは、精一杯生きようとする。
 遺された時間を。

 結局のところ、「今」という時間を大切に、
一瞬一瞬を大切に生きるしかないのだ、と。

 アナベルの死が間近に迫る。
 後半は、涙なくしては見られない。

 イーノックを演じるのが、昨年急逝したデニス・ホッパーの息子、
ヘンリー・ホッパー。
 そして、アナベルを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』で
印象深いアリスを演じたミア・ワシコウスカ。
 
 二人の若手注目俳優が主役をつとめるが、
二人ともしっかりとした演技力があり、
映画の世界にグイグイと引き込まれる。

 また、加瀬亮が、イーノックの唯一の親友であり、幽霊という
意外な役柄で登場しており、そちらも見どころである(笑)。

 生とは何か? 死とは何か?
 死の受容とは?

 心理学的にも精緻に描かれていて興味深いが、
何より切ないラブストーリーとして完成されていて、
感動させられる。

樺沢 紫苑

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