Jホラーの影響が強く感じられる韓国ホラーの秀作(点数 68点)
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韓国のホラーは「4人の食卓」や「箪笥」など、人間の心のどす黒い部分をえぐり出して嫌な気持ちにさせる秀作が多い。
最後まで救われないのである。この作品も、そんな一つ。
ウェブ漫画のストーリーの通りに殺人が起こっていく恐怖を描く。刑事(オム・ギジユン)はウェブ漫画を描く美貌の女性漫画家(イ・シヨン)を疑うが、事件の背後にはある女子高生(ムン・ガヨン)を巡る恐ろしい出来事が隠されていた。
殺人描写の過激さは韓国ならでは。しかも次々と起こるので飽きさせない。
女編集者が自分の顔をカッターナイフで切り刻んだり、全身黒焦げの死体が動いたり、グロテスクな場面の連続だ。
漫画の絵から現実の殺人へ、現実の殺人から漫画へ、場面がつながっていくのも面白い。
そして、もう一つの見どころが、主演のイ・シヨンの美貌だ。資料によると女子プロボクサーでもあるというのでビックリだが、それが信じられないほどの美しさ。
恐怖に怯える表情も魅力的で、見ていて引き込まれてしまう。
キム・ヨンギユン監督の演出は、恐怖シーンを随所に入れて結構怖がらせてくれる。
幽霊の描き方などにJホラーの影響を強く受けていると思われる。
やはり欧米のスプラッターよりも、こちらの方が怖い。
人々が心に秘めた闇が露見していくストーリーもよく出来ていて、韓国ホラーの水準の高さを示す1本だと思う。
(小梶勝男)